みずびたし

私が壊した、フルートは、いつか誰かの、光になって、あの日のソの音、響かせるでしょう。壊すことは、作ることで、作ることは、生きることで、生きることは、酸素を吸うこと、酸素を吸うと、二酸化炭素を吐きます。誰かのための二酸化炭素が、どこかの誰かの息の根を止めたとしても、きっと気にもしないでしょう。気にもしないことが、いつかめぐって、木にもなったり、土になったり、そうやって回ってできた、このカレーは、いつもより水っぽい。なるべく私の周りには、冷たい水が流れていて欲しい、そして、太陽が照っても、蒸発せずに、第九の歌を歌いたい。その歌声を、燃料に、照らされた、出来合いの世界の中で、あるはずだった、いつかの舞台を、笑って迎える、誰かがいるけれど、どんな言葉にも、負けないほどの、甘い蜜柑を、与えてください。甘い蜜柑は、すっぱい蜜柑とは違います。甘い蜜柑を使えば、なにもなく、人は夜空を、散歩できるようになる。そんな夜空は、きっとすっぱい蜜柑で、水に満たされた、夜の光は、何もかもを覚えています。

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