青春高校３年C組という番組がある。

『ゴッドタン』の佐久間プロデューサーとあの秋元康がタッグを組んで、１６～２０歳までの素人さんを番組内オーディションで選出。ＮＧＴ４８中井りかさんを副担任、今をときめく人気芸人さんたち（上はバナナマン日村さんから下はメイプル超合金まで！）を日替わりの担任役に、《可愛いやカッコイイだけじゃない、理想のクラスを作る》をコンセプトにテレ東１７時３０分から月-金の生放送をちょうど１年キメ続けてくれた訳ですが、私は残念なことに己の人生の中で群を抜いて最低の年になってしまった昨年、まーこの番組に心洗われ救われていた。だから最初に言っときます、青春高校最高！　マジ存在してくれてありがとう！！！

しかしこの青春高校、とにかくドラマが巻き起こる。「若い多感な時期の子たちを集めてるんだから」とか、「これだけ人数が多くて放送回数も多けりゃそりゃ多少のことは起こるだろ」みたいなレベルを越えて色々起こる。

例として最近巻き起こった事件を記します。

・教育実習生（副担任中井りかさん同様、毎日出席して生徒たちをフォローするお兄ちゃん的な存在）を務める若手芸人、ノブナガの岩永さんが両耳の機能性難聴を発症。青春高校を辞めようとするがスタッフ、生徒たちに引き止められ復帰を目指し療養することに。

・すぐに顔が赤くなっちゃうこじはる似男子、浅井くんが「女装をしていた方がしっくりくる」と今後女装して登校することを発表。クラスメイトに温かく受け入れられる。

・生放送に必要なＶＴＲが届かず、混乱する現場をバナナマン日村先生＆東京０３飯塚先生がふざけ倒し爆笑オモロ空間に変貌させる。（青春高校では割と頻繁にある、「芸人さんってマジすげー……」回）

・《１年かけて理想のクラスを作る》と言っていたので９９％１年で終わるだろうと思っていたのに、今年も続くことになった（やったー！！！）

おっと申し訳ない！　もしかして事件とか言ったから逮捕者が出たとか誰かが妊娠したりさせたりして退学することに……的なエンタメ化しにくいリアル高校じみた展開を想像させてしまいましたか？　いやー、青春高校はそういう感じじゃないんだよね。ほら、言うても夕方からの生放送なんで。それなりにクリーンな子たちを集めてるんですよ。

とか言いながら私は、もし本当にそれくらいの事件が起こったとしても、受け入れ、乗り越えてくれる青春高校であって欲しいと本気で期待してしまっています。もちろん、妊娠やデリケートな心の事情みたいな話は公にする必要全くないから視聴者側に知らせないでくれていいんだけど、例えば飲酒・喫煙を週刊誌にスッパ抜かれるとかさ。青春高校の子たちはちゃんとしてるし、番組を大切に思ってくれてるはずだからそんなことは絶対ありえないと思うんだけど、もし万が一、世間に隠し切れない不祥事みたいなことが起こった時も、青春高校はその人が居なかったことにせず、もし復帰可能な状況であれば居場所を奪わず、向き合ってくれる場所であって欲しいと願わずにはいられん。それは私がバカストレートに《理想のクラスを作る》ってコンセプトを信じてしまっているから、というのもあるんですけど、何でそんなヤベェ思想に落ち着いてしまったかというと、青春高校が１年かけて、私にそれを信じさせたからなんですよ。

この番組――いや学校はフェイクじゃねえ。マジで理想のクラスを作ろうとしている。生徒たちはお互いのことを本当に大切な仲間だと思っているし、関わっている大人たちも生徒たちのことを《ただの番組の演者》以上の存在に想っているはずだと。ヒャーウィーゴーーーー！！！！！

すみません、青春高校の今日までの歩みを思い出しながら熱いことを書いていたら脳みそが沸騰して慣れない英語で「さあ行くぞ」と口走ってしまいました。いや書き走ってしまいました。ここで《青春高校の何が”信頼に足る”と思わせたのか》を並べ立てることは難しいことじゃありません。けどたぶん、青春高校を見ていない人は「え～。そんなこと言っても大人って汚いし、生徒っつても芸能人の卵みたいなもんで、もっとビジネスライクな関係でしょ？　不祥事があったらそりゃ切り捨てるって～！」と思うと思うんだよな。何故なら私なら絶対そう思うので。思いませんか？　だとしたら私より性格が悪い人はこの世にいないんだとただただホッとしますが……まぁそれは置いておいて、たぶん番組視聴者の多くは、私の言っていること、多かれ少なかれ共感してくれるのではないかと思う。

前述の通り私は基本的に性根が腐ってしまっているので（それと同時に異様に腐っていないところもありそのギャップに日々苦しめられているのですがこれはまた別の話）、青春高校のような《己より大幅に年下の子たちが前向きに頑張る》みたいな番組を見ていても、どちらかというとネガティブな思念が渦巻きやすいんですよ。「本当は○○だと思ってるんじゃないの……？」とか、「あぁ○○が○○だったから○○になっちゃったんだ。なるほどねぇ～」みたいな、もう書かない！　何かの間違いで関係者さんや大好きな生徒の皆の目に（あとファンの人たちにも）触れたら嫌だからここには書かないけど、そういう私の性根が腐っているが故の疑念や穿った見方のようなものを青春高校は常に現実に起こっている光景でぶち壊してきてくれた。

生徒の皆の笑顔、涙、取り繕えないリアルな困惑や、呆れや、気が抜けた瞬間の無表情（見続けてたらそれさえも愛おしくなる、マジで）。先生役の芸人さんたちや中井りかちゃん、スタッフさんたちが生徒の皆に掛ける言葉、生徒たちが返す言葉、その瞬間に生まれる空気、ごめん青春としか言えないわこんなのっていう、山ほどの奇跡の数々。

ちょっとしたポエムくらい言わせてくださいよ、それだけのものをこの１年間見せてもらって来たんだから。

そんな青春高校から今日3月２９日、２人目の卒業者が出ることになりました。１人目はＨＫＴ４８のオーディションに合格して、夢だったアイドルを本気で目指すために去っていった長野雅ちゃん。２人目のハニトラちゃんこと山口茜ちゃんは、看護師を目指す勉強に専念するための卒業だそうです。

これまでも学校と実習で多忙で、あまり出席が出来なかった。今年は最終学年ということもあり、数ヶ月に１度ぐらいしか顔を出すことが出来ない。それは青春高校の生徒として違うと思うし、他の子たちから置いていかれるのも辛い。かといって看護の道へ行くのは親との約束で、捨てることは出来ないので……と話す茜ちゃんの言葉を聞いていたら、たくさんたくさん迷ったんだろうなぁ、と胸が苦しかった。

それに年長者から……というか出来るだけ好きなことをする、という方針で何とか生き長らえてきた者からすると、もちろん看護の仕事だってやりたいことなんだろうけど、出来れば青春高校に残りたかったんじゃないかな、芸能のお仕事がしたかったんじゃないかな、と想像せずにはいられず……。

茜ちゃんの卒業が発表されてからの３週間、私は「なんかものすごい勢いハニトラさよならスペシャル回を毎日やってるけど、いつでも卒業撤回していいんだからね！！」「親との約束って言ってたけど、親なんか大抵自分より早く死ぬし、結局子供が幸せなら幸せってタイプも多いから気にすんな！　もし子供の幸せを喜べない親なら無視して不幸にしてやるという選択肢もあるので何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます！」みたいなことを常に思いながら見続けて来た。

しかしこれでも一応成人しているので、自分の望みより親の望みを優先するという生き方で得られる幸せがあることも分かっているつもりだし、そもそも茜ちゃんはマジのマジで１番看護の仕事がやりたくて、そのために勉強を優先するしかないと思って決断したのかもしれないからぜーんぶ余計なお世話かもしれないんですが、でも、もしそうじゃなかったらアレだから言わせてください。茜ちゃん、いつでも卒業撤回していいんだからね。明日でも明後日でも、なんなら１２ヶ月後でも、いつでも絶対大歓迎します。約束します。無力な視聴者のひとりだけど本気でそう思ってます。

そして青春高校に関わる大人の皆さん。もし茜ちゃんが、いや茜ちゃん以外でも、この先青春高校を離れることになって、でもまた戻りたいって子が出てくるとしたら、受け入れてくれる場所であってください。いやどんな無茶な理想の押し付け！！　って思われるかもしれないけど、「この番組にはそれが出来るんだ……」って妄想を人に植え付けたのだから、どうか、どうか、責任を取って欲しいです。頼む。

あと、スタッフの皆さんは大人なのでご存知かと思うのですが、人間って「これが絶対正解！」って思って選んだ答えが全然間違ってたりするじゃないですか？　そういう時に青春高校だけは、やり直しのきく場所であってくれ。それが私の理想のクラスなんですけど……どうですか？　ダメですか？

（青春高校にそういう期待を抱いているから、信太さんにも復帰のチャンスを与えてほしいなぁって思ってるんですけど、やっぱダメ？）（「皆が一致団結のためにバンジージャンプを飛んでるのに、飛ばない」っていう、リアルクズ先生も受け入れてくれる学校って、最高だと思うんだけどなぁ……）