三行詩 七
貝殻
砂浜に見つけた
一つを語るほどに虚しくなる
誰にも見えない貝殻のこと
猫
月夜に外に出たいから
誰か付いて来てくれと
猫はひどく我儘に鳴く
不可侵なひと
原始より輝く新たな命を
穏やかに温かに宿している
最も美しく不可侵なひと
妙な共犯
静かに透明へ
やがて清明へと至るため
論理はいつも雑味を残す
秋の水辺
鱗雲の流れる秋の
冷えた水辺に
ひとりでなければ誰だったのか
貝殻
砂浜に見つけた
一つを語るほどに虚しくなる
誰にも見えない貝殻のこと
猫
月夜に外に出たいから
誰か付いて来てくれと
猫はひどく我儘に鳴く
不可侵なひと
原始より輝く新たな命を
穏やかに温かに宿している
最も美しく不可侵なひと
妙な共犯
静かに透明へ
やがて清明へと至るため
論理はいつも雑味を残す
秋の水辺
鱗雲の流れる秋の
冷えた水辺に
ひとりでなければ誰だったのか