SUMMER SONIC 2016 傾向と対策 DAY-1

 「自分ならこう観る」+「初参加の方へのアドバイス」シリーズ。今年で三年目です。まずは初日から。大阪の人は逆に見てね!

○水曜日のカンパネラ [MARINE 11:00-11:30]

 昨年はRAINBOW STAGEのオープニングアクトとして登場した彼女達が、大ブレイクの勢いに乗って一気に35,000キャパのマリンへ。実はこの日の出演者の中ではヘッドライナーのUnderworldに最も音楽性が近いような気もする。SXSWでのボールを筆頭に使える道具は全て使いながら、徹底的に観客を振り回すライブはこの規模でも通用するのか。きっと朝イチからインパクト大のステージを観られるはず!

○Pvris [SONIC 12:30-13:10]

 サマソニ恒例の期待の新人枠が集結する午前中の幕張メッセ。今年は、初日の裏テーマとも言える「ゼロ年代サマソニの特徴でもあった、ラウド・パンク路線への回帰」が顕著に現れたラインナップで、2012年にアメリカで結成されたPvrisもその中の一組。既にONE OK ROCKやAll Time Lowと一緒に日本ツアーを行い、日本での地盤も固めつつある彼女達。その特徴はなんといってもゴリゴリのメタルコアを振り回す凶暴さと、シンセの使い方やボーカルの声質に見られる繊細さのバランス感覚。

○Tonight Alive [SONIC 13:40-14:20]

 Pvrisに続くTonight Aliveもまた、強い存在感を放つ女性ボーカルを中心に据えたラウド・ロックバンド。Pvrisと比較すると、ボーカル・ジェナの持つカリスマ性と、巨大な会場を貫く広大なスケール感を持った大きなメロディが彼女達の武器なのではないかと思う。日本語バージョンの楽曲まで用意している日本好きっぷりも含めて、ゼロ年代のエモ全盛期を思い出す。つまり、楽曲を覚えて、モッシュピットで暴れ回りながら大合唱ですよ。超楽しいに決まってるじゃないですか。

○Digitalism [MOUNTAIN 14:20-15:05]

 以前EDMを遡った記事でも紹介した、2007年のニューレイヴ期に多くの若者を踊らせたDigitalismが何とサマソニに帰還。巨大な会場が前提とも言えるEDMが猛威を振るう2016年に、彼らの真面目でストイックなロック×エレクトロ・サウンドがどこまで通用するかは分からない。でも、個人的に彼らの楽曲(特にPogo)を当時聴きまくっていたので、これはもう行くしかない。そして、とにかく踊りたいっていう人も是非!多分空いてるから踊るスペースが沢山あるぞ!

○Weezer [MARINE 15:20-16:10]

 この時間にMARINEに行く人は、とりあえず「Buddy Holly」と「Perfect Situation」と「Island the Sun」を覚えておくと泣きながら合唱するお兄さん達と気持ちを分かち合えるはず。このライブ映像を見て分かる通り、その辺の弱っちい大学生みたいな格好のままラウド・パンクの歴史に名を残してしまった彼ら。新作「Weezer (White Album)」はこれほど夏が似合うアルバムもなかなか無いだろうという快作なので、是非太陽の下で聴きたい!

○Panic! at the Disco [MOUNTAIN 16:55-17:55]

 知らない人にとってはどうでもいいと思うけれど、エモ全盛の2006年くらいの頃にはMy Chemical RomanceとFall Out BoyとPanic! at the Discoが御三家みたいに扱われていて、僕を含めた多くの若者が彼らに憧れていた。P!ATDはその中でも演技がかった激情メロディック・パンクで人気を博していたのだけど、メンバーが次々と抜けて、今ではボーカル一人だけ。マイケミは解散し、FOBはロックバンドとして頂点に立っていた。それでも彼は粘り続け、ついに今年リリースの5作目で米国チャート1位に到達した。そんな彼が2011年以来5年ぶりに帰還!!

○Alesso [MARINE 18:10-19:10]

 誰もが認める通り、去年のサマソニの主役はZeddだった。ポップ好きも、ロック好きも、勿論EDM好きもまとめて、強靭なシンセとビートで踊り狂わせ、あの瞬間に確実に日本のEDMに対する姿勢が変わった。そして2016年、そのポジションに一番近いのは誰かと考えた時に、僕はAlessoだと思う。音楽性はZedd同様にシンセリフ主体のプログレッシブ/エレクトロ・ハウス。ただ、Zeddがド派手な非日常を作り上げるのと比べると、Alessoはどこか生活に寄り添った優しさを感じさせる。だからこそ、彼の楽曲やDJセットはより感情を増幅させてくれるし、それは自分だけではないと信じたい。

 正直なところ、「日本でEDMが流行している、パリピがEDMに夢中になっている」という話は色々なところで耳にするけれど、本当かな?と思ってしまう。それは三代目 J Soul Brothersを筆頭としたLDHの流行であったり、ひたすらインスタグラムに適しているド派手なULTRAのステージだったり、あるいは「有名なDJを観に来たという事実」のアピールだったり、少なくとも主役は"私"だ。例えば、シンセが鳴らすド派手で綺麗なメロディが会場全体を貫いた時の高揚感だったり、強靭なビートが鳩尾に突き刺さった時の興奮だったり、そういう瞬間に夢中になっている人って、実はそんなに多くないんじゃないかなと意地悪な考えを抱いてしまう事もある。だからこそ、サマソニのような多くの人々が一同に介する空間で、Alessoのようなアクトがヘッドライナー前に登場することは凄く重要な事だと思う。

 とはいえ、会場ではそんな事を考えずに楽しく踊りましょう!

○The Chainsmokers [BEACH 19:00-20:00]

 一方でシンプルに、今のEDMシーンで一番旬なアクトは誰だろうかと考えるとそれは間違いなくThe Chainsmokers。ZeddやAviciiでさえ1曲しかビルボードTOP10ヒットは生み出していないのに、彼らは今年だけでなんと3曲も送り込んでいる。彼らのサウンドを一言で説明するのは難しくて、何せトラップからプログレッシブ・ハウスにエレクトロ・ポップまで節操が無い。そして彼らのDJセットもまた、鮮やかに静と動を使い分け、そこらのブチ上げ一辺倒のDJとは違った展開の面白さを感じる事も出来る。だからこそピークタイムのアゲっぷりは格別で、踊りたいのであれば、これほどふさわしいトリはいないはず!Underworldも素晴らしいけどな!!

○At the Drive-In [SONIC 20:10-21:20]

 まずはこちらをご覧下さい。これは彼らの全盛期である2001年のライブ映像です。

 やたらと動くアフロ(ボーカル:セドリック、ギター:オマー)が合計二匹確認出来たと思います。今の映像を見てドン引きした人はSONIC STAGEに来る必要はありません。むしろ来ないで下さい。ここから先の長い文章も飛ばして下さい。「すげぇ!!かっけぇ!!!」と思った方は是非来てください。あなたは仲間です。

 真面目に説明すると、At the Drive-Inはアメリカを中心に主に90年代に活躍したポスト・ハードコアバンドで、サマソニ初年度にも出演しています。見たら一発で分かりますが、「こいつら止まったら死ぬんだろうな」と思わせる激情っぷりで人気を博しました。日本では童貞で有名です。バンドは知らなくても、「ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!!」は知っている人も多いのではないでしょうか。

 そんな彼らはアフロとアフロじゃない方に分かれて解散。アフロ組のThe Mars Voltaはゼロ年代屈指の変態性を誇る超絶プログレッシブ・ロックバンドへと変貌を遂げ、一部の愛好家から熱烈な支持を受けました。サマソニにも何度か来日しており、2011年のSONIC STAGEヘッドライナーとしてのライブは僕も足を運んだものです。アフロじゃない方はSpartaというバンドで精力的に活動。とはいってもThe Mars Voltaとの距離は広がるばかりでした。

 そんな2012年、At the Drive-Inがまさかの再結成。多くの音楽ファンが当時を懐かしみ、あの興奮を是非味わってみたいと思い、ライブを観に行きました。日本での高い人気を証明するように、同年のフジロックではRadioheadの裏でWHITE STAGEのヘッドライナーとして久しぶりの来日を実現。そんな彼らの当時のライブ映像がこちら。

 これほどガッカリな再結成はありません。何せオマーのモチベーションが皆無。まるで寝起きかのような振る舞いに僕はとても失望してしまい、フジロックに行く事はありませんでした。その後、なんとThe Mars Voltaも解散してしまいました。どうやらセドリックとオマーが険悪になった様子。

 しかし、その後、結局アフロ組がAntemasqueという新バンドを結成し、「アルバム発表→2014サマソニで来日」という展開へ。僕も観に行きましたが、ATDIのパンク性とMars Voltaの変態性が相まった、凄まじい演奏を味わう事が出来ました。個人的には大ファンのArctic Monkeysよりも圧倒的なライブを見てしまい、複雑な気分になったものです。このままAntemasqueとして活動は続くのでしょう。

 しかし2016年、まさかのATDI二度目の復活。ファンの誰もが「前みたいなのは見たくない」と思っていましたが、

 オマー先生復活!!!!!というわけで僕はThe Mars VoltaとAntemasqueに続き、ATDIを観る事でアフロをコンプリートしたいと思います。あと、真面目な話をすると、個人的にバンドでギターを弾いているんですけど、一番影響を受けたプレイヤーがATDI期のオマーでした。しっかりと見届けたいと思います。

 普通の人は、テクノ/ダンス好き=アンダワ、ラウド/ロック好き=オフスプ、全員=上原ひろみで大満足だと思います。


[サマソニ初参加の人へのアドバイス]

・2日通し券の方は、最初にマリンスタジアムへ移動する必要があります。思いのほか歩くので、幕張メッセのオープニングアクトを見たい方は早めに移動しましょう。

・マリンスタジアム⇔幕張メッセの移動には常時運行しているシャトルバスが便利ですが、遅い時間になるにつれて移動量が多くなるので、30分程早めに行動する方が悲劇を生まなくてすみます。

・フェス飯にはあまり期待しないでください。

・MARINE STAGEのアリーナに持ち込めるのは水のみ。スポーツドリンク等は持ち込めないので、こっそり塩タブレット等を持ち込んで塩分を補給しましょう。

・BEACH STAGEはその名の通り地面が砂場なので、普通の靴だとガンガン砂が入ります。サンダルがベスト!

・間違ってもヒールなんか履いてこないで下さい。特にラウド系/ダンス系の多い初日は人と常時ぶつかる状態になるので、なるべく周りにストレスのかからない格好で行きましょう。リュックも案外邪魔です。

・グッズ販売は初日は1時間、2日目は2時間かかると思って早めに並びましょう。

・人気のアクトの時にはギュウギュウ詰めになってしまうかもしれませんが、実は後ろの方に下がってみると人口密度が下がったり、視界が広くて見やすくなったりします。下がるという勇気を持ちましょう!

・ステージ前方は実はT字型の柵が用意されており、前方に行きたい場合は一度横に抜ける必要があります。それを知らずに前方に猛プッシュすると、柵の前の方が圧迫してとても苦しい思いをするので気をつけて下さい。明日は我が身です。

・MARINE STAGEでは最後のアクト終了後は規制退場となります。また、海浜幕張駅は壮絶な混み具合を見せてくれます。終電を逃す事のないように気をつけましょう。

・お目当てのアクトを観るために、少し前から場所を確保する行為自体は悪い事ではありません。僕もやります。ただ、他のライブを観る時に全然興味を示さなかったり、そのアクトのファンの動きにイライラすると、お目当てのミュージシャンのイメージが下がってしまうことがあります。これを「ミスチル地蔵状態」と呼びます。絶対にやめましょう。前方にいていいのは、その時間を楽しめる人だけです!

・とにかく、自分の健康を第一に、周りのお客さんの健康を第二に楽しみましょう!!

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ノイ村

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