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アフリカで消毒液を売っていたぼくが、渋谷区の貧困家庭を支援するスタディクーポンを支持する理由

「森本さんはスタディクーポン関わってないんですか?」
この一か月くらい、いろんな方に聞かれました。

ちなみに、そもそもスタディクーポンってなに?という方は、こちらをご覧ください。

実は、
「途中まで関わってたけど、この2か月ぐらいはバタバタしてて何もできなかった(恥」
というのが正直なところです。

もちろん興味がなかったわけではありません。むしろ、メチャクチャやりたかった。
(この2か月はぼくが自分で家族のことを優先すると決めた訳で、そのことにはまったく後悔はありません)

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スタディクーポンは、ぼくがキズキに入って最初の仕事でした。今回のイニシアチブのリーダーの今井さんに初めて会ったのは、昨年の9月。

まだ、名刺もありませんでした。

その打ち合わせで初めて僕はスタディクーポンという仕組みを知ったのですが、帰り道にうちの安田と

「この仕組み、もっと広がっていったら面白いよね。そうだ、東京でやるように今井さんにけしかけよう!(笑)」

と話をしたのを今でも覚えています。

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今井さんもうちの安田も、これまで日本国内の教育に携わってきた人です。でも、ぼくはそうではない。少なくとも、1年前まではアフリカで医療のことをしていました。

では、そんなぼくがこのプロジェクトになぜ賛同するのか。

「貧困世帯の塾にいけない子どもに、塾に行く機会を提供できる」
「さらには、貧困世帯でも、子どもが自分で受けたい教育を選ぶことができる」

もちろん、こうした、このプロジェクトの最も切実な部分にも、とても共感しています。

ですが、ぼくがこのスタディクーポンというソリューションを強烈に支持する理由は、

「公的サービスと私企業は、どのように役割分担をすべきか」

というぼくの昔からの問題意識に、スタディクーポンがひとつのカッコいい答えを提示していると思うからです。

「国(公)と企業(私)は、どのように役割分担をすべきか」

この問いは、僕が大学で国際関係論という学問を勉強しているときも、また、NRIやローランド・ベルガーで公共性の高い事業を行うクライアント企業の戦略立案に関わっているときも、また、アフリカで、現地の保健省や国際機関を相手にアルコール消毒液を売っているときも、いつも考えていた問いでした。

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支払能力がない人々に対し、モノやサービスを提供することは、私企業にはむずかしい。

アフリカでサラヤという会社でアルコール消毒液を売っていたとき、感染症リスクがあるけれど貧しい人々に、ぼくの会社の製品を直接届けるのは、難しかった。私企業として利益のことを考えると、とても難しかった。

こうした人々に必要な製品を届けるには、国や国際機関に支払いを肩代わりしてもらう必要がありました。一度そうした組織に買い取ってもらって、そこから配ってもらう必要があったのです。

こうした「貧困層の支払い能力を肩代わりすること」は、やはり公的機関にしかできないと思いますし、それが公的機関の役割だとも思います。

一方で、利用する人々のニーズに応じて、提供するものを改善できること――これは、企業が持つ強みです。

ウガンダの地方病院などを訪れると、国や国際機関が導入したけれども、その土地その病院のニーズに合っておらず、そのまま放置されている医療機器をたくさん見てきました。

「タダだからもらったけど、役に立たなかった」

こうした非効率を多く目撃すると同時に、値段がついているにも関わらず無料で寄付されたものに勝って使われている逞しいモノやサービスも、たくさん見てきました。

ぼくたちのアルコール消毒液が寄付で流れてくる粗悪品に勝って大量注文に至ったこともありました。

その病院自体あまり予算が充実していないにもかかわらず、です。

購入を決めてくれた病院の看護師さんは、
「サラヤの消毒液は幅広い感染症を予防できる。ちゃんと使い方のレクチャーもしてくれるから、使っていて安心だわ」
と言ってくれていました。

たとえ収入がギリギリだろうと、消費者は、使うモノやサービスは選びたいんです。

たとえ貧しかったり、支払能力がない人々であっても、手に入れるモノやサービスを彼らが自ら選べるよう、選択肢が提供されているべきではないか。

そしてそうした選択肢は、複数の「私(企業)」が競争しながら提供しつつ、一方で「公(国家)」は、彼らがそこにアクセスできる環境を整備する。

こうした公と私の役割分担こそ、「支援」の正しい在り方なのではないか。

これは、ぼくがアフリカで得た答えでした。

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スタディクーポンは、ぼくが考えるこうした「公」と「私」のひとつの理想的な関係を、日本の教育という場で実現してみよう、というチャレンジです。

今回、「寄付」から始まるこの渋谷区での取り組みが全国に広がっていけば、日本の「公」と「私」の関係が、少しずつ変わっていくんじゃないか。そのようにぼくは考えています。(実際に、プロジェクトを始めてから、たくさんの自治体から問い合わせをいただいています)

確かに、「仕組み」自体は決して分かりやすくはないかもしれません。それに、「そもそも最初から公費(税金)でやるべきじゃないか」という意見も分かります。

それでもこの取り組みのスタートとして「寄付」という形を選んでいるのは、自治体が概して、前例のないものに取り組みにくいからです。

だから、多くの人を巻き込んで、声にしていく、ムーブメントにしていく、クラウドファンディングという形態を、ぼくたちは選びました。

今回のクラウドファンディングは、11月30日まで。今日と明日で終わってしまいます。

寄付でもシェアでの応援(コメント付きだとより嬉しいです!)でも、どのような形でも結構ですので、ぜひみなさま今回のプロジェクトに一緒に参加してください!

https://camp-fire.jp/projects/view/42198

よろしくお願いします。

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森本真輔

株式会社ソシエテ代表。 東大教養学部(国際関係論)を卒業後、戦略コンサル(NRI、ローランド・ベルガー)、サラヤ・イースト・アフリカ現地代表、キズキの共同経営者を経て現職。 趣味はサッカー(クラブユース出身)、旅行(50ヵ国超え)、読書(月5冊)、映画(月2本)、コーヒー(毎日)
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