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ART memo. 2022-vol,11

コチラの音楽を聴きながらお楽しみください✨
『Listen in browser』←クリックすると聴けます👂

村上 友晴
『無題』
豊田市美術館

今回は豊田市美術館に行って参りました。
現在開催されている
『サンセット/サンライズ』
章立ては、
第1章「マジックアワー」
第2章「眠り/目覚め」
第3章「死/生」
第4章「見えない/見える」
第5章「黒/白」
第6章「終わり/始まり」
の6章。

美術館Collectionの
第5章『黒/白』(Black/White)
に展示されていた作品の一つです。

                                          Photo:NiW
第5章『黒/白』(Black/White)

私好みの章になっていて
ほぼ正方形の空間でしたが
この空間心地が良い💗
ワクワクしました💗
気がつけば行ったり来たりしながら作品を観ていきました✨
注意:他の来場者様の邪魔にならない様に注意しましょう。

※『サンセット/サンライズ』展示コンセプトは
前回のblogに掲載しておりますので気になる方はご覧ください。

第5章『黒/白』(Black/White)
最初にこちらの作品。

                                                                                                                                                 Photo:NiW
MURAKAMI Tomoharu (1938-)
Untitled
1989-90
oil on canvas
162.0×130.0cm

とてもシンプルな……漆黒。
もう少し近づいてみましょう。

                                                                                                                                                 Photo:NiW
村上 友晴 (1938-)
『 無題 』
1989-90年
油彩、カンヴァス
162.0×130.0cm

少しづつ浮かび上がってきました。
マテリアル。
まだ分かりにくいかもしれません。
もっと光を取り込んでみましょう。

                                                                                                                                                 Photo:NiW
MURAKAMI Tomoharu (1938-)
『 Untitled 』
1989-90
oil on canvas
162.0×130.0cm

油絵の具で素材感が表現されています。
凹凸のあるこの作品の解説が
豊田市美術館のHPに掲載されていたので
添付いたします。

                                                                                                                                                 Photo:NiW
村上 友晴 (1938-)
『 無題 』
1989-90年
油彩、カンヴァス
162.0×130.0cm

純粋な唯の黒でもそこに素材表現があることで
光の影響を受けていろんな表情を露わにしてくれます。
色を排除したこのシンプルな作品に
あなたは何を観ますか?

現代作家紹介

✣ 村上 友晴✣
Tomoharu Murakami

村上友晴 個展会場風景 (横田茂ギャラリー、2017-2018) 撮影:遠藤純

※本人画像が見当たリませんでした。

村上友晴は1938年福島県生まれ。幼少期から長谷川等伯などの日本古美術に親しむ。61年東京藝術大学日本画科卒業。同年に専攻科に入学するが3ヶ月で中退し、当初は「村上友康」の雅号で日本画家として活動を開始。美松書房画廊での初個展で日本画顔料を使用した黒の絵画を発表する。26歳のとき、招待出品したグッゲンハイム国際賞展(1964)で見たアメリカ抽象表現主義の作品に感銘を受け、大きなキャンバスに黒の下地を塗り、ペインティングナイフで木炭粉を混ぜた絵具を重ね置いて、重厚な画面をつくり上げる独自の手法を生み出す。75年に雅号を捨て、約10年の空白期を経て「村上友晴」の名で現代作家として再出発。90年代には、白い紙の表面に鉛筆やニードルの痕跡を残した繊細な作品で新境地を見せる。

 1 9 6 4 年 に は グ ッ ゲ ン ハ イ ム 国 際 展 の 出 品 作 家 とし て 、2 6 歳 の 若 さ で 抜 擢 さ れ そ の 後 、洋 画 家 とし て の 絵 画 世界を追求することになりますが、終始一貫しているのは、紙やキャンバスにペ インティングナイフや筆で、黒い絵具を、注意深く、密やかに置きながら画面を 創 り 上 げ て い く と い う 姿 勢 を 持 つ こ と で す 。 こ の 仕 事 は 、1 9 6 0 年 代 か ら 現 代 ま で 続 い て い ま す が 、1 9 9 0 年 代 に は 紙 の 仕 事 に 変 化 が 現 れ 、あ ら た な 表 現 が 展開していきます。それは、白い紙をベースに、わずかな厚みの表面に鉛筆や ニードルでデリケートな痕跡を残す繊細な仕事。削っていく、消していく、ともい えるその表現は、黒い作品とは対照的であるものの、あたりの空気や光を吸 収するほどの力を内包しているところは共通しています。

 生きるために描く。呼吸をすることと描くことが同じことのように、村上は画 面に向かいます。その、静謐で凛とした画面を凝視すると、描き続ける行為と し て 画 面 に 刻 ま れ た 気 の 遠 く な る ほ ど の 長 い 時 間 が 、絵 具 の マ チ エ ー ル の 間に折りたたまれていることに気が付きます。作品に向き合う村上の、祈りにもたとえられる深い精神世界をご高覧ください。

 79年、北海道のトラピスト修道院を訪れたことをきっかけにカトリック教会の信徒となった村上。修道院の生活に倣いながら、一つひとつの作品を丹念に制作し、神に祈りを捧げる静謐な絵画は深い精神性を湛えている。近年の個展に「村上友晴展 ― ひかり、降りそそぐ」(目黒区美術館、2018)、「村上友晴」(ART OFFICE OZASA、京都、2018)。これまでの主な展覧会に、「グッゲンハイム国際賞展」(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、1964)、「村上友晴・庄司達」(ロサンゼルス現代美術研究所、1981)、「第16回サンパウロ・ビエンナーレ」(1981)、「静けさのなかから:桑山忠明/村上友晴」(名古屋市美術館、2010)などがある。



作品紹介

生きるために描く。
呼吸をすることと描くことが同じことのように
村上は画 面に向かいます。
その、静謐で凛とした画面を凝視すると、
描き続ける行為と し て 
画 面 に 刻 ま れ た 気 の 遠 く な る ほ ど の 長 い 時 間 が 、
絵 具 の マ チ エ ー ル の 間に
折りたたまれていることに気が付きます。
作品に向き合う村上の、
祈りにもたとえられる深い精神世界をご高覧ください。
1
無題(礼文)1986
油彩・アクリル/紙
61.9×45.2cm

村上の作品に終始一貫しているのは、
筆を使わず、ペインティングナイフで
注意深く密やかに絵具を置きながら画面を作り上げていく姿勢。
この手法は60年代から現在まで続きますが、
90年代からは白い紙に
ニードルや鉛筆で削る、消すなどの
デリケートな痕跡を残した新しい表現を展開しています。

2
無題
1980
透明水彩/紙
62.5×50.7cm
3
PSALM l(詩篇)
1979
ドライポイント/紙
30.5×24.5cm 8点組
4
十字架の道
2001
ドライポイント・ニードル/紙
22.0×15.3cm 14点組
5
聖夜
2007
墨・油彩・鉄筆/紙
19.1×15.1cm
6
無題
2016
鉛筆・ニードル/紙
24.2×30.3cm
7
無題
2018
鉛筆・ニードル/紙
19.0×25.0cm
村上友晴個展会場風景
TomoharuMurakami
2017年11月18日-2018年1月6日
Kayne Griffin Cororan,LA/USA
写真提供:横田茂ギャラリー
村上友晴個展会場風景
TomoharuMurakami
2017年11月18日-2018年1月6日
Kayne Griffin Cororan,LA/USA
写真提供:横田茂ギャラリー
朝、昼、晩、自然、人間の心のうさ。
知覚に獲えることはできないが、確かに在るもの。
このような存在を平面のカンヴァスに定着させることが可能か。
余分な計らいを捨て、まったく単純に「自然」になりきったその時、
逆にすべてを含んだ、深いそのものが現れてくるのではないか。
長い時をかけ、毎日の絵具を塗る行為を通して、
そのものに触れられることを望んでいる。
村上友晴『美術手帖』1982年2月号

HP紹介

art scape


村上友晴氏の描く精神世界
琴線に触れた作品・お好みの作品はありましたか?
私個人的には4の『十字架の道』にも
とても惹かれました✨

村上氏の作品に共感するところは
色を極力使っていない部分。

白ベースに白で立体的に描くという
描くを超えたマテリアルに昇華しているところ。
2次元では収まらない3次元の体験を描こうとする姿勢。
究極にシンプルな見るという行為に必要とされる
白と黒=光と影
に絞った作品作り。

私自身ファッションに携わってきた中で
色を使わず形や機能・素材に注力した物作りが
とても深く浸透している事に通づるので
なんだかテンションが上がってしまいます✨

色は華やかで感覚に訴え惑わされることがあるけれど
素材や形は嘘がつけない。
思考を伴います。
とてもストイックで誠実な職人の世界。
そこへの憧れと感銘を見出す面白さを
これからも観ていきたいし
関わっていきたいものです🌱✨


最後までご観覧ありがとうございました。
お付き合い感謝いたします✨
何か反応がございますと励みになります🌱


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