ソーシャル・ベンチャーでKPI作るってどんな感じ?

ブログのタイトルを「それっぽく」したこともあり(笑)、今日は今の会社でKPI/KGIを設定することのむずかしさについて、少し書こうと思う。

うちの会社(株式会社キズキ)はよそからは「社会的企業」と呼ばれることが多い。このnoteのタイトルにあるとおり、ソーシャル・スタートアップ、ソーシャル・ベンチャー、なんて横文字で呼ばれることもある。

もちろん、どういう企業が「社会的」なのか、実は考え始めると簡単には答えが出る問いではないと思うのだが、うちの会社が、

「なにかしらの社会的に良いインパクトを生み出そう!」

と社員一同が考えている組織であるという点で、よそから「キズキは社会的企業/ソーシャル・ベンチャーだよね」と言われることに、ぼく自身は特に違和感はない。

ぼく個人の話になるが、実はキズキに関わる前も、アフリカのウガンダで、サラヤ・イースト・アフリカという、これもまた世間的には「社会的企業」といわれる会社で働いていた。

アフリカの衛生環境の悪い病院で起きる院内感染を防ぎながら、同時に利益も追求する、という会社だった。

つまり、ぼくにとっては今のキズキは二社目の「社会的企業」なわけだが、社会的企業二社の経営を経験して、確信を持って言えることは、こうした「社会的企業」を経営する上で、

「自分たちの活動によってもたらされた社会的インパクト・価値を、どのように測定するか(指標化するか)」

というイシューを解くことが、とても難しいということだ。
(「このイシューを解くことは難しいぜ!」というこの確信、なにもカッコいいことではないのだが・・・苦笑)

ふつうの「営利企業」であれば、ふだんから社会的インパクトの指標などを意識する必要はないかもしれない。

だが、「社会的企業」をうたい、「社会的インパクトの最大化」を目指す以上は、それらをどのように測定するかしっかりと考えをもっていないといけない、とぼくは考えている。

これは、ふつうの営利企業が「営利」に関わる指標を設定するのと同様、社会的企業もその活動が「いかに社会的であるか」の指標を設定しましょう、という簡単な話だ。

逆に言えば、営利企業なのに営利的な活動の成果を測る指標が設定されていないということが(特に、きちんと利潤を追求している営利企業であれば)ありえないように、社会的インパクトを目指す「社会的企業」がそのインパクトを評価していないというのは、本来的にはあってはならない(これは自戒を込めて、だ)。

実はサラヤ・イースト・アフリカでは、国連開発計画(UNDP)のサポートのもと、売上・利益だけではなく自社の社会的インパクト評価指標まで測定できるような、独自の「CRMツール」の開発プロジェクトに取り組んでいた。

そのツールが完成すれば、院内感染症の発生件数や、病院ごとの医療費の削減具合など、色々な指標を作成・計測できるようになる計画だったのだが(このあたりはUNDPが非常にうまくリードしてくれた)、ぼく自身はプロジェクトの途中でサラヤ・イースト・アフリカを退職してしまったので、残念ながら、ソーシャルなKPI/KGIをウォッチしながら経営をおこなうということを、アフリカでは十分に達成できなかった。

一方で、いまのキズキに関して言えば、半年間の通塾継続率(注)などいくつかの指標をウォッチしているが、社会的インパクトを測定するための指標整備については、まだまだやることがたくさんある、というのがぼくの認識だ。

正直な話、普通の営利企業でさえKPI/KGI体系を設計するのはとても難しいのに、そこに更に「ソーシャル」みたいなむずかしいファクターが入ってくるので、心が折れそうだ(笑)

ただ幸いなことに、仲良くさせて頂いているNPOや、プロボノプロジェクトを実施してくれるコンサルティング会社など、「社会的インパクトの指標づくり」に協力してくれる外部プレイヤーも少なくないので、うまいこと新しい指標を作っていけないかなあと、ぼんやり考えている今日この頃だ。

注:「塾に一定期間通えた」という事実は、挫折経験があるような弊社の顧客には一つの成功体験になるため、うちの会社ではこうした指標を重視してきた経緯がある

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森本真輔

経営・戦略・思考

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