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ART memo. 2022-vol,2

James Turrell
『Blue Planet Sky』
金沢21世紀美術館

ずっと行きたかった
金沢21世紀美術館に行ってまいりました。
観たい常設作品が多くある中、
JamesTarrellの存在も知らずに
館内最後に通った時に気付いた部屋。
天井に四角い穴があり
部屋には入り口以外四方に壁から出っぱった椅子
があるという不思議な空間。
説明もなく
帰り際に見つけたその天井には
夜空から小雨が降っていた。
壁沿いのベンチに座って空間を見てから
四角い天井の穴の下で
思わずはしゃいでいました。笑

Blue Planet Sky
Blue Planet Sky

石のベンチに座ると部屋の頂部に空いた
正方形に切り取られた空に視線と意識が向かう。
朝から空へと変わる空と光の変化
そして四季の変化を感じる。
これは時をただただ感じる空間となり
意図せず
訪れる人それぞれの心の内を
浮き立たせ
自分との対話の時間を呼び起こす。

Blue Planet Sky

✣ 作品概要 ✣

『Blue Planet Sky』2004年制作
室内1,117x1,117cm、高さ850cm、開口部560x560cm
常設展示であり、無料で鑑賞可能。「タレルの部屋」として公開。部屋の壁に沿うように石造りのベンチになっており、そこに座って空を見上げる。開口部によって切り取られた空の色が絶えず移り行くさまを眺めることで、知覚に働き掛ける。日没時には壁面が照らされ、空の色が際立って変化するように感じられる。『ガスワークス』1993年制作
「パーセプチュアル・セル」シリーズに属する作品。CTスキャンのような寝台に寝て、ガスタンク状の丸い物体に挿入され、その中で10~15分間(展示プログラムによって体験時間は異なる)変化し、明滅する光を体験する作品。常設展示ではなく、展示されている場合は要予約。

日中の空のが見られるこのショットを見て
三菱電機の「青空照明」を思い出しましたw
(めっちゃ余談。笑)

✣ ジェームス・タレルのプロフィール ✣

James Turrell

ジェームズ・タレル(James Turrell、1943年5月6日アメリカ・ロサンゼルス生まれ。)は、アメリカ合衆国の現代美術家。ポモナ・カレッジ(カリフォルニア州)で知覚心理学と数学の学士号を取得。カリフォルニア大学大学院にて美術史を学んだのち、クレアモント大学大学院で芸術修士号を取得。アメリカ航空宇宙研究所に作品を制作し、主として光と空間を題材とした作品を制作している。光を知覚する人間の作用に着目し、普段意識しない光の存在を改めて認識させようとするインスタレーションを多数制作している。

✣ Installation art ✣

(インスタレーション・アート)

インスタレーション( Installation )とは、
インスタレーション・アートの略で、
分野としてはデザインではなくアートの分野になります。
1970年代以降一般化した、
絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ
現代美術におけ表現手法・ジャンルの一つ。
インスタレーションでは、
空間全体が作品になっていることから
その作品に全身を囲まれて
空間全体を「体験」することができます。
作品を見る人が、
その空間を
体験(見たり、聞いたり、感じたり、考えたり)する
方法をどのように変化させるか
を要点とする芸術手法でもあります。

インスタレーションで重要となってくるのが
作品が作られた場所です。
その場所が作品の一部にもなることから
場所によって
作品の内容や見る人の体験も変わってきます

ギャラリーのような
外の世界がほとんど感じられないものもあれば
街角だったり、古くからある建物だったり、
展示する場所によって
作品にいろんな意味が込められてきます。
作られた場所が普段あまり目につかない場所でも、
インスタレーションをそこで作ることによって、
その場所が全く違う空間に見せることができるのです。
改めて、
その場所の良さや特徴を考えさせられるきっかけ
にもなります。

作品紹介

作品は、たとえば暗い壁に光を投射して、触れそうで重さもありそうな「光のかたまり」が壁から飛び出ているように見せたり、天井が開いた部屋で空の光の色が時々刻々と変わっていくさまを見せ、それに補色の光を加えて空の色を濃くしたり変えたり、また真っ暗闇の部屋の中に観客を入れて、暗さに慣れてきた頃に光のスクリーンが見えはじめる、といったものがある。
彼の作品は、
1.屋内に設置され、プロジェクターなど人工の光や、天井などからの自然光を使った作品
2.『ソフト・セル』や『ガスワークス』など、人間一人が入り、感覚を遮断したり操作したりする作品
3.光を感じることのできる場所作り(『ローデン・クレーター』)
に大別できる。彼は光と知覚をコントロールしてそれを完璧に体験するために、インスタレーション方法や展示空間にも細心の注意を払ってきた。多くの場合は、展示場所に合わせて作品を新しく制作したり形を変えたりする。また、光を発生させたり個人体験型の巨大機械を作るなどしているが、技術の使用を強く打ち出すテクノロジー・アートメディア・アートには分類できない。彼の場合、使用する機械や技術はあまり高度でなくても、知覚に対して最大の効果をあげることができるからである。
近年では、美術館に作品を恒久展示することが増えてきた。ニューヨーク市のP.S.1コンテンポラリー・アート・センター(現在はニューヨーク近代美術館の一部として運営されている)に1986年に作品を恒久設置したのを皮切りに、ドイツイスラエルなどの美術館に、空を見るための天井が開いた部屋などの作品が据え付けられている。日本でも、新潟金沢香川熊本など彼の作品を常に体験できる場所が増えた。

✣  Roden Crater:ローデン・クレーター ✣

▲Photo by Klaus Obermeyer

アリゾナ州北部の砂漠にある大規模アート作品の1つで、彼が何十年にもわたって制作している没入型展望台『ローデン・クレーター』知っている方も多いジェームズ・タレルの大作。現在も進行中のこのアリゾナ州立大学が完成をサポート。

AXIS 2019,1,17

同作品は、休眠中の火山の内部に入って体験する光と知覚の大作であるが、現在は年間で数百人しか見ることができないという。つまり、より多くの人が入場できれば、学術的要素の発展を通じて彼のアート・ビジョンが共有されて、学際的なアプローチが創造性へと高まるということだ。
この取り組みでは、サイト内にビジターセンターなどのインフラを整備して彼の作品を維持し、アメリカ国内で最も有名な文化財の1つを確実に保存するために、最低でも2億ドル(約217億円)を集めることを目指している。

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▲Photo by Klaus Obermeyer
▲1970年代のローデン・クレーター 写真提供:James Turrell

同大学は、資金調達とRoden Craterの運営を行う非営利団体「Skystone Foundation」とともに、180万ドル(約1億9500万円)の匿名の寄付金をもとにした年間計画を作成中で、プロジェクトの範囲と試験的な学術プログラムが決定される。
オンライン課程は現在タレルと共同開発中で、同大学の学生が現地を訪問する4つの研究課程も今春に向けて進行中だそうだ。

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アメリカ合衆国 〒86004 アリゾナ州 ロデン・クレーター
 Roden Crater
 Roden Crater
 Roden Crater

これまで、ホイットニー美術館(ニューヨーク、1980)、パリ市立近代美術館(1983)、ニューヨーク近代美術館(1990)など世界各地で個展を開催。代表作に、1979年から制作中の壮大なプロジェクトである《ローデン・クレーター》(アリゾナ)、《スカイスペース》(ニューヨーク、1986)、《ザ・ライト・インサイド》(ヒューストン美術館、1999)など。また日本では「タレルの部屋」としても親しまれる金沢21世紀美術館の常設展示作品《ブルー・プラネット・スカイ》(2004)のほか、香川県の地中美術館の《アフラム、ペール・ブルー》(1968)、《オープン・フィールド》(2000)、《オープン・スカイ》(2004)、新潟県の《光の館》(2000)などを見ることができる。

日本国内にも多数ある
ジェームス・タレルの世界に
一度身を置いてみて
ご自身の中からなにが浮き立つのか
体験してみてはいかがでしょう✨

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