かなしみ

感情は理屈じゃないのか

エモの研究 その7

まとめ:悲しみの正体とは「物事が失われたときに感じる感情」というのが、僕の仮説です。正確に書くと、「モノ·コトへの期待値に対する負のフィードバック」になる。

今回は感情を扱う科学について、寄り道します。

●感情の科学曰く

◯✕問題です。

Q.感情は瞬間的に感じるもので、理屈で考えるよりも前に反応するものである。◯か✕か。

どちらでしょうか。

答えは、両方共あっています。感情という言葉の定義によってくる。

こっからしばらく引用部分などはあまり真面目に読まなくて大丈夫です。

感情心理学と認知神経科学というもので立場が違うらしい。
感情心理学ってのもいろいろあってだな……

感情心理学では感情研究が,①進化論学派(e.g., Darwin 1872,1985),②身体学派(e.g.,James 1884; Lange 1885; Tomkins 1962,1963;Ekman 1972; Izard 1971,1977),③神経学派(e.g.,Cannon 1927; Bard 1928; LeDoux 1987),④認知学派(e.g., Arnold 1945; Lazarus 1984),⑤その他(e.g., Buck 1985)の5 つの立場に大別されてる。――らしい。

もうね、5つの立場に大別とか、、つらい。。
素人の僕にはとても手におえない。

『感情心理学・入門』のまえがきでは、「感情を厳密に定義するのは難しく、心理学において一般に認められた標準的な感情の定義というものは存在しない」と、識者がのたまってる。

それでも僕が、街場レベルののっぺりした壁の向こうから言えることは、そんなバカなってことです。

子供が泣いて心を痛めている理由とか、大人が映画館や葬式で一斉に泣いている理由とか、文学が心の琴線を揺らし続ける理由とか、これだけ研究して、そいういう仕組みがわからないなんて。
(いや研究されている方々はまるで、違う次元で、心理学的、生物学的アプローチで、意義のあることをされてるんだと思います)

厳密とか立場とかそういうんじゃなくて、優れた作家、アーティストはとっくに感情の動きを捉えて描いているよなと思うわけです。

そうじゃないとあんな名作書けない。そこに統合された理論や定義がないだけで。そこには確かに、感情の核がある。

だからめげずに、街場レベルの感情をつかまえたいと思うわけです。

●それでも一個勉強になったこと

最初の問に戻ります。

感情は瞬間的に感じるもので、理屈で考えるよりも前に反応するものである。◯か×か。

でも、やはり、これは◯でも×でもあるみたいなんです。
つまり、悲しみにも2種類ある。

専門的には感情と情動によびわけたりする。

無意識に、反射的に感じる悲しみと、あとから理屈で考えたりして(認知して)、じわじわ感じる悲しみがある。
早い感情と遅い感情は、生理現象的には違うものみたいだってことです。

神経科学において情動と感情は明確に区別される。
『カンデル神経科学』(エリック・R・カンデル他著,金澤一郎他監修:メディカル・サイエンス・インターナショナル,2014年)によると、情動は「脳が何らかの困難な状況を検出した際に、ほぼ無意識的に生じる生理的反応群に対して用いる。これらの自動的な生理的反応は脳と身体の両方で生じる。脳の反応としては、覚醒度と認知機能(例えば注意や記憶の処理、意思決定戦略など)の変化を含む。身体面では内分泌、自律、筋骨格系における反応を含む。」とする。
感情は「これらの身体的および認知的変化の意識的経験を指して用いる。ある意味で感情は、情動状態によって生成された生理的現象の表現として、われわれの脳が作り上げた報告書といえる。」とし、この2つの状態を常に区別する必要が強調される。ーーらしい

今日はここでギブアップです。

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