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第11回ナノ会議レポート studio tanbo 池畑善志郎

4/22に照明についてstudio tanbo 池畑善志郎さんをお招きしてにお話いただきました。私(三谷)個人が気になった箇所をレポートするため、かなり偏っています。

HP
studio tanbo

照明は建築を考える上では切っても切れなくて、特に私達で行うには検討が難しいなと思う分野です。照明計画、照明器具、照明の制御など多岐に渡る話を聞くことができました。それ以外にも舞台照明、TVのセットなど他にもいろんな分野にまたがりますが池畑さんは主に特注照明器具、景観/空間、制御の3つの領域。

照明の検討は難しく、模型やCGで検証しても当然実際との乖離はあり、経験と想像で補完せざるを得ません。専門家が如何にして検討をして決断しているのか、その辺りを少しでも学べたらというのが今回の主旨です。

序盤は照明の世界に入るまでの話。思いもよらぬところから照明の世界へ突入していくストーリーはとてもおもしろく聞くことができました。特に設計事務所に電話をかけまくり、仕事を探していた苦労話などは勇気付けられます。メールやSNSではなく電話なのが逃げられない感じで良いです。

ここから先は個人的に印象に残った内容で、自分の専門と照らし合わせたっ感想です。

・照明器具のスケール
どのようなスケールで思考されるのかについて。建築ではスケールを横断します。その時に必要とされる縮尺で行います。それを間違えると進みが悪かったりするので、慎重に行うべきだと心がけています。1/1では作れないので、適切スケールを考えるのは重要です。ただし追い込まれてくると、なかなかプロジェクトを俯瞰できなくなり、盲目的に無駄とも言えるスケールで検証していることは自身の経験からも多々あります。

照明器具の図面はA3にハマるように1/2や1/3など適宜変えている印象でしたが、図面の縮尺はあまり意味がないとのことでした。その寸法で検証を実際に行うことはなく、モックアップなどはやはり1/1での検証になります。ただし空間全体の把握などでは1/50の模型などでも試されるそうです。3Dプリンターでパーツをつくられるとのことで、そうなるとスケールを行き来するより、実寸で作ったほうが光やモノとしての確認は確実です。

・照明のルール
建築を考える時にはあらゆるルールがつきまといます。当然それらを守りつつ、どのように攻めていくかは常に試されています。ギリギリを狙うのか、前提を疑うのか、従順に進めるなど戦略は状況次第でいくつもありますが、照明の世界では「明るさ」のルールはほとんどなく、特に暗順応や明順応などの基準はないことを改めて認識しました。唯一あるのは労働基準法?。ある明るさで働く環境を用意するという基準です。
人によってもその感じ方は違いますし、天候にも左右されます。これは建築に置き換えると寸法なのかなと考えました。身体の大きさは当然違い、快適さの好みも異なります。ただし、法や経済合理性などで寸法は決まりがあります。些細な違いで空間の質は大きくかわるので、建築での寸法は非常にお大きな要素です。素材は風化や劣化していきますが、寸法の変化はゆっくりとしか動きはないはずです。そういう意味で寸法はより長く信頼がおけるものです。

レクチャーを聞いていただいた方にしかなかなか伝わらないと思いますが、前回よりアーカイブの公開もはじめました。ご興味のある方は下記リンクよりお申し込みください。有料ではありますが、一度お支払いいただくと、いつでも見られるようになります。

申込みリンク
https://buy.stripe.com/bIYcOZ0KL3j63hS147

そして、次回は5/27金にマーケター/you tuberのしばたまるをお招きします。

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