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三行詩 九

緩慢な自死

薄めた毒を呑んでいる
緩慢な自死を溶かして
味わうように

明滅する不安

不特定多数の不安で
噎せ返えるような
明滅重低音だ

木犀

木犀の影の香りに
誘われて
座敷童の足音がする

奥山の社

奥山の社に
落ち葉ひとつ降り
鹿の鳴くたび山はいろづく

御声

神漏岐の御声の響き
古杜の
銀の音叉は星を導く