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言葉の奥の何か/青淵の底で/時折ぎらりと光るもの


言葉の奥の何か/青淵の底で/時折ぎらりと光るもの

言葉を発する奥にある何か
それは
我らの意思決定より速やかに
決断した何か

後付けの欺瞞に世が満ちるのは
誰もが
真実の言葉を持ちえるが故

歪み続ける像が
陰謀論を引き寄せる
爬虫類よりも愚かな説話を

頑是ない言葉がある
抗うことの出来ない機構によって
言葉は既に生まれている

仮想である我らは
果たして自然言語で書かれているか
それとも

意味を呑むことは
感覚器で為され
言葉としてそれを表すことは
意識によって生される

我らは水面に浮かぶ葦
この蒼い深層の淵の底に
時折ぎらりと光るものがいる

肉体と意識を繋いでいるもの
青淵の底にそれはいる
名を持たず
姿を持たず
古来数多の物語に語られてきたもの

命の正体
本当の姿
我らの奥底に
それはいる