マイクロバイオームを使って放射線被曝から身を守る

https://www.umassmed.edu/news/news-archives/2023/06/using-the-microbiome-to-protect-against-radiation-exposure/

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放射線被曝から身を守るためにマイクロバイオームを利用する
UMassチャン・マイクロバイオーム・ダイナミクス・プログラムが、高レベル放射線被曝後の恒常性を維持する腸内細菌を探索する300万ドルのNIHプロジェクトをコーディネートする。
ジム・フェッセンデン 記
2023年6月27日
大腸の一部分の断面から、腸壁の内側の表面にいる微生物（赤）がわかる。
ベス・マコーミック博士とヴァンニ・ブッチ博士は、放射線被曝と全身照射の影響に対抗するために腸内マイクロバイオームを工学的に研究する300万ドルの取り組みのリーダーとして、国立アレルギー・感染症研究所（NIAID）の放射線・核対策プログラムに選ばれた。このプロジェクトは、NIAIDによって資金提供の対象に選ばれた4つのうちの1つである。
「腸内細菌叢は、生物の体内ツールキットを表しています」と、ウスター生物医学研究財団チェアーII、副チェアー兼微生物学・生理学システム教授で、マイクロバイオーム・ダイナミクス・プログラムのディレクターであるマコーミック博士は語った。「これらの細菌は健康全般に重要な役割を果たしているため、私たちは腸の完全性を促進するのに役立つ細菌を特定するつもりです。次世代プロバイオティクスの投与や、特定の食事、栄養素、代謝産物の使用によって腸内環境を操作し、これらの生物を豊富にすることで、放射線被曝に対する防御を提供したいと考えています。"
ベス・マコーミック博士
このプロジェクトは、NIAID放射線・核対策プログラムからの依頼の一部であり、体内に常在するマイクロバイオームの存在が、放射線や核事故の際に受ける放射線障害の重篤度にどのような影響を及ぼすかを探るものである。その目的は、マイクロバイオームそのものを利用して、放射線障害を治療するためにマイクロバイオームを標的とした医療対策を開発することである。
身体が高濃度の放射線に曝された場合、最初に損傷を受けたり破壊されたりするのは腸の上皮細胞である。マコーミック氏によれば、上皮細胞が死滅すると、腸と体内の他の部分との間のバリアが弱くなり、「漏出」状態になるという。通常なら腸の外にいるはずの細菌が消化管に入り込み、そこで増殖し、血液に感染して敗血症を引き起こす。放射線被曝者のほとんどは、この感染症で命を落とす。
従来、放射線からの防護は、技師がX線撮影の際に着用する鉛のエプロンのような、身体を保護する物理的なバリアによって達成されてきた。「私たちがやりたいことは、消化管と体の他の部分との間の内部バリアを維持し、強化するのに役立つ腸内細菌叢の生物を同定し、促進できるかどうかを確認することです」とマコーミック氏は言う。「上皮細胞の回復力を高め、死滅しないようにすることができれば、放射線による細菌の移行や感染を予防できる可能性があります」。
最近のゲノム配列決定の進歩と、これらの実験によって得られた膨大で複雑なデータセットの解析を可能にするコンピューターパワーの向上は、ヒトのマイクロバイオームに関する科学者の知識を大幅に増加させている。「マイクロバイオーム内の様々な生物、それらがどのように増殖し、何をするのかをより深く理解することができるようになったため、健康と腸の完全性を維持する特定の細菌を選択的に促進することができるバイオ製品を開発できる可能性があります」と微生物学・生理学系准教授のブッチ博士は語った。
ヴァンニ・ブッチ博士
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