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音頭

みんなで力を合わせたら良いんじゃないかと、仲間を集め、ライブを立ち上げた。10年ぐらいお笑い人間を名乗ってやってきているけれども、こんなに人を巻き込んでいっちょやってみようと思い立ち、いっちょやってみたのは初めてだった。

僕らは結構やれてるはずという思いがあったけれども、こういう成長の仕方もあるんじゃないかと仮説を立て、実践してみた。めちゃめちゃ自分なりにみんなの意識を確認しながら、ちょっとずつちょっとずつ、めっちゃビビりながら、それでもきっと理念的なところは共感してもらえるはずだと、信じて信じて、なんとかかんとか実現した。

とても盛り上がった。よかった。嬉しかった。滅多にライブ終わりに飲みに来ない池ちゃんが、興奮した様子で打ち上げに参加してくれた。かくいう僕だってすっかり打ち上げというものに参加しなくなっていたけれども、あまりにもみんなと語りたかった。

僕たちはもう10年目で、もうあんまりへえこらなかよしだけしてられないという点だけ難儀で、群青団地のように駆け上がっていく3年目だったら、ハマノとヘンミのように脂が乗っていく5年目だったらどれだけ良かろうか、そこだけはちょっと寂しいけれども、ともかくも走っていくしかない。頼もしいみんなに囲まれながら、大人気なくも思いっくそ実力を見せつけるぐらいのつもりで、そんでもってためになるものは全部吸い上げてやるぐらいのつもりで、ともかくやっていく。希望に満ちている。
終わった後はあんまり眠れなかった。もったいなかった。

めっちゃ盛り上がったのはそれ自体素晴らしいけれどもそれはさておいて、本当に仮説の通り意義あるものだったのか、それは長い目で見て分かっていくものだと思ってる。だからこそ一回の盛り上がりだけに鼻の下を伸ばしすぎてはいけないし、多少凹むことがあったとて強い信念で持って突き進まねばならない。僕たちはどんどん強くなれる。強くなれるはずだと思って突き進む。太田プロの若手やるじゃんと、そういう思いで突き進む。


あんまり寝れなくて、じんわりアドレナリンも落ち着き、ちょうどおねむがピークになるように、平塚へと向かった。太田プロのかっこいい先輩方と、イケてる仲間達で、とても大きな会館で、お笑いライブをやらせてもらえた。
ともかくも綺麗な空間で、お弁当が美味しくて、味噌汁もあって、コーヒーもあって、しかもどこに座ってもお喋りが楽しかった。子育ての話も、アメリカのディズニーの話も、営業の秘訣も、太田プロの歴史も、全部全部楽しかったし、局所局所で大笑いした。ライブが始まってほしくなかった。

あまりにも会場がゴージャスで、あまりにも広々としていたけれども、それでもたくさんの方々が足を運んでくださっていた。楽しくて素敵な空間だった。


ぐりんぴーすさんが怒りながら場をぶん回し、無視するように松村さんが客席に降りてお客さんに似顔絵をプレゼントし、またぐりんぴーすさんが叫んだ。面白すぎた。この事務所にいられてることがずっと嬉しい。最初はあんまり有り難みを分かってなかったんだと思う。
ひしひしと感じていきながら、とりわけマシンガンズさんの準優勝を見届けたときからずっと嬉しい。面白い人がいて、レジェンドがいて、モリモリ頑張ろうというライバルにも恵まれている。

終わった後みんなで飲ませてもらった。めちゃめちゃ見知ったメンツのテーブルで、とりとめのない話しかしなかったけれども、それでもめっちゃ幸せな空間にいるんだろうなあと思った。あったかい雰囲気と呼応するようにめちゃめちゃ眠気が襲ってきた。マジで危なかった。普通にエグい粗相を犯すところだった。
心が満ち満ちたまま、ヘトヘトになりながら東京に戻ってきた。満ち満ちている。


前よりももっと、錦を飾らなきゃって思う。錦を飾らなきゃとも思うし、僕みたいなもんでもなんかしら役割を持って、引っ張り上げるもんは引っ張りあげていけたら良いのかもしれないと思っている。
こんな言わんでも良いんだけど、満ち満ちてるままに書く。まだまだどうしようもないへっぽこの助だけど、ちょっとだけ誇り高いへっぽこの助になってきてる。若人たちの音頭を取る。

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