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「なぜ現代リベラルは不安を煽るのか?」



かつてリベラルな人々といえば、「不安につけこみ恐怖を植え付け民衆を支配し扇動する!ファシズムだ」みたいな話をよく繰り返していた。実際に少し前は「国民脅し不安感あおる」と安倍首相(当時)を叩き、「ナチスの手口だ」などといっていた。

人間のポジティブな感情を刺激して動かそうとしてもインセンティブが働かない。
不安、恐怖、焦燥感などネガティブな感情につけこみ、大衆を支配するというのは、もっとも効果的なイデオロギーの宣撫方法なのだそうだ。そうして「人々の不安につけこみ扇動する側」とは、「ファシスト」であり「ヒトラー」であり「アベ」であり「やがて戦争をはじめる!」とかいっていた。



あれれ?


しかし賢明なる貴方は薄々、気づきはじめたのではなかろうか――「社会に蔓延する漠然とした不安に形を与えて、わかりやすい怒りに誘導し、人々を扇動する!」というなら、たしかにそれはナチスが「ユダヤ人虐殺」にいたった手法なのかもしれないが――

だが、現代ではそれ思いっきり「リベラルな人々の自己紹介」ではないのか?


むしろ現代では「私たちは良識的な知識人でゴザイマス」という態度のリベラルの人々のやっていることこそが、「形のない不安に適当な形を与えて人々を扇動するナチスなお仕事」ではなかろうか?

 

少し前のワイドショーでは、コロナで不安をあおり政権批判にむすびつけたり、PCRの全量検査を訴えたりした。

ワクチンでも不安を扇動した――「ワクチン打ったあとに、強いアレルギー反応が!」とか人口比もいわず、無駄に人々の「不安」を煽った例のあの姿である。

今も「マイナ保険証で国民の情報が丸裸になる!」と不安を訴え続けている――


そうしてなにより「汚染水」呼ばわりをまだやめない人々の姿だ。一応は国政議員のはしくれでもこの有様である。

こういう態度どう考えるべきだろうか。

韓国の野党代表が海洋放出されるALPS処理水について「日本人が一緒に使っている井戸に毒劇物」という表現をして話題になった。

井戸に毒!!!? 


バイデン…

答え合わせでてしまったね、という感じだ。


実はこれ今はじまった話ではなく、韓国では2021年ごろから福島の処理水で「日本人が地球の井戸に毒を入れた」みたいなハッシュタグ運動をやっていた。その流れで、でてきた発言のようだ。

関東大震災の「不逞鮮人が井戸に毒を入れてる」は、震災で発生した被災者の「不安」を、わかりやすい形の「憎悪」に変換し悲劇をもたらした。


いまその「流言飛語」をとばすのは、それこそ「ケガレ」思想で「汚染水」などという言葉を使い、福島への風評加害をしている「リベラル」の人々であると極めて象徴的に示してしまったわけである。

もはや「リベラルな人々」は扇動するというよりも、「自分自身も不安にとりつかれた人々」なのである。


自分自身が不安になるために「不安な情報」をひたすら製造し、拡散し、そして不安のサークルを形成する。

なぜ現代リベラルという勢力はすっかり「わざわざ不安になろうとする人々」となったのか?

複数の理由(仮説)をくどくどあげるようなことは必要なくて、基本的には「オッカムの剃刀」でいける。

すなわち、「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針だ。もともと14世紀の哲学者オッカムが多用したことで有名になった言葉である。

というわけで、なぜ「現代リベラルが不安にとりつかれているのか」――これは、一つのシンプルな理由だけから説明すべきなのだ。――そして、実は簡単にできてしまう。

あなたはどうして人間はわざわざ不安な情報を集めて、むしろ積極的に不安な情報を発信し、ますます不安になろうとするのか考えたことはあるだろうか?

実は、ある種の人間にとって「不安になろう」とするのは、自分たちが「しあわせ」になるためなのだ。

これは決して私の感想ではない。
意外な結果だが、社会調査で「幸福を感じている人」ほど「不安をしてる」とわかってる。

彼等の不安扇動は「金儲け」のためでもなく、まして「民衆を騙すため」とか誤解してはいけない。彼等に失礼だ(え)。まさにあくまで善意で「不安」をまきちらすことで、――「みんなで、しあわせになるために不安をひろめようとする人々」なのだ。

では彼等の「しあわせ」を感じてしまう仕組みとはなんなのか。この「しあわせ」の正体を知った時にあなたはおぞましさに震えるであろう。


それがわかると、「リベラル」という政治勢力が「流言飛語」を拡散し、ひたすら不安にとりつかれ、その「不安」を周囲におしつけて「緩慢にこのセカイを滅ぼす」かわかってしまう。
彼等を放置すれば、やがてはこのセカイを不安で覆い尽くし、このセカイの未来を奪い、緩慢に滅ぼしていくであろう。これは比喩でもなんでもなく事実なのだ。

まさに「風評」に屈してはいけないのだ。彼らは「処理水の海洋放出で食物連鎖で大変なことになるぞ~!」「マイナ保険証で国民の情報が丸裸なるぞ~!」、そういった次から次へとメディアに登場する個々のトレンドの「不安」に苛まれているのではない。彼等が強烈な「不安」を感じている「たった一つの正体」とは、

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