パキスタンの地形は、海抜ゼロメートルの砂漠から、世界で２番目に高い標高 8,611 メートルあるＫ２の頂上まで多岐にわたり、この国の気候条件は非常に幅広いのが特徴的です。訪れるのに最適な時期は、極北の雪山の風景に惹かれるか、それとも南の低地のモスク、バザール、遺跡に惹かれるかによって大きく異なります。

今回の記事では、３月中旬から４月中旬の春にかけて訪れたい、パキスタンの渓谷を紹介します。

雪解けが始まる春は、パキスタン北部の渓谷に美しい花が咲く時期です。体を動かすハイキングよりも、ゆっくりと山を眺めることのほうが好きであれば、フンザ渓谷、スワート渓谷、チトラル渓谷の春は最高に美しい季節です。その中でもとくに「隠された楽園」とも言われるフンザを紹介します。

冬の凍てついた氷の世界が終わりに近づくと、ピンクや白色の様々な花が渓谷を覆い、フンザは色鮮やかに冬の眠りから目覚めます。雪を頂いた山々と真っ青な青空を背景に、桜、リンゴ、アーモンド、アプリコットの花が咲き誇る光景は、静けさと不思議な感覚を呼び起こし、まさに魅惑的です。この自然の光景を一目見ようと世界中から観光客が集まります。

桜の花びらに続いて、アプリコットの木が一斉に咲き誇り、風景を柔らかな黄色とオレンジの色合いで染め上げます。ただし、４月半ばを過ぎるとパキスタンでは一年で最も暑い季節が始まるため、旅行を計画する際には注意が必要です。

フンザの春は、雪と氷が溶け始める時期でもあり、無数の滝が山腹を流れ落ちます。これらの透き通った水の流れは、フンザの春に交響的なサウンドトラックを加え、大地に生命と活力の源を与えます。

カラコルム山脈の中心にあるフンザ渓谷に、色鮮やかな花々が咲き、雪解け水が流れ、活気に満ちた楽園に変わります。外国旅行の目的地で悩んでましたら、この春にぜひ、パキスタンのフンザを候補のひとつにしてください。フンザの春を満喫し、パキスタンの「隠された楽園」で大自然を体験してみてください。