野党は何をしたいのか?

提案型野党と言おうと、批判万歳と言おうと野党の支持が増えないのは単純に野党が何をやりたいのかわからないからである。

私は支持しないが、維新の会は新自由主義であろう。つまりは優勝劣敗である。自民党は異次元緩和策を言ったわけであるから比較的大きな政府であろう。問題は高齢者層の急激な増大で、社会保障費を高齢者に食われまくってしまい、少子化対策などにお金が出せないという点である。残念ながら高齢者は現役世代がもっと負担してでも自分達に資源を回せと言っているわけだから、自民党は辛いところであろう。金の卵を産むガチョウを殺すわけにはいかないことくらいはわかりきっているわけである。

それに比べて他の野党はもうどうしようもないわけである。共産党は「暴力革命は捨てました。天皇も自衛隊も直ちには廃止しません。日米安保破棄も野党共闘の政策から外しました。」と言っているわけである。もちろん、これは表面だけの欺瞞で、「政権を取ったらみていろ!プロレタリアート独裁だ!」という野望を押し隠しているだけかもしれない。軽々しく放棄した主張は軽々と取り戻せることであろう。いずれにせよ何がしたいのかは不分明になってしまった。

立憲民主党はもっとわからないわけである。元々は事業仕分けなどを熱心にやっていた人たちなので新自由主義を目指しているのかと思うけれど、大きな政府的なことも言うわけである。当然ながら低負担高福祉は欺瞞でしかないのである。自民党よりも大きな政府を目指しているわけでもなさそうだし、そうかと言って維新と喧嘩しているので新自由主義を目指しているわけでもないらしい。もしかすると本気で55年体制の社会党を目指しているのかもしれない。

そうであれば現実性のない提案をする理由もわかる。最初から政権の座につく気は毛頭なく、ただひたすら与党の批判をおこなって反与党の批判票だけを相手に生きてゆくつもりなのかもしれない。いや、昨年、いきなり前の党首が「コロナ対応で今すぐ政権をよこせ」と叫んだ時には唖然としたわけである。一体政権をとって何をしたいのかも表明せずによこせよこせと言っても相手にされるわけもないのである。

まあ、仮に政権を渡されたとしても、形だけのコロナ対策部署を作って、何をすることもなく、ただひたすら金をばら撒こうとして結局は財務省の抵抗にあって財源不足で頓挫していたのではないかと思える。

もちろん、そういう無駄金を使わずにコロナワクチンの接種に邁進した菅ー河野コンビに任せていたことが日本にとっては正解であったということである。


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