ごみ

床に落ちた、ゴミを拾う。拾ったゴミは、なぜか、ゴミではなく、ごみのように感じて、少し大切にしたくなったの、です。これが、いつかの私を、そして、いつかまだ見ぬあなたを、作り出す、ひとつの、かけらだとしたら、私は、そういうものを、もっと、大切に、抱えておきたいの、です。今まで、いくつの、いくにんの、どれだけの、ごみを、ゴミだと、思って、かけらさえも、拾わず、街中に、投げやりに、してしまったの、でしょうか。それらは、今ごろ、この街を、この色に、染めているのでしょうか。そして、できあがった街の、ここの、匂いが、この匂いなのだとしたら、私は、少し悲しく、少し大切に、少しだけ、大きく、息を吸いたくなる。全てのごみが、大きな、見ることすらできない大きな、枯れ葉と、金木犀の、かけらになるの、だとしたら、きっともっと私たちは、小さなものを、拾い集めて、かき集めて、そして、大きなものにするべきなのです。その大きなものは、あなたの、ごみを、いつか、作るのです。

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