「映画ドラえもん のび太の宝島」を見に行く(ネタバレあり)

星野源について語ろうと思うので、星野源関連ならどこへでも飛びますw
ということで、先日見てきましたよ、この映画。

※後半はネタバレを含みますので、これから映画をご覧になる方はお気をつけくださいね。

映画ドラえもん のび太の宝島
https://www.youtube.com/watch?v=oEjDsWU8u0c&sns=sms

言わずと知れた「ドラえもん」の映画です。
今回は主題歌(ドラえもん)と挿入歌(ここにいないあなたへ)を星野源さんが書き下ろしています。
長く続くドラえもん映画で、主題歌と挿入歌を同じ人が担当するのははじめてのことだったとか。

しかし、星野さんのドラえもん好きはソロデビュー前から知れ渡っているほどであり、今回のオファーもメガヒットを叩き出した9枚目シングル「恋」の発売以前に行われていたそうです。(日経エンタテイメント誌)
誰よりもドラえもんをこよなく愛し、古くは2011年にテレビブロス誌の藤子・F・不二雄先生の特集で表紙を飾り(当時はSAKEROCKとして)、2016年には藤子・F・不二雄先生の専門誌「F-Trip」の表紙まで飾ったこともある星野さんなら、間違いなく適役でしょう。
そして、監督には「君の名は。」のプロデューサーとしても知られる川村元気さん、ゲスト声優はとして大泉洋さん、サバンナの高橋茂雄さん、長澤まさみさんも加わる豪華すぎる布陣です。これは期待するしかない。


『映画ドラえもん のび太の宝島』公式サイト http://doraeiga.com/2018/

ずいぶん前から映画そのものはやってたよなあ、と思いつつ調べてみると、映画ドラえもんとしてはシリーズ通算38作目になるそうです。
実は第1作目「のび太の恐竜」をしっかり記憶してたりしますが、自分が幼い頃はともかく、大人になってからの作品はさすがに見ても聞いてもいなかったので、今回は数十年ぶりのドラえもん映画になります。
正直、見たい理由は「星野源の新曲が聞きたいから」という超絶ヨコシマなものだけであり、実際のところ子供も連れずおひとりさまで映画館に向かうのはなかなかの試練でしたよ…ふふ…www

ちなみにキャッチフレーズは
「見つけたのは、宝物以上の、宝物。」
「勇気と友情は、海賊にも奪えない宝物だ。」
「その島を作ったのは、愛でした。」
とのこと。

ストーリーとしては安定のドラえもんです。
いつものようにのび太くんがドラえもんに「宝島を探したい」と無理難題を持ちかけ、ドラえもんがそれを解決して冒険の旅へ出かけるぞ!という安定のスタート。

そこから謎の海賊に襲われたり、しずかちゃんが拐われたり、謎の少年フロックと合流したり、しずかちゃんにそっくりの少女セーラと出会い、宝島の秘密が少しずつ解き明かされ…とテンポよく進んでいきます。

今回のテーマは「家族」。
色々な家族の在り方が綴られています。
言わずと知れたのび太くんと、パパ、ママとの関係、ゲストたちの親子関係も絡み合います。
もちろん、映画ドラえもんならではのアクションもあり、おちゃらけあり、涙もありのドキドキワクワクな1時間49分でした。

子どもの頃の気持ち、大人になってからの親心、きっと大人になってから見たらまた違う感情が溢れる…そんな多方面からの見方ができるのがきっと「大人も楽しめるドラえもん」なのかな、と思いました。
結構ね、大人の感情も丁寧に描かれているんですよ。
大人だからこそ抱える思い、大人ゆえに心配してしまうこと、大人になって初めて分かる辛さや苦しさ…こんなに描いていいの?とも思いましたがw
賛否両論はあるようですが、個人的には「面白かった!」これに尽きます。

映画上映はだいぶ少なくなってきたようですが、そのうち円盤化もされることでしょう。
ぜひぜひ機会があれば見てみてくださいませ。
大人の思いと子どもの記憶がふわふわと浮かび上がる、そんな「SF(すこしだけ、ふしぎ)」な時間を楽しめますよ。

てことで、ここから少しネタバレします。
未見の方はお気をつけを。




















てことで。
ネタバレな感想をひとつ。

実は私、この映画は2回ほど見ていますw
1回目は時間がない中でがーーーっと見たんですけど、その時にとても疑問が残ってました。

それは、フロック達の母の死は安直すぎやしないか?ということ。
そして、最後に船長の取った行動が理解できなかった、ということでした。
だって、「母が死んだ」という事実はそれこそ子ども向けにしてはあまりにも酷じゃないか。
しかもそれを苦にした父がそこから現実逃避して育児放棄、しまいには歪んだ目標を立てて世の摂理までねじ曲げて海賊稼業にって…なかなか重いですよねw

そのうえ、最期に船長がどこを向いたのか、そこは明確にならなかったんです。
新たな「地球を救う発明をする」とか、そんな指針があってもいいはずなのに、それは全く語られずに彼らは旅立ちました。
なんで?!って思ったんですw

そして、2回目の映画でその疑問はなんとなく納得できました。

フロック達の母の死は、確かに重いままでした。
けけども、これは子どもにも大人にも双方に伝わる「理不尽」なのだなあ、と。
人の死はいつでも傍らにある身近な「理不尽」で、どんな時でも受け止めるしかない「現実」を示すものですよね。
しかも子どもにとっては「ママがいない」で終われても、大人にとっては「妻を失って、子ども二人をどうにか育てるしかない絶望」が目の前に立ちはだかる訳であり、やっぱり大人と子どもで受け止める重責の度合いがはっきりと違うのですよね。
その温度差が、親子にとってどんどん歪みを生んでしまう。けれどもお互いにその差に気がつけない…お互いに一杯すぎる生活の中で、そんな「思いやり」や「気遣い」はどうしても持てなくなる。

これって、とても深いなあ、と。

結果的に大人が子どもに救われる、という図式はまさに「子どもの成長」を描いているし、そこには子どもに追い抜かれることで「大人の老い」すら感じさせる。
どんな立場で見るかによって全く捉え方が変わるわけで、その振り幅の持たせ方はなんだか面白いぞ、と思いました。
最後に亡き人を思い出すシーンでは同じ事を思ったのでしょうが、その感情はたぶん全く違ったのだろうなあ、と。
安直に見えた設定でしたが、思いのほか多岐にわたる見方ができることに感心しました。

そして、最期の選択。
これも今の話に繋がるのですが、船長が取った選択は破壊でも新たな研究でもなかったんです。
それは…

「次代に繋ぐ」

ということだったのかな、と。
フロックに頭脳戦で敗北し、二人に「一緒に考えよう」と言われたことで、船長は選択することを一旦思い止まった、という話なのでしょうか。
きっとこの先のことは、妻が生きていた頃のように、今度は子ども達とたくさんの選択肢を見つけて、そして家族で繋いでいくのだろう、と思いました。
だからこそ、ラストのシーンでは語られずに終わったのでしょう。

だって、その先は家族3人の物語になるのだから。

そんなことをゆるゆると考えながら、2回目を見ることができました。
もちろん、どれも私の推測でしかなく、本当のところは誰にも分からないのかと思います。
それでも、2回目を見ることで更に映画を楽しめた…そんな気がします。

そんな感じで、「映画ドラえもん のび太の宝島」、ぜひぜひ何度でもご覧下さい!
「ここにいないあなたへ」で泣かされた後で、エンディングで流れる主題歌「ドラえもん」が本当に映画のドキドキワクワクを思い出させてくれて、やっぱり星野源は最高ですから!!!

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