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経験=年数ではない と言いそびれた話

じゃあ経験はなんなのか?経験=データである。というような話をつらつら書いていきたいと思います。

先日、浅草にあるデザイナーのためのコミュニティバーFLATに行ってきました。
そこで声をかけてくれたデザイナーの学生さんにされた質問に、なんかうまく答えられず、根性論みたいに受け取られちゃったかもなぁと後日モヤモヤしたので、ちょっとここにまとめてみたいと思います。

質問してくれた学生さんの状況

・企業でwebデザイナーとしてインターンをしている
・デザインは大学にはいってから勉強
・社内のデザイナーの先輩は別の仕事を担当、彼にwebの仕事が任されている
・社内の先輩にレビューしてもらいつつではあるががっつりFBやアドバイスをもらえる環境ではない
・実際自分の制作物でリリースして数値検証もしている

その学生さんの悩み

その1
経験がないのに、普通に社員デザイナーとかわらない仕事内容をまかされているけど、自分が作ったもので本当に良いのだろうか。と言う気持ち。

その2
求められているものに対応しようとすると、自分が思っている以上に時間がかかってしまう。

学生さんからされた質問

制作に時間がかかりすぎてしまうから効率化のTips知りたい

この質問をされた時に、その学生さをの状況や悩みから察するに、効率化が本題ではないんじゃないかなと思いました。
その学生さんのモヤモヤは自分の経験のなさからくる不安であったりとか、時間がかかりすぎる事自体ではなく、そこからくる自信の持てなさだと思うんです。(自分も心当たりがありまくります!)

そこが解消されないと、たとえばがっつりアドバイスを受けれたとしても、納得感がなければその不安や自信が持てないみたいなモヤモヤは消えないんですよね。(経験談)

きっと、何が正解で何が間違ってるのかわからない。だからそれが知りたい。って言う状態なのかなあと。

私の解答

で、これに私は
いや、もうそういう風に不安やもどかしさを抱けてる時点で素晴らしいとおもいます!
あとはもう経験していくしかないと思う!

と感心と実感を込めて応えたのですが、、、

あんまりハマってなさそうな雰囲気だったのと、経験=年数で受け取られかねないなぁとあとから反省しまして。

ここで言いたかったのは経験=データであるという事

私は経験=年数ではなくデータだと思っています。私自身そう実感しています。
実際に世に出して、お客さんから得た反応や結果の事です。

自社サービスであればお客さんはユーザー、
受託であればまずクライアントの反応でもいいかもしれません。

そこから得た反応や結果が経験であり自分の中の確実なデータとなります。
だからちゃんと覚えておく事が大切。
(ちなみにダメな反応も大事なデータです!!)

データは思考や判断のための材料

実際の反応や結果ですから、その評価は揺るぎない事実です。
事実をもとに、思考して取捨選択するわけです。

データが増えれば、こういう時はあの時の方法があってるぞ、とか、この場合はあのデザインが合うな、とか自分で考え判断できるようになります。
仮説を立てられるようになる&精度が上がるわけです。
自分のデータの引き出しからストックを使うイメージですね。なので決定のスピードも自然と早くなるはず。

その学生の不安やもどかしさの大部分て、紐解けば結局このデータが少ないことからくる物だと思うのです。

結局は自分で考える事ができるか

先輩のアドバイスやレビューはたしかに道しるべになりますから、あったほうがいいかもしれません。
ないと不安なのもめちゃくちゃわかります。
わからないがわからない状態ですもんね、最初って。答えが欲しいですよね。

ただ、私たち先輩も結局はこれまでの実務経験から仮説をたてられるだけです。
そしてその仮説が、新人より精度が高いというだけ。

レビューやフィードバックの体制がしっかりあっても、それを自分の中で咀嚼して考えて次に活かさないと意味がないんです。
きっといい先輩は答えは教えてくれないはずです。
もし仮に答えを教えてくれる先輩で、さらにその教えに頼ってしまうと、それこそ年数を経ても自分からは何も生み出せない人になってしまいます。

特にデザイナーをやってて感じるのは、自分で考え抜いて提案しないと、そのアウトプットに責任がもてなくなります。
先輩がこうしろって言ったからやったのに結果出なかった。チッ。
こうなると本当に仕事がキツくなっちゃいます。

教えるという意味合いのレビューやフィードバックって信頼関係が出来てないと本当の意味で機能しないんですよね。

その学生さんのようにガンガン実務を任されているのなら、リリースして数値や反応(データ)を自分の中にストックして、考えて、次に活かすっていう繰り返しをしていけば、確実に血肉になりますよ!

不安やもどかしさを抱けてる時点で素晴らしい理由

自分の作ったものに、不安や自信のなさを感じている人は、ほっといても自分からその不安を解消するために情報をさがしたり、色々勉強したりしてカバーしようとするはずです。

この学生さんも、現にFLATに来て、積極的に声をかけて質問している時点で乗り越えようとしている。
自分で学びとろうとする力がある方なのです。

単純な制作時間の短縮であれば、そのバイタリティでもって本とかブログ記事とかググればいくらでも出てきますので、その学生さんのように学習意欲のある方ならあっという間に作業の効率化は身についちゃうと思います。
もちろんこういうわかりやすいTipsは先輩に聞いちゃうほうが早いかもしれませんね。

判断の効率化はデータ(経験)ありき

ただ、さっきも書いたように、この場合にはあのやり方とか、今回のケースはこうだからBの方がいいみたいな思考を伴う判断の速さはデータがなければできないですよね。
先輩のアドバイスでその判断をしたとしても、本当の意味で理解するまでには時間を要することの方が多いと思います。

あの時あの人が言ってたことってこれか!みたいなことありませんか?


その時は、なんとなく、先輩のアドバイスを聞いて、こういうときはこうするんだなってわかってたつもりでも、なかなか次に活かせないものです。
で、何年かたってふと、先輩が言っていたのはこれか!と気づいたりするもんなんです。

データをもとに判断するのはこれからは機械がやるんじゃないの?

そうだと思います。
でも、機械に提案されたアウトプットを活かすも殺すも人間次第です。
なぜそのアウトプットなのか、を結局は人間も考えなければ、本当の意味でデータを活かしきれないのではないでしょうか。

言われたことを何も考えずにさばくだけだとしたら。。。
それこそ本当に人間じゃなくていいし、世の中のビジネス全部当たることになるはず。

まとめ

・経験の浅さからくる不安や自信のなさは経験が解決する。
・その経験とは年数や時間ではなくデータである。
・そしてその実際の数値やユーザー反応というデータは次の判断のための思考材料。
・いいデータも悪いデータもどちらも大事な材料になる。
・自分で考え導ける人になろう。
おまけ
・ツールの効率的な使い方は調べたり先輩にどんどん聞いちゃおう

少しでも、不安を抱えている若きデザイナーのヒントになれば嬉しいです!


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