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テレビなどでの「わざとおとしめる」という親愛表現について2023

あっという間に寒くなってきた。
数年前まで、どんなに寒くともそれほどメンタルに影響はなかったのに、とくに去年くらいから自分の精神状態に如実に影響するようになり、泣きわめているとカルト宗教の信者が勧誘に来るので、手ごろな鉄パイプであごをブン殴るようにしている。
何がカルトだ。カルトで温暖化がどうにかなるならやってみろ。
三秒以内にな!!!!!!!!

さて、70年代、素人参加番組において、司会者やタレントが「ゲスト(素人含む)を丁重に扱う」のは普通のことだった。
というか、出演者全般を視聴者が丁重に扱うのは普通のことだった。
しかし、たぶんアメリカのテレビ番組か何かに影響されてのことだろうが、歌番組などで、司会者が出演者に、
「最近どうなの? 飲みに行ってるの?」
みたいにフランクに話しかけるパターンが出て来た。最初にそれをやったのは、大橋巨泉か前田武彦かもしれない。それは視聴者に「芸能界の内輪感」をかいま見せ、憧れさせるテクニックでもあった。
だから、最近のテレビで「芸人同士の内輪の笑いを見せられているようだ」という批判が視聴者からあった場合、それは正確に言うなら、「内輪の笑いで、なおかつ視聴者が置いてけぼりになっているから良くない」ということであって、芸能人同士の「内輪感」そのものが悪いわけでも何でもないのだ。
(余談だが、いまだに芸能界の内輪ムーブをかましてくる人として、和田アキ子がいる。)

しかし、そんな中でも、大御所俳優、大女優、アイドル的俳優や女優、アイドルなどには、司会が一定の距離を取るのは70年代では当然だった。
とくにアイドルに関しては、司会者も、ふだんからの関係性がない。たとえ六本木でばったり会ったことがあっても、それをテレビ番組で言うわけにはいかない。

そこからさらに、「アイドルとの関係性」をも崩したのが、80年代のビートたけしととんねるずだった。
ビートたけしは「アイドルパンチ」というアイドル歌番組の司会をやっていた。ただし、たけしはこの番組ではそれほどアイドルに踏み込むようなことはしていなかったと思う。
そんな中、たけしが一般素人やテレビに不慣れなアスリートや、アイドルに退場をうながす際、
「とっとと帰ってください」と言うのは名フレーズだろう。
どんなにその場がウケても、しらけても、グダグダになっても、
「とっとと帰ってください」
と言えば、その場はリセットされる。
たけし、天才である!!

まあそれは置いておいて、「MCのゲストに対する接し方」として、さらに過激になったのが、とんねるずの「夕やけニャンニャン」における「おニャン子」に対する接し方だ(おニャン子は正確にはゲストではないが、まあ番組内の立場としては似たようなもんだった)。
記憶を頼りに書くが、とんねるずの二人はおニャン子たちに対して、全員、苗字で呼び捨てだった(一部、あだ名で呼んでいた子もいたかもしれないがそれはここでは問題ではない)。
それまでは芸歴よりも「イケメンやアイドルより、芸人の方が地位が下」というイメージがあった。「スター運動会」や「芸能人水泳大会」で、芸人や一流ではないタレントが優勝してはいけない、という不文律もあった。

が、おそらく「夕やけニャンニャン」のスタッフも「おニャン子はとんねるずがそこそこぞんざいに扱うべき」と言っていたのだろう、かなりとんねるずの二人は「おニャン子」に対して「上から」行っていた。

「夕やけニャンニャン」のメインMCは片岡鶴太郎である。鶴太郎の司会者としての印象はあまりないのだが、まあ番組内では「普通の大人」のポジションだったはずだ。
「大人」の鶴太郎と、芸能界のことなんか何もわからない半分シロウトの「おニャン子クラブ」の中間に、「少々ガラの悪いアニキ的な存在」として「とんねるず」が位置していたような印象だ。

「とんねるず」のアイドルへの接し方はその後も変わることがなく、「うたばん」でモーニング娘。の飯田に「ジョンソン」という番組内でしか通じないあだ名を付けていたのも、その流れだろう。
学校の担任教師が生徒に、部活の先輩が後輩に、一方的にあだ名を付けて、それがクラスや部活全般に広まってしまうことがあったが、そのノリに近かった。

こうした「本来なら番組ゲストなのに、わざとおとしめて逆に親しみやすさを演出する」行為は、今ではほぼ当たり前のことになっている。
それが「ヘイヘイヘイ」(1994年10月17日~2012年12月17日まで放送)で、出演ミュージシャンが変なことを言って、ダウンタウン・浜田に頭を引っぱたかれると逆にうれしい、というような現象につながっていく。

でだ。そういう積み重ねがあったうえでの2023年。
もはや「ゲストをわざとぞんざいに扱うのが親愛の表現」だったことを超えて、

「ぞんざいに扱っているようでいて、それが親愛の情にも見えるが、本当にぞんざいに扱っているんじゃないか?」
というケースがあることに、みなさんお気づきだろうか?

こういうことは日常生活、職場とかにもよくあることだと思うので、みなさん気を付けてください。

アニメ「SSSS.DYNAZENON」で、亡くなった姉(南香乃)が生前、いじめにあっていたのでは、と妹(南夢芽)が探るのだが、
「テレビのドッキリ風の映像で、テロップなどを入れて『おもしろ』な感じでイタズラしているが、実はやってる方は完全に『いじめ』の文脈でやっている」
動画が、夢芽によって「発見」される。

いやあ、あれは秀逸でしたね。
でもダイナゼノンの超合金みたいなやつ、高すぎて買えなかったな。やい、岸田総理、税金をゼロにしろ!!!!!!!!!!

おひゃまい(おしまい)

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