Five or Thirty Seconds. -手は洗った方がいい-

 今回ほとんど音楽と関係ないです。

 前に書いたように、N村は現在アメリカ・ニューヨーク(の田舎)に住んでおりまして、呑気に大学で研究活動を行っております。ちなみに最近やたらとnoteの更新頻度が高いのは、noteを書いてからの方が研究が捗る事に気付いたからです。

 海外に住むと、当然のように日本とのギャップに悩まされる瞬間は多く、分かりやすい例で言えば、風呂が無くてシャワーだけだったり、レストランで食べるお米が美味しくなかったり、いくらチップを払えばいいのか分からなかったり、ホテルに泊まった時の隣人カップルのアグレッシブさに辟易したりします。とはいえ、この辺りは「郷に入りては郷に従え」をお互いに分かっているのか、単純に観光客慣れしているのか、案外分かってもらえたりします(最後を除いて)。

 問題は、日本でも何気なく行っている動作です。有名なのは「手招き」のジェスチャーでしょうか。「こっちにおいで」の意味で手をクイックイッとすると、実はアメリカでは「あっち行け!」の意味になってしまいます。ただ、これは結果が見えるから分かりやすいし、後で説明出来ます。

 今回取り上げるのは、ただ単にうわぁ...と思われて終わるパターン。その一つがタイトルにもある「手洗い」です。

 さて、トイレから出る時ってどれくらい手を洗いますか?あと、蛇口の横にある石鹸って使いますか?

 かなり恥ずかしいですが、僕の場合は数秒程度でした。もはや「手洗い」というより「手濡らし」で、石鹸は全く使っていませんでした。大体あの石鹸自体がなんか汚そうじゃないですか。ヌルヌルしてるし...。

 自ら不潔アピールするようで何だかアレですが(どちらかと言うとキレイ好きだし掃除機とかはこまめにかけてますよ!)、僕の身の回りや外のトイレで見る人でも、せいぜい長くて10秒程度で、石鹸を使うシーンは滅多に見ません。たまに洗わない人もいます。「そんなやつ見たことない」と言われたらそれまでですが...。

 アメリカに来て思うのは、大学内のトイレでも、公衆トイレでも、とにかくみんな手を洗う時間が長いんですよ。短くても30秒で、長くて1分以上。ほとんどの人が石鹸を使っているし、乾燥機や拭き紙も丁寧に使って、完璧に乾かしている。それはつまり、「ちゃんと手を綺麗にする」事が普通ということで、そうしないことは不潔だということになる。

 僕はしばらくそれに気づかなかったんですね。僕が最初にアメリカに来た時、普段通りパパっと手洗いを済ませてしまった時、たまたまそれを見ていた他の人が怪訝な顔をしていたのを今でも覚えています。今ではしっかり手を洗うようにしていますが、内心では「めんどいなぁ」と思ったりしてしまう事もあります。

 ただ、これはもしかしたら、ある程度アメリカの生活に慣れたからこその話なのかもしれない。そう思ったのは、先日、ニューヨークで開催された、とあるミュージシャンのコンサートに足を運んだ時の事でした。

 会場には現地の人々だけではなく、そこそこ多くの日本人が集まっていました。そして開演前、「ビールも飲んじゃったし、ライブ中に行きたくなったら嫌だから先に行っておこう」と思ってトイレに足を運びました。そして用を済ませて手を洗おうとした時、こんな状況に出くわしたんですね。

 日本人が、さっき書いたように「手濡らし」で数秒でトイレを後にして、それに気付いて凄く怪訝な顔をする、石鹸を使って丁寧に手を洗う現地の人。

 「あっ、これ良くないな」と思ってしまいました。多分日本人のファンの方は、開演前で少し焦ってはいたかもしれないけれど、普段通りに手を洗っただけなんです。でも現地の人からすると、「なんて不潔なんだ」と思われてしまう。そして、そういうちょっとした事が、思わぬ誤解を招きかねない。知人ではなくて、他人だからこそ、「○○さん」ではなくて「日本人」や「○○のファン」のような大きな枠で捉えられてしまう。

 大きな枠で考えるのは楽だけど、それは悪い結果に繋がってしまうことも多くて、ここ最近もそういう話題を耳にする事が多い。それはまぁしょうがない事なので、常に周りを見る事も大事なのかなぁとぼんやり考えたり。でも、それって凄く日本人的な「個より集団」みたいな考え方じゃない?多様性も大事じゃない?と考えたり、色々面倒になってきたけれど、そもそも「手はよく洗わないより、よく洗った方がキレイで素敵」なのは当たり前なので、みなさん手はよく洗いましょう。僕も気をつけます。って事で終わります。

Blood On Me / Sampha

 本文と1mmも関係ありませんが、最近のお気に入りです。イギリスのシンガー&プロデューサー、Samphaの新曲。Kanye WestやChance the Rapper、Frank OceanにJames Blakeらが中心となって醸し出す2016年のムード。まるで空気のように浸透していく的な。あと、一応ミュージシャン名は伏せましたが、ライブもファンも本当に素晴らしかったことを強く強く示しておきます。あくまで、普段の何気ない動作から誤解が起きるかもねっていう散文です。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

4

ノイ村

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。