連載_ギターの練習➇単音弾き、放課後の音楽室。3/24

さて、今日は何を練習しよう。

週に2回の夜勤と2回の朝カラ。連載を始めてからこの習慣を1ヶ月続けた僕の体には疲れが出ていた。

カラオケ店に着き部屋に荷物を置くと、まずは煙草を吸いにいく。部屋に戻った僕はソファーに体を投げ出してココアを啜った。

昨日のレッスンのメモを漁る。先生への問いをいくつか持って行ったが「正解はない」ということがわかった。

ひとつ教えてくれた。「いつもメトロノームで8分音符を刻んで練習しているようですけど」(連載の動画を観てくれている!)「2拍目、4拍目だけにメトロノームを鳴らす練習もオススメですよ」

曰く、8分音符で鳴らす練習はリズムの正確さの面では役に立つかも知れないが、ずっと手摺りを掴んで歩いているようなもの。ズレなどを感じる自分のアンテナが薄れると。

レッスンでそれを実感した僕はそうすることにした。さて、でも何の曲を?

そういえば昨日も楽譜をたくさん貰った。先生が立ち上げた音楽サークルでのアンサンブル用の楽譜。それに参加するために。

主旋律のタブ譜にコード名が添えられたもの。旋律を弾くのはまだ難しいので基本的にはコード弾きで合わせる予定だが、何曲か貰ったなかで「この曲はメロディーが簡単なので単音弾きで合わせてみて欲しい」と渡された楽譜がある。それをやってみるか。

タブ譜とは、五線ではなく六線が引かれている楽譜で、それぞれがギターの6本の弦に対応している。オタマジャクシの先に黒丸はなく数字が書き込まれており、これがどのフレットを抑えるかを示している。

過去にピアノや吹奏楽の経験がある僕でも見慣れない楽譜で、パッと見て脳内に音が浮かばない。辿りながら弾いてみて笑った。

「主旋律ちゃうんかーーーーい!笑」

よく見ると左端に「Gt2」と書かれている。トロンボーンの楽譜にも「2nd Tb」とか「3rd Tb」とか書かれているものだが、雑に説明すると主旋律ではなくハモりみたいな役割。

【練習始め】BPM60
・タブ譜の脳内変換と指が追いつかない
・↑に関係なくテンポ遅れる癖
・大きさが不安定、特に弦の移動時

練習を始めるとすぐに発狂がやってくる。タブ譜の脳内変換。

僕にとって音符に書き込まれている数字は、ピアノの指使いであると体が覚えている。親指が1、小指が5。

とにかく新しい記憶を体に埋め込むしかない。慣れてくると今度は指が分からなくなりゲシュタルト崩壊。

弾けるようになってくるとAメロは頭の中で主旋律も一緒に鳴る。だがBメロは鳴らない。そもそもBメロどんなだっけ?

YouTubeで聴く。自然と動きだす指。タブレットから吐き出される音と、僕の手元の楽器が鳴く音が、眼の前で絡み合い宙に浮く。

「ナンダコレ!…気持ちいい!!」

眼から謎の液体がこぼれでる。そうか、僕がやりたいのはコレだったのかも知れない。いや、コレじゃないんだけど笑。


放課後の音楽室


【練習終わり】
・遅れる癖があるので早めに!と考えながら舌ペロペロすることに夢中で入りのテンポ走った笑
・聴き直してみたらテンポもピッチもズレていてぜんぜん気持ち良くなくてウケた。泣くな!笑

これにて今月の連載8回が終了しました。毎度の長文にお付き合い戴きありがとうございます。

週2回の習慣を続けてみたいと思いますので、今月あと1回投稿しようかなと考えております。

つきましては番外編と言いますか「こんな話が読んでみたい」「こうするともっと面白いのでは?」などの御意見を頂けたらありがたく思います!ありがとうございます!

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