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スポーツ×兵法=駅伝の極意:チームの総合力

最近のトップスポーツでも言われ出したのが「総合力勝負」。チームとしても競技力だけでなく、リソースや運営面、はたまたスタートアップ企業のような経営、ファンの力などを総合した力で勝負が決するという考え方。

これが学校スポーツ、特に大学スポーツならどうしても大学のブランドや資金力、支援は大きな要素を占めます。


今回は戦略、戦術とその総合力との関連を考えてみましょう。そこに兵法が絡んできます。

兵法が最も多く活用、陽の目を浴びるのは「戦時」です。現代なら最も色濃く出るのがプロスポーツを中心とした競技スポーツ。それと企業経営でしょうか。もちろん本来の出自である軍隊などにも受け継がれてはいますが。

そんな「兵法」ですが、有名なのが三国志の時代、蜀の「軍師」諸葛亮孔明です。

この場合、兵法は一般的なイメージである「戦闘中」「局地戦」のみ有効な形ではなく、あくまで政治など自国を相手より優位にしていく意味合いで使用されていきます。孫子にもそのような形で書かれていますね。

政治や外交が先にあり、戦争は最終手段である、と。

そういった兵法ですが、スポーツでも同じように現場の戦力は大前提となるものの、その分析力や指揮官、スタッフ、ロジスティックス、環境支援などなども大きな要素を占めます。

これが違ってくると当然スカウト力も変わってきます。集客力、営業力も変わってくるでしょう。こういったものを「総合力」と見なします。


さて三国志ですが、魏蜀呉の三国なのは有名な話です。その中で何がどう違いがあるのかをまず見てみましょう。

勢力図はこちらのサイトを参照します。

記事にもありますが、一見すると三国とも同じくらいの勢力図に見えます。しかし、実際はちょっと細かい線が入っていますよね?

今の日本もそうですが、田舎の方だと町や市、県のカバーする範囲が大きくなりますが、それと人口や産業、経済は比例しませんよね。人が住む、ないしは経済や生産に向かない場所も数多くあります。

東京の23区は1つ1つが「狭い」ですが、ひしめき合っているし、経済も大きい。これは大阪や名古屋、福岡なども同じでしょう。

実は三国志でもそうで、魏が圧倒的な勢力を誇っているんですよね。中原と呼ばれる肥沃な地域を押さえているのが魏。次に海沿い、河口を押さえているのが呉。蜀は決して恵まれた土地ではありません。だから曹操は無理に蜀を統合しようと思わなかったのかもしれません(余談です)


兵力についてはこちらを参考にしてみましょう。

こして2つのサイトを見比べても人口の大小はあれど、大体国力の格差は見えますよね。当時は今以上に生産と人口の関係性は深いので人を養えるところは経済力もあると言えます。

これだけ総合力が違い過ぎるとそれを超えて勝負していくのは相当厳しい。

三国志中でも蜀の人材不足は日に日に深刻化していきますが、当然と言えば当然なんですよね。

最初は荊州から劉備が入蜀する時に連れて行った人材も居たのでしょうけど、段々枯渇していく。それに外部人材も呼び込めないとなると厳しい。まして外と断絶している地域だから外のことも解らない。

下手したら夜郎自大になるのも仕方がありません。


孔明はその中でも善戦した方とも言えるでしょう。策を駆使し、攻撃は最大の防御なりと打って出ていく。そうやって現場での経験を踏ませ、なおびくともしない魏の強さを感じさせ、目を外に・上に向けさせる。

ただそれでも弱者の兵法が如く沢山手を打ち、外交を駆使しても逆転はなりませんでした。このあたりは残酷な事実なんですよね。


現代のスポーツや企業経営もある程度の規模なら逆転可能と言えるでしょう。ネットワークが発達し、人材獲得に関しても「辺境」は減りました。もちろん、情報弱者、組織の古さや人材レベルの低さに因る「辺境」はあるとは思います。

それでも策を打てばそれなりの効果は上げるでしょう。

しかし、それでもやはり「総合力」を強化していくことの方が重要と言えます。現場任せにしていても「総合力」で劣るなら幾ら有能な人材を得ても活かしきれません。

これは「総合力」さえあれば現場の指揮官は不要という意味ではなく、両方揃ってこそ力が発揮できる。勝負できるということです。


★★★

日本のスポーツを始め、世界で通用するチャンスのあるものは多くあると思います。しかし、えてしてこのような「総合力」という発想を持たず、現場の指揮官の能力、奮闘に委ねてしまいがちな部分が目立ちます。

チーム強化を図るうえで「総合力」と「有能な指揮官の獲得」の両面で検討、行動していく必要があるでしょうね。いずれにしても根幹になるのはまず人。人材の総合力が今後の行方を決定していくことでしょう。

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