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ファイサラーバード

ファイサラーバードは、パンジャーブ州最大の産業の中心地で、カラチとラホールに次いでパキスタンで3番目に人口の多い大都市です。パキスタンのGDP20%以上を生産する事から「パキスタンのマンチェスター」と呼ばれています。主な産業は綿や小麦の第一次産業ですが、砂糖や小麦粉の精製工場、綿や絹の繊維工場の第二次産業も盛んです。

ファイサラーバード出身の有名人には、カッワーリー歌手のヌスラト・ファテー・アリー・ハーン、その甥のラハット・ファテー・アリー・ハーンがいます。他にも、多くの歌手や詩人も輩出されています。

英領インド時代、ファイサラーバードは、当時のパンジャーブ州知事ライアル中尉に因んで付けられたライアルプール(サンスクリット語でライアル卿の街)と呼ばれていましたが、1970年代後半、サウジアラビアのファイサル王に因んで付けられたにファイサラーバード(ウルドゥー語でファイサルの街)に改名されました。ファイサル王はパキスタン建国に経済援助を提供した王様です。

ファイサル王
ライアル卿の記念碑

英領インド時代、植民地司令官はユニオンジャックを模して、街の中心の時計塔から8本の道路が延びる構造を計画しました。8本の道路はそれぞれ異なるバザールへと伸びています。

ファイサラーバードには、その歴史と文化を強調するランドマークや観光スポットがいくつかあります。街のシンボルとして立つ時計塔、建国の父に捧げられたジンナーガーデンズ、国内外のさまざまな試合が開催されるイクバルスタジアム、一流の社交クラブであるチェナブクラブが有名です。

時計塔
チェナブクラブ

ファイサラーバードでは、春の到来とともに「ラング・エ・バハル」という祭りや、色とりどりの凧揚げを伴う「バサント」の祭り、また、市内の主要な運河がイルミネーションで装飾される「運河祭り」があります。その他、イスラム教徒の祭り、「イード・アル・フィトル」や「イード・アル・アドハー」など、年間を通じてさまざまなイベントが開催されます。

バサントの祭り
運河祭り

ファイサラーバードの食文化は、パンジャーブ料理、ムガル料理、アングロ・インド料理を組み合わせたものです。バザールの屋台では、ダヒバーレ (ヨーグルトに漬けた食べもの)、ゴルガッパ(油で揚げた皮に野菜を詰めたもの)、野菜または鶏肉のパコラ(天ぷら)などが有名です。 とくに、ムルグプラオ(鶏肉のピラフ)が名物料理となっています。

ダヒバーレ
ゴルガッパ
ムルグプラオ

ファイサラーバードの朝ごはんは、ハルワプーリー、ひよこ豆のカレー、ラッシーがよく食べられます。寒い冬には、ログニナーンとパーヤ(羊の足のカレー)が食べられます。

ハルワプーリとひよこ豆のカレー
ログニナーン

ファイサラーバードは、豊かな歴史と活気に満ちた文化を持つ繁栄した都市です。産業と繊維の中心地としての経済的重要性により、パキスタン経済において重要な位置を占めています。多様な人口、文化や祭、歴史的建造物により、ファイサラーバードは居住者と観光客の両方にとって探索する価値のある都市となっています。