淡い朝

朝起きたら、布団から出たくない。そんな感情久しぶりだ。
布団から出たくなかったのは待っている今日が嫌なわけではない。ただただ、布団の外が寒いからだ。

ちょっと前までは布団ですらも持っていなくて、それでなんの問題もなかったのに、季節ってやつはなかなかの速さで去っていく。

冬が来た、そう気付かされたのは橋を渡っていて川の上にある太陽を見た時だ。サマータイム(DST)がない日本だから、出勤時間は夏からずっと変わらない。そのため、季節の変化が時間帯にそのまま反映される。それだから、太陽の位置が低く淡い空の色が「冬」って感じを醸し出していた。

冬を感じ始めるとさらに冬の要素が見えてくる。マフラーをしている人や、コートを着ている人、雲ひとつない淡い青空、乾燥して白みを帯びて来ている足。足。裸足。ふと気がつかされてしまった。

「あれ、なんで俺半袖短パンサンダルで自転車漕いでるんだろう。」

それはもしかしたら小学一年生の頃にも感じていた疑問なのかもしれない。僕は学年に一人はいる年がら年中半袖半ズボン野郎だったのだ。
そうなろうと思ってそうなったわけではなく、季節の変わり目に鈍感で、どのタイミングで着る服を変えればいいのか分からなかった。
中学校、高校は制服があったし、周りが変わっていくのが目に見えていたから変えやすかった。ただ、小学校の時はそれがなんか難しくて、意地っ張りで負けず嫌いだったからそのまま半袖ボーイになってしまったわけだ。

とにかく、冬はもうその辺まで来ているらしい。

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