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ある陸上競技選手の思い出:高校時代:暗示!?

「心のタスキリレー」を提唱し、説かれていた西脇工業高校の元顧問:渡辺先生の教えにこういうのが一つありました。曰く「1区でたとえ出遅れても残り6区間で少しずつ詰めていけば良い」という教え。

全国高校駅伝(並びに予選など)は男子の場合、7区間計42.195kmで争いますが、1区はその4分の1にあたる10km。なかなか大きいウエイトを占めるので非常に重要です。

そして自分たちの時代は留学生が1区を担当することもまだルールで規制されていなかったので(起用は1名に限る)、1区で離される可能性は大きかったです。

その場合、他校のように思い切ってエースが勝負していくことも作戦としてはありますが、チームとして盤石の感じで勝つことを考えると・・・


1区でおよそ60秒程度離されたとしても2区以降、10秒ずつ一人一人が詰めれば残り6区間でゼロになる。要はゴール手前で追いつけるのであとはラスト勝負!という計算になります。

ラストスパートは西脇工業高校の場合、全国トップレベルのスピードを持っているので、競れば勝てるという自信がありました。ということで机上の計算では勝てるんですよね。

とにかく一気に詰めようとせず、後ろに控える仲間を信じて自分の役割をきちっと果たすこと。これが第一でした。これは落ち着いて待てるんですよね。

ちなみに1区は高校留学生レベルで28分台で行けば相当速いので、こちらは30分を目安に運んでいきます。ただ不思議なことに、一人10秒で気楽になっていましたが、考えれば2区以降区間賞、少なくとも先頭より速いタイムで走るのが前提なんですよね。


★★★

幾ら戦力的に他校より層が厚くてもそうそうきちっと走れるわけではありません。が、何故かイケル!と思っていたのが当時の西脇工業。多分暗示が掛かっていたのでしょうね。

一段上の作戦を持つことで、自分たちはそれならやれるという自信を持っていたということで。不思議ですが、先生の乗せ方が上手だったのでしょうか。結果的にそういった勝ち方が多く「逆転の西脇工」という異名にも繋がっていました。



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