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特殊な商売・ブランド品、そしてオレンジジュースにまつわる奇妙な物語2024

むかし、とある文化人が言っていたことに非常に感心した。

「ブランド品とは、基本的に大衆に向けて販売しつつ、それを前面に出さないで、やれ貴族御用達だっただの、一流の権威ある職人がつくっただの言って、『あたかも上流階級の人たちのみが使ってる』風に見せて成り立っている商売である」と。

ブランド品なんてまったく興味がなかったが、「大衆を向きつつ大衆向けでないことをアピールして成り立っている」という商売がものめずらしく感じたのであった。

しかし、たぶんエルメスとかルイヴィトンとかの商品は、いきなり店に行ってどんな成金だろうがバイトした金を握りしめて来た人だろうが、普通に売ってくれるだろう(あくまで想像。売ってくれないとしても責任は持ちません)。

それより気になったのは高級時計だ。
たまたま高級時計に関するネット動画を観ていたら、何百万円もするような高級時計は、何度も足を運んで店員から信用を得られないと買えないという。
このこと自体は理解できる。いくら売れてもすぐに転売されてしまったらブランド力が落ちるし、客に対して「本当に何百万円も払えるのか?」ということも、見定めているのだろう。

しかし自分は「困ったな」と思った。高級時計を買いもしないのに。
ぜったい買わねーわ。っていうか買えねーわ。

というのは、そういう店員とのやりとりが自分は非常に苦手だからである。
「金さえ出せば買いたいものが買える」のが資本主義じゃなかったのか。
想像しただけで気が滅入る。

「なんだ、買い物するときも店員に媚びなきゃいけないのか」
と、正直思ってしまった。
というか、店員と顔なじみになりたいなら、媚びるしか手段が思い浮かばない。
むろん、イキリ倒して金持ちぶる、という方法もあるのかもしれないが、そういうのはガラじゃないんで。

もう店員に媚びたくないよ。
初老になってまで。
むしろ、尊大な店員なんて、何の理由もなくケツにオレンジジュースでも注射してやりたい気持ちだ(愛想のいい店員は、許す)。

高級時計店の尊大な店員のケツに、かたっぱしからオレンジジュースを注射して回ることを考えると、ウットリするかと思ったが他人の尻の穴に異物を入れる行為がイヤなので、だれかに代わってもらわないといけないな。

で、今度はその「代わってもらう人」に媚びなければならない。

「ウヘヘ……。、申し訳ないんだけど、尊大な店員の尻にオレンジジュースを注入するの、代わりにやってくれないかなぁ?」

んで、その「代わってもらう人」がすごくさげすんだ顔で「チッ!」って舌打ちしたので、いきなりおれが殴りかかる。

ブン殴る!!

もちろん、拳がいたまないように新聞紙でつくったメリケンを巻いてな!!

ああ、スッキリ!!

おしまい




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