母猫が子を見守るほどに(抒情詩)
こころ半ばで別れた
母子は今夜
どれほど寒く
震えているだろうか
一人で生きることを
強いられた子どもは
明日から
人に震え世に震え
答えを問うことすら出来ない
それでも
昏い日々を生き抜いて
いつか己の子へ
神話を伝えるために
誰にも教わることのない
言葉の行間に
人は生きるしかないのだと
刻むように日々を過ごし
眠れぬ夜明けが
求められぬままに過ぎ
無為の昼下がりが
求めて止まぬ過日に似
ある日
唐突に降り注ぐ言葉の雨に
己もまた生まれる前の父母と
等しいことを聞く
お前もまた有為にここにあるのだと
季節をその身に負い
我らの血を継ぐために
確かに生きる
連なる命の切っ先であるのだと