女性の想像する「男性中心社会が終焉した後」には男はほとんど生息できなくなるだろう。

こういう文章は最近よく見るわけである。世界経済フォーラム様のGGGIで日本のジェンダーギャップ順位が下がっている。つまり日本男は特権階級にあぐらを描いているのだ。女性のためにまず道を開けろ。ケア労働をもっと無償でせよ。女性の自己実現のために男は引っ込め、というわけである。

で、じゃあ、男はもう仕事を辞めて専業主夫として家事労働、ケア労働をアンペイドワークとしてやりますから女性が養ってくださいねはーと、というと女性からは「は?なんで私が男を養わなければならないのよ。自分の食い扶持くらい自分で稼ぐのが当然でしょ。」という声が飛んでくるのである。

三高男を結婚相手の理想とする女性たちにとっては、たとえ背が高くて一流大学を出て学歴も高い男性でも収入のない男はNGであるわけである。

以前はそういう話をすると、女性からは「私は体が弱いのでいつまで仕事を続けられるかわかりません。そんな私に男を家族として養えというのはナンセンスです。」と言われたことなら結構ある。

彼女らにしてみれば男には残業を少し減らしてもらって収入が1割くらい減らす代わりに家事育児労働を女性分の6時間肩代わりせよ、家族を養うという性役割は依然として男が担うべきであり、女性が男を養うなんてとんでもないという意見が多かったのである。つまり男には実質的に労働強化を求めている女性が少なからず存在するわけである。

もちろん少数意見としては「うちの旦那は専業主夫」という人もいないではない。残念ながら多数派ではないが、いないわけではない。

意識の高いフェミニストたちや正義の左派リベラルはもうアンペイドワークを男が担えという定性的な話しかしないが、定量的な話をすると、破綻してしまうわけである。

この統計では日本の男が1日に452分働いて、41分アンペイドワークしているということを示している。正義の左派やフェミニストたちはこの41分だけを取り出して「日本の女性はアンペイドワークを224分もやっている。男の6倍近いではないか。男がもっとケア労働、つまりアンペイドワークをやれよ」と言っているわけである。

もし、素直にフェミニストたちのいうことを聞けば、男は452+224=677分働けや、ということになる。1日に11時間17分の労働になる。これは1週7日としての労働時間なので週に直せば80時間の労働になるわけである。過労死ラインである。さらに言えば、女性たちは主婦の座を渡したくないわけである。例えば家計とか家事のやり方は夫の自由にさせずに、夫を自分の支配下において妻である自分の満足するように夫を強制労働させたいという人が多いわけである。

夫にしてみれば給料のために会社で宮仕して、帰宅すると妻のご機嫌を取るために強制労働させられるわけであるから休息する暇はなくなる。これはたとえ午前2時とか3時であっても妻の代わりに掃除洗濯や授乳を思いつきで命令されても服従しなければならないことを意味するわけである。掃除の仕方が気に入らないと疲れて眠っている夫を夜中の2時に叩き起こしてもう一度妻が気にいるまで掃除させ、そのまま朝食を作らせてお弁当を作らせて夫には一銭も持たせずに家から会社に追い出せばいいわけである。企業が雇用者を使うときには36協定などがあるので一定の制限はあるが、アンペイドワークの場合そういう制限なく自由に妻が夫をこき使えるようになるわけである。

夫が過労死したとしても妻はそんなつもりじゃ無かった。私は何も悪くない、むしろ会社が悪い社会が悪い首相の岸田が悪いと泣きながら黙って夫の生命保険を受け取れるということである。

正義の左派やフェミニストたちが求めるジェンダー平等社会はひたすら女性の権利向上を目指すものであり、男の権利とかそれって美味しいの?というものであるので、女性の想像する男(高学歴でハンサムで24時間でも48時間でも72時間でも不眠不休で働き続けて食事などしなくても爽やかに笑っていられる)の基準で扱われてはそんなの死んでしまいますと生身の男はもう逃走の体制に入っているのだと思う。

中には「俺だけは大丈夫だ」と言って猛獣の住むジャングルにTシャツと雪駄で入っていくような男もいるが、帰ってこないものが多いのである。

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