台湾のこと

またやってしまった。湯船にお湯ではなく水を張ってしまうという日常の失敗。これをやる時は自分は疲れているという判断にしている。本日2回目のお湯張り時間を利用し今年の旅のことを綴ろう。

明日、暦の上では立冬。薄々気づいてはいたが、あいつが現れるのも時間の問題か、冬将軍。寒いのは苦手なのだ。なぜならば冷え性だから。時代は平成だが平気でしもやけになる。しもやけがつらくてある年病院に行くと医者に「昭和かよ」と言われたことをいまだに根に持っている。末端まで血が通わないのが幼い頃からの悩みである。

東京を離れ日本脱出。出来れば島へ。そう決めたのは梅雨の終わりだった。夏休みはシルバーウィークも通り越した9月末からとることになった。

ずっと行きたかったのだ。アジアのもうひとつの島国、台湾へ。圧倒的漢字大国。今ならデタラメ台湾語でタモさんと四カ国語麻雀をやれるかもしれない。台湾語っぽく話すコツを覚えたのだ。披露する場がないからもうダメになってるかもしれないけれど。

9月に入り、日本は肌寒くなっていたから、台湾の湿度と温度に舞い上がった。期待以上に夏。来た!わたしの夏!南国最高!なんか、街中にヤシの木みたいの生えてるし!

台北のオートバイの乗車率の高さには目を見張るものがあり、後ろを振り向いたらものすごい数の原付がこちらに向かってくるという何かのコントみたいだった。

あと、謎だったのが、なぜか街中でTシャツを鎖骨下くらいまでまくりあげている中年男性が続出していたことだった。そこまでするくらいなら、いっそTシャツを脱いだ方が潔いのではないのだろうかと思ったのだが、多少彼らにも恥じらいがあるのかもしれない。もはやこちらとしては目に入るものは一緒なのでどっちでもいいのだが往生際は悪い。というか出来ればTシャツを素直に着ていて欲しい。

信号の横にカウントがついていて、それは好感がもてた。時間が刻まれることに対して青側は焦るが、赤側のストレスは軽減される。南の国の人なのに全くせっかちである。
だからなのか車の運転が荒い。誰かとカーチェイスでもしているのかと思った。九份−台北間を乗り合いタクシーで移動したのだが、帰りが特にワイルドスピードで寝不足と車酔いをする体質も相まって終止白目だった。恐い、頼むからもう少し減速をと心で泣いていた。そして寝た。

台湾にハマる人の気持ちがよくわかる。
親日ということも大きく影響をしているかもしれないけれど人が優しいのだ。でも適度にぶっきらぼうで雑で人間的だ。街も洗練された部分とほこりをかぶった汚い部分が混ざり合い雑多で心地よい。

滞在はたった3日間だったけど、強く惹かれるものがあってまた行ってしまうんだと思う。




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