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就活の話~地方×文系大学院生③文系院卒ってどうなの~

※2019/12/17追記
「アカリク アドベントカレンダー」に参加しました。

就活の話3つ目です。
今日は専門性について書いていきたいと思います。
前回はこちらです。

よく、「文系大学院生は就活に不利」という言説を耳にします。耳にする割に根拠がよくわからないのですが、恐らく「理系と違って技術職や専門職に直結しにくいイメージがある」のが原因かと推測しています。

私自身のここまでの感想としては、「別にそんなことないんじゃない?」といった感じです。
少なくとも「文系院卒」であることを理由に不利益を被ったと感じたことはありません。反対に、それによって優遇されたと感じたこともありません。学卒の方と横並びに扱われていると感じています。
「なんで大学院に行ったんですか?」と聞かれることはありますが、前提として「あなたについて知りたいんです」という想いがあることがきちんと伝わってきます。
嫌味のように、「(こんなことしたって無駄なのに)なんで大学院に行ったんですか?」と聞かれたことはありません。

就活における院卒の意義に関しては、アカリクの説明がわかりやすいです(②基礎的な教養って書いてる割に一番下に書いてないのはどうなんだろう…①と②は分ける意味ないのでは?)。
個人的には、修士に進んだことで次の力が得られたと思っています。
※院に行っていない人にはこんな力が足りてない、という意味ではありません。あくまで私が学部生の頃と比べて、得られた力について述べています。

〇基礎的な部分
・忍耐力…講義の予習に研究と、うまくいかないことばかりでしたから。
・批判的思考力…イメージで決めつけず、「本当にそうか?」を一歩立ち止まって考えるようになりました。
・論理的思考力…いわゆるロジカルシンキングってやつですね。「なぜそう考えるか」をわかりやすく説明することを常に求められるので、必然的に身につきます。
・自己主張力…常に自分なりの視点を求められるので、何につけても「私はこう思う」と考える癖がつきました。
・語彙力…上記に関連して、簡潔かつ明確に言いたいことを表現できるようになりました。とにかく「書く・話す」訓練をたくさんしました。
・行動力…とにかく自分から動いて働きかけないと物事が進みません。基本的に誰も助けてくれないので、わけがわからないまま突っ走る(そしてすっ転ぶ)のが日常です。

〇実用的な部分
・情報収集、整理力…図書館やPCで調べ物をして、必要な情報を整理してまとめることが多かったので、自分なりの調べ方やまとめ方のスタイルが身についたかなと。必然的にワードやエクセル、パワーポイントもスムーズに扱えるようになりました。
・専門知識…一応、応用科学に属する分野を専攻しています。
・ディスカッションスキル…私の場合、学内の共通科目を受講したことでかなり鍛えられました。みんなでアイデア練るって楽しいよ。

ざっと浮かぶ限りではこんなところでしょうか。
実用的な部分よりも、基礎的な部分を身につけられたことが大きいと思っています。修士レベルなので大したことはありませんが、進学以前よりもずっと「考える」ことが好きになりました。

私が院まで来てよかったと思うのは、人間や社会に対する冷静さ、ある種の寛容さを身につけられたことです。
私は面白がって他分野の基礎についても勉強したので、人間が常に他者との関わりの中で生きてきたこと、人間が状況によっては予想もつかないような行動をしちゃうこと、そして社会には自分の想像力を遥かに超えるような様々な側面があることを知りました。
結果、あらゆる現象に対して、「どうしてそうなったんだろう?」という視点をもつようになりました。仮に自分がひどい目にあって、悲しかったり悔しかったり怒っていたりしても、心と現象を現象として解釈する思考回路とは別々に動きます。

そんなマインドセットについて、私はよく、友人と「私たちは心に相田みつをが住んでる」と表現します。
「そんなことある?!」と一見理解しがたい場面を見聞きしても、「まぁそういうことあるよね。人間だもの」と思えてしまうのです。

就活に話を戻すと、私の場合、院で得られたものの内、就活に直接活かされたものはほとんどないと思います。
語彙力はESに、ディスカッションスキルはグループディスカッションに活かされていると思いますが、それ以外は特に意識したことはありません。
会計とか法律とか、業務に直結する分野を専攻していれば別かもしれませんね。

でも、たくさん文章を読んだり書いたり、人と意見を交わしたり、誰も助けてくれない中でうまくいかないことをやったり、自分でも何をしているのかわからない中もがいてきたりしたことは、決して無駄にはならないと思っています。
就活に直接活かされることはないだろうけれど、もっと視点を広げて、生きていく上では、糧になる経験ばかりでした。

文系院卒であることを就活に活かしたいなら、そこで何をして何を得てきたのかをきちんと説明することが何より大切だろうと推測しています。
専攻分野が業務内容に直結しないなら尚のことです。
もし文系院卒を理由に断ってくる企業があったならば、そんなとこ行かなくていいや、と割り切ることにしています。
大学院で学んだからこそ今の私になったのに、それを否定するような企業ではきっと居心地よく働けないと思うから。

なんだか偉そうなこともいろいろ書いてしまいました…。
世間で文系院卒はいろいろ言われるので、つい熱くなってしまいますね。

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ここまで読んでくださった方へ

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