202405某日

『ジョアン・ジルベルト読本』を買って以来、ジョアン・ジルベルトを繰り返し聞いている。とてもシンプルで明晰なのに、その構造を把握しようとした途端に崩れてしまうような、諸要素の力の均衡によってなりたっている音楽。大抵の曲にはわかりやすく拍を刻むハイハットのたぐいの音が入っているのに、その目印となるはずの音を頼りに聞いているうちにかえってリズムを見失ってしまうことの不思議さに驚き、そしてまた聞くことになる。

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