ロッキング・オンが選ぶ「アルバム・オブ・ザ・イヤー2016」を予想してみる

 今年もこの季節がやってまいりました。いつの間にか音楽好きの間では年末の恒例行事となっていた、「今年のベスト・アルバム」。誰に頼まれたわけでもないのに、なんとなく自分の使っているメディアで「私は今年はこれが良かったと思うんだ!」とアピールする、傍から見れば自己顕示欲の地獄でもそれがどうした!ということで僕も考え中です。

 その前行事として、かれこれ5年くらい、もはや知っている人も少なくなってきた老舗音楽雑誌、ロッキング・オンの年間ベストの予想を行っています。過去には、リリース前で発売当時は誰一人として聴いていなかったColdplayの"A Head Full of Dreams"を2位に予想(実際は1位)したり、傑作揃いだった2013年にわざわざJake Buggを1位に選んだのを的中させたりと、悪意には定評があるみたいです。昨年の記事はこちらです。

 では前置きはこのくらいにして早速いってみましょう。これを読んでいる方も予想してみてください。僕が予想した、今年のロッキング・オン、アルバム・オブ・ザ・イヤーはこちらです。今年は過去最高難易度でした。

1. A Moon Shaped Pool / Radiohead

2. Black Star / David Bowie

3. Blue & Lonesome / The Rolling Stones

4. The Getaway / Red Hot Chili Peppers

5. Lemonade / Beyoncè

6. I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it / The 1975

7. The Colour in Anything / James Blake

8. Hopelessness / Anohni

9. The Life of Pablo / Kanye West

10. 22, A Million / Bon Iver

 いかがでしょうか。正直、今回ばかりは半分以上外してもおかしくないと思っています。理由は、2016年という過去に類を見ない年をロッキング・オンがどう読者に示すのかが全く予想出来ないから。

 2016年は、音楽が音楽性だけではなく、あらゆる社会の空気を内包しているということが前提になった年です。だからこそ、特に巨大な歪みを抱えているアメリカから、"Lemonade"が生まれました。それはいかに酸っぱいレモンを美味しくするのかが問われた一年だったとも言えるでしょう。

 今年の音楽シーンに関しては、この文脈を理解しているかしていないかで、かなり感覚が変わってきます。一応書いておくと、ブログやtwitterを見ると分かる通り、ロッキング・オンの各ライターの方々はこの文脈をしっかりと掴んでいます。でも、読者は必ずしもそうではない。今年の本誌を彩った表紙はこんな感じでした。

Coldplay/David Bowie(追悼)/フェス特集/Noel Gallagher(アーティストが語る「自分を変えた曲」特集)/Sex Pistols(パンク40周年特集)/Red Hot Chili Peppers/フェス特集/Paul McCartney/フェス特集/Pink Floyd(プログレ特集)/2000年代以降のモダン・ポップ特集/年間ベスト

 これは「2016年に発売される音楽メディア」としては正直辛い。Frank Oceanが入る余地が無い。でも、これが日本の洋楽シーンの現状でもある。正直、みんなそこまで興味が無い。では、そんな状況における「ロッキング・オンが選ぶ2016年のアルバム・オブ・ザ・イヤー」の意味って一体何なんだろうか?

 みたいな余計なことと、「やっぱロキノン=レディへっしょ!」、「どうせ去年のキースみたいに、ストーンズを上位に置くんだろう?『一見するとただのカバーアルバムだが、これは今のストーンズにしか成し得ない、凄まじいロックンロール・アルバムである』みたいなことを書くんだろう?」、「ロキノン、The 1975大好きだもんなー!あのアルバムは確かに良かったけどね!」、「絶対カニエに関しては音楽にはほとんど触れずに『生きているアルバム』的なことを書くって!」と楽しくリストを予想してみました。それでは本誌の発表を楽しみに待ちましょう。

 ・・・とはいえまだまだアメリカにいるので実は本誌をチェックするのは当分先だったりするんですけど。もしよかったら誰か教えて下さい。どのみち本誌は買うので。カレンダー欲しいし。今年もThe 1975のマシューの上裸がドーン!って出るんだろうなぁ...。


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ノイ村

26歳の会社員。趣味で音楽の事を書いてます。第一回「rockin'on presents ONGAKU-BUN 音楽文大賞」入賞。 連絡先 : neu_mura@outlook.com

音楽の話をしよう。軽めに。

最近では1分で読めなくなってきている音楽コラム。
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