NGリスト

なんだかNGリストというのが話題である。

どうやら某エンターテイメント企業で故人の創業者が男色家であって、そこらじゅうで(多分社長という権力を使って)男子と事をいたしたという事で大問題となったわけである。無論その大社長が存命中は幾つかの週刊誌、文春などが告発の声を上げたものの、大マスコミは完全沈黙を貫いた訳である。

大社長が亡くなって、その姉が後を継ぎ、姉の子が継承するという頃になって、やっとBBCが記事を出したことがきっかけで、多くのマスコミも「さあ水に落ちた犬を叩け!」と騒ぎ出したということであろう。

そういう中で、何人かの記者やジャーナリスト達がNGリストに載せられて質問しようとしても当てられなかったと大騒ぎになっているようである。で、その司会をした会社が持っていた書類にNGリストがあるということで騒ぎがひどくなったようである。

「質問が尽きるまで記者会見を続けるべき」って吊し上げじゃ…

同じフリージャーナリストの江川紹子氏も「質問が尽きるまで記者会見を続けるべき」なんて怪気炎を挙げている様子である。

いやまあ、言論の自由という観点から見ると、もちろんながらNGリストなんて作って特定の人物の発言を阻止するなんてことは不適切であることは言うまでもない。どういう立場の人であろうとその口を塞いではいけないというのは当然である。

「言論の自由を守る」と「言論弾圧」は表裏

ただ、このNGリストに挙げられた人たちの中には自分の言論の自由は最大限に尊重せよというが他人の、例えばネトウヨ議員の発言など潰せと騒いだ人がいるのも事実である。

例えば新潮45という雑誌があった。この雑誌はある議員の主張を記事にしたため彼らからの猛攻撃を受けて廃刊になってしまった訳である。

他にも統一協会も彼らの猛攻撃によって解散させられるようである。

もちろん、統一教会って霊感商法やらあれこれやっているのであるから批判は当然である。けれどもお取りつぶしとなると日本ではかのオウム真理教など3件しかない。

もちろん某エンタメ企業も民間企業であるから彼らが集結して猛攻撃を加えると消滅させられるかもしれない危険は十分ある。少なくとも名称変更するという意見は飲んだ訳である。社長も変わった訳だし。さらに攻撃され続けると倒産する方向に行っても不思議はないのである。

多分、今回NGリストに上がったジャーナリストに「質問が尽きるまで記者会見」なんてさせるともう何十時間でも某企業の吊し上げをするだろうし、解散しますというまで攻撃の手を緩めないんじゃないかということはその幾多の輝かしい撃墜マークからも十分に想定できることである。

司会を任された企業がそういうリスク、クライアントの倒産という、を背負うことをしたくはないだろう。他人が死ぬのは笑って見ていられるが、自分が死ぬのは嫌だろう。

NGリストを作る道義的な是非は別にしても「多分こいつらに食いつかれたら殺される」と思った当該企業がリストを作りたいと思った理由は理解はできるのである。

ロベスピエールの道

ジャーナリスト側は社会正義だ!悪い奴を殺して何が悪い!悪い奴を全部殺せばいい人、つまり自分達や自分達の崇拝者だけが残る。それで何か問題が?というかもしれない。つまりはロペスピエールの道である。

フランス革命最左派の彼は理想の社会を望んだのである。そのためには邪魔になる奴らをどしどしギロチン台にかけろ!いいやつだけを残してあとは殺してしまえとやった訳である。

殺しまくっても死人が蘇ってきて反抗することはない。どしどし殺せとやったロベスピエールは勿論、友や愛するものを殺された者の恨みか、次は自分が殺されると思った者の恐怖のためか、人知れず暗殺されてしまった訳である。

その後も、ロシアはウクライナにホモロドールをやって大虐殺したし、中共は文化大革命で何百万もの人を殺し、ポルポトは知識人階層をガンガン殺してその死体を洞窟に隠した。

情報化社会になってからはそういう殺人はすぐに世界中に伝わるようになったのである。中共は天安門事件の殺人を世界中に伝えられ、国内では「64天安門」という言葉が出るだけで検閲しているそうだけれど、その凶行は世界中の人が知ることとなっているし、ロシアのプーチンはウクライナを「私の美しいもの」と呼び、おそらくは「may be two or three days」と思ってウクライナ侵攻を開始したかも知れないが、強硬なウクライナの反撃に出会って既に一年以上も戦争が続くこととなっているのである。

ジャニーズ事務所会見前「NG」リスト 特定の記者避ける意図は否定
https://www.asahi.com/articles/ASRB46W41RB4OXIE02V.html

この朝日の記事に対する左派の皆さんのコメントももうロベスピエール万歳なのではないか。左翼にしてみれば「我こそ王だ、女王だ。それ以外の下々の者どもは我らにひれ伏せ!奴隷になれ!」と喚きたいのかもしれないが、ロベスピエールは暗殺されたし、ソ連は崩壊したのである。中華帝国は毛沢東の死後もまだ持ち堪えているが、チベットの弾圧やウイグルの事例を持ち出すまでもなく、金盾による情報統制や64天安門事件の暴挙もあれば、人権は弁護士の軟禁や迫害、香港の民主化運動家に対する迫害など、強権による迫害は枚挙に暇がないのである。

NGリストを非難する人たちも「我こそは正義なのだから相手をいくら殴っても良い。殺したっていいじゃないか」という傲慢の気持ちがあるのではないか。何しろ、もう加害者は幽明境を分けているのである。いくら無法を言ったところで黄泉の国から殴り返されることはない。そういう安心感があるのではないか。

もちろん誰もそんな事を追及しないし、ご本人も言う訳ないと思うが、今、追及されて殴られようとしている人たちも多くはそのエンターテイメント会社に所属するタレント達である。黙っているけれど、もしかするとそのもう死んでしまった創業社長の毒牙に掛かった人である可能性は完全に否定できないのである。

朝日新聞はかつては「新聞辞令」と言って総理大臣の任免まで記事で影響を及ぼしていたと聞く。その伝統を担いたい記者達は某エンターテインメント会社の「悪者」を認定して自由に殴る権利を与えたいという願望があるのかもしれない。これは東京新聞も同じかもしれない。自分たちは「アベセイジを許さない!」我々東京新聞に逆らうものは容赦なく殺す!それが正義だ!という世界を築き上げたいのかもしれない。実際にアベは暗殺されたのである。他の小アベどもも片端から殺しまくれば朝日新聞や東京新聞に逆らうものは無くなるだろう。

きっとロベスピエールもそう考えたのである。反対者を片端から殺しまくれば反対者はいなくなる、と。

そして自分が暗殺された。

サッカーは代理戦争!?

もうロシアとウクライナが戦争しているわけで、イスラエルのガザ地区でも戦闘が始まっている様子である。世界平和の幻想は残念ながら崩れているのである。朝日新聞の元記者や東京新聞の記者も「平和な日本で自分たちが少々暴れてもなんということはない」という安心感の下にさまざまな暴挙を敢行しているのだろうと思う。しかし、既に中国の杭州で行われたアジア大会で某国が「サッカーは代理戦争」とばかりにラフプレイを連発している訳である。

日本人は呑気なので「意味がわからない」というだけであるが、暴力の世界がヒタヒタと押し寄せてきているのかもしれない訳である。

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