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詩 境界


パステルの
暖かな靄に潜む
冷たい刃たち
もはや
穢れたままの
流れを泳ぐ我ら
曖昧な
揶揄追従だらけ

奇怪な物陰が
面白いと
壊れた継ぎ接ぎの
素直を
眺めているだけ
レトリックではない
ぎこちない
言葉の表側

歪が
明らかな者には
境界が引かれる
リストに載せられた
剥き出しの心
社会より隔絶される
本当の純真

嘘の無い者に
冬の雨が降る
凍てた分水嶺に
穴の開いた
頭蓋骨が沈む
表情は消え
自画像が転移する
恐れが作り出す
歪な境界