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専門書から読み取れるもの

何年も現役選手、指導/アドバイザーとして活動してきて感じるのは、どうしてもランナーはいわゆるポイント練習を重視すること。そして、そのポイントでのタイムを「質」として最重要視し過ぎることが気になります。

レース/トレーニング計画でも顕著で、およそランに関するタイム目標だけを掲げがち。

そういう話しをすると、「いや、専門書だってランに関する技術しかありませんよ?」と反論されることもあります。そこに心拍数や調整法の話が出てきても、記述の多くは「ポイント練習」と「回復期におけるjog」などが中心。

確かにそうですが、それに関して今回は書きます。全部一気に書くと長くなるので、1つ1つをまず挙げてみます。

ランニングは全身運動

肉体の1つ1つを創り上げ/使い尽しながらランニングを実現します。本来は、細かいトレーニングが大きな筋肉から小さい筋肉まで操作/動員していく必要があります。このあたりは専門書には記載が少なく、様々な関連本から結び付けていく必要があります。

「専門書」とは何か?

例えば、人工知能/AIについて専門書が記述するときに、入門編でいくか、それとも個々のテーマにいくかで決まってくると思います。AIの構成そのものを記述しようとすると、それを構成する膨大な知見を取り扱うことになり、1冊の事典を作っても不足するくらいになるでしょう。様々な知見を取り込んで構築していった結果がAIに至っているわけですから。

これを考えても

例えば、ピーター・コーやダニエルズ、デューダ・ボンパの「専門書」もその構築されたプロセスに至る知見は包括したうえで、ランニングに関する記載を行っています。トップアスリートを目指す上でのトレーニングメニューを参考に、ですね。

これだけを読んでランニングを決定付けてはいけません

正直なところ、ここに記載されている内容だけならかなりの人が内容を押さえられると思います。そして、競技経験者なら、練習メニュー(ランメニュー)を立てるのはさほど難しいことではありません。

問題は

そのランメニューによって、得られる刺激はどういった類のモノか?それでどこがどう変わるのか?となると、「ランニングは全身運動」の部分に立ち返って頂かねばなりません。

一つだけ言えることは

アスリートであれ、指導者/専門家であれ、シンプルにやっているようで、そこにしっかりとした知見や裏付け、土台が必要になります。氷山の一角だけをみて真似しても、上手くはいきません。圧倒的に氷山の水中部分の方が大きいからです。

専門家の力を活用することが成長率を押し上げる

ただランメニューを作成し、実行していてもそこそこ伸びたり、成果を得ることは出来ます。が、故障をしたり不調に陥ったり、伸び悩んだときにランメニューをいじることしか出来ないことが多く見受けられます。

本当は、ランを構成する全てを見直す作業をしていけば、原因があったり、改善していけますし、かかりつけ医と同じ様にデータや関係を構築しておくと、効果も得られやすいです。

結び

陸上競技人にとって、特に中長距離においてバイブルのような存在が最初に挙げた三方の著作になるでしょうか。そこが専門書の中でもコアになるのは間違いないです。が、専門書はそこだけでなくスポーツ医学も法も、ウエイトなども、メンタルもと様々な分野に拡がります。もちろんそこは陸上競技に特化したものではなく、共通になっています。が、当然必要な土台です。

1趣味で軽く走る感じであれば以上のような話はほとんど関係がありません。

2ランニングクラブに参加したり、大会エントリーするようになってくると、知っておいた方が良いと言えます。

3アスリート志向なら、確実に押さえておきたいことです。

余談ですが

何度も取り上げている「駅伝不要論」ですが、世界のトップを見据える上で「要/不要」の議論が成り立つわけで、裾野を含めた大多数の人からすればその議論自体がナンセンスです。

面白さ、憧れも大きいですし、上述したような指導者(専門家)が居て、知見などを広く伝え、人材が育つ場でもあり、大きく競技人口を拡大/強化しています。さきほども記した「ランメニューだけなら」相当な人が立てられるのも駅伝が大きな寄与をしていると思います。(1段上、2段上となると専門家群の中でも徐々に人数は減ることでしょう)

駅伝は絶対必要!

これは疑う余地もありません。

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