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スポーツ×兵法=駅伝の極意:一穴を狙え

これ、兵法か?と思った人、どうだと思いますか?

『故に用兵の法は十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能く之と戦う。少なければ則ち能く之を逃る。若かざれば則ち能く之を避く。故に小敵の堅なるは大敵の擒なり。』
孫子の兵法

先ず勝負の前提が上記の引用にあります。「駅伝」はこういった現有戦力を把握、考慮することから始まります。ここで言う「戦力」は選手の走力、層の厚さのみならず、総合的なもの:バックアップ、マネジメント等も含んだ力と考えましょう。

『故に君の軍を患わす所以の者三あり。軍の以て進む可からざるを知らずして之に進めと謂い軍の以て退く可からざるを知らずして之に退けと謂う。是を軍を縻ぐと謂う。三軍のことを知らずして三軍の政を同じうすれば則ち軍士惑う。三軍の権を知らずして三軍の任を同じうすれば則ち軍士疑う。三軍既に惑い且つ疑わば、則ち侯の難至る。是れを軍を乱して勝を引くと謂う。』孫子の兵法

「一穴」を狙う作戦は強大な相手と勝負する上で有効な作戦の一つです。というか、多くの作戦は取れないので採り得る選択肢の一つです。

鉄壁の防御も「一穴」あけることで、そこから決壊し、溢れ出すともう止まらない。そういった狙いがあります。

さて、それでは駅伝にはどうやって応用しましょうか?

これは前回もお話した「先行逃げ切り」を仕掛けるのもその一つですよね。他にも、レース当日は難しくても戦力を整える段階、育成段階でスタミナや自信、保有する総合力では見劣りがするものの、スピードだけは絶対負けないという方法が見出せます。

他にも心理的作戦で相手を乱す方法もあるでしょう。これは卑怯な気がしますが、交渉事などではそうはなかなか言っておられません。これは勝負の世界も同じで、情報に関して純なのは必敗に繋がります。

教育的に好ましくないという向きもありますが、それで世の中を渡っていけるのでしょうか?やはり教育だからこそそういった話も学んでおく必要があるでしょう。

脱線しましたが、「一穴」はそういった心理的&教育的隙を突く部分があります。美意識としてその方法は採りたくないとはよく言われますが、現場の指揮官、選手ならモラルに反しないことはとても、とても重要ですが、モラルとセットで学び、考え抜く習慣は絶対に必要でしょう。

例えば箱根駅伝ならこの区間だけは絶対勝てるという適性を持った選手が居たとしましょう。従来ならその区間に主力を置くことは考えられない作戦、起用ですがそれを行う。そうすることでそこでの貯金を大きく確保できる。

ここでの大差は意外と全体に波及し、他チームの作戦、積み上げていく貯金を無効化する効果が期待できます。(これを「王者」にやられると成す術もありません)

みなが同じ方向を向き、同じような作戦を採ると予想できる時に有効ですね。もちろん、指揮官がそうなるよう仕向けるような場合は特に効果的です。

これは事前の仕込みから決まってくるのですよね。(これも王者がやれば絶対的に強い)

他であればここだけは勝負できるという場所を創り上げるのも一つでしょう。「橋頭保を築く」。

これで渡しを設け、勝負への足掛かりを付けておきます。

さてどんどん出てきますね!楽しんで頂けましたか?

どんどん学べていますか?興味を持って頂き、より充実した「駅伝観戦」や「シュミレーションの楽しさ」や「育成」に臨んで頂ければ幸いです。

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