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ちょっとした思い出語り

いや、こういう記事を見て少し思い出したことがある。

多分、昭和の終わり頃、あの名前を言ってはいけないロールプレイングゲームがついに和訳されたわけである。某遊園地をネズミーランドと言わなければならないのと同じで、某TRPGもその真名を言ってしまうと怖い人が現れるという神話で皆戦々恐々としていたわけである。

私はちょっとその波に遅れて参加したので、和訳版のゲームではなく、その上級版を導入したわけである。こちらは今現在、某TRPGと統合されたのでHJ版などで和訳を見ることができるかもしれない。とにかくカラー刷りで様々なイラストー例えば蛮人コナン(少年探偵ではない)やビキニアーマーを着たお姉ちゃんがこれでもかと描かれているわけである。

私は男子校だったので(母校は今や共学化してしまったが)周りでゲームする連中はみんな野郎どもばかりであったのだが、当然ながら本国米国では男女の区別なくゲームに参加していたわけである。そのため、プレイヤーを「He」で呼べばいい日本とは違って、きちんとルールブックでは「He or she」もしくは「He/she」と表記されていたわけである。つまり、そのビキニアーマーの姉ちゃんは単に蛮人コナンの獲物、もしくは奴隷ではなく自律した一個のプレイヤーであるという主張である。これが私の理解するポリティカル・コレクトネスである。

今の男は自由に殴っていいけれど女性だけは過保護に、厳重に保護すべきというのは断じてポリティカル・コレクトネスとは言わないのである。今のフェミニズムや左派の主張に同意できないのは女性を自尊自衛できる自立した存在として扱わない点である。異常に保護されながら生きることは単にカゴの中の鳥と同じではないか。日本ではそういう認識がすっ飛んでしまっているので、結局は男女平等ではなくて男性の迫害がポリティカルコレクトネスとされる。

一応これが日本語版公式ページである。流石に私はもうゲームをやっていないので現状がどうなのかはよくわからないのではあるが。

今日はこの話である。私が最初に足を踏み入れた時には公式設定でもGrayhawkしかなかったのだが、そのうち、ドラゴンランスとか、フォゴットンレルムのようなワールド設定が公表されるようになった。けれども、そういう設定はどうもピザを食べながらゲームをするアメリカンのようで、当時の私には違和感があったわけである。

何というか、「指輪物語」と「ハリーポッター」の違いというか。ハイ・ファンタジーだから良いというわけではない。同じ異世界転生譚でもナルニア国やハロルド・シェイであればそういう違和感は感じないのである。ちょっと現実が生っぽいのが嫌だったのかもしれない。

シナリオのネタを求めてありがたかったのは当時創元社やハヤカワ文庫であった。当時はSFからファンタジーが分離したわけである。「エターナルチャンピオン」シリーズやハロルド・シェイ、グレイ・マウザーのシリーズその他は非常に参考になったわけである。

けれどもそれだけでは足りないということで手を出したのが少女マンガである。井村君江先生のケルトの神話は名著だと思うがいかんせんビジュアルがわからない。岩波文庫にも「中世騎士物語」という書物があったのだけれど、どうも痒いところに手が届かないわけである。当時、中世欧州のビジュアルはグループSNEの面々が色々と資料集を出してくれてはいたが、やはり資料としては少なかった。
そういう中で少女マンガには既に剣と魔法の世界のマンガが存在したわけである。そういう中であしべゆうほ氏の「クリスタルドラゴン」は青天の霹靂と言うべきで、ローマ・ケルト時代の空気はこれだよキミいと言う感じであった。私が買ったのは最初の数巻だけであったが、今見たら30巻ぐらい続いていたのね。他には中山星香という漫画家さんの作品群も参考になったわけである。

そういうことを考えると、昭和後期に男は少女漫画を読まないなんて嘘だろうと思ったわけであるが、考えてみるとこちらがどっぷりと浸かっていただけなのかもしれない。いや、コミケなんて一度も行ったことはないのでそういう世界とは無縁だと言ってほしいけれど。

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