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パキスタン女性医師の活躍

現在、パキスタンでは、医師登録している医師全体の5割を女性が占めていますが、実際に現場で活躍している女性医師はその5割です。この記事ではパキスタンにおける女性医師の離職理由と、女性医師を医療現場に惹き付け定着させる方策について説明します。

なぜ女性医師は辞めてしまうのか?

パキスタンでは、結婚後に離職する女性医師、いわゆる「ドクター花嫁」が数万人いると言われています。現在、パキスタンの医科大学では学生の8割が女性ですが、卒業後に医師として勤務する女性は5割以下に減ります。この離職率の原因は、ほとんどの女性がキャリアのためではなく、条件の良い結婚相手を見つけるために、もしくは結婚後に何か問題が起こった場合のセーフティーネットとして、”両親の希望により”医学部に進学するからです。

結婚かキャリアか

パキスタンは医師の数が圧倒的に少ないことが社会問題となっています。この国では女性医師が医療に従事できないことが全体的な医師不足の原因のひとつであるとされています。

しかし、現代の技術的進歩のおかげで、スタートアップ企業によって開発されたオンライン診療のプラットフォームにより、女性医師が自宅から患者に医療サービスを提供できるようになり、優秀な女性医師たちが在宅勤務により職場に復帰できるようになりました。

オンライン診療

女性医師が自宅で仕事をするために必要なのは、パソコンとインターネット接続だけです。育児や家事に忙しくても、女性医師は自宅で仕事をすることができます。オンライン診療で、各患者には10分程度の時間が割り当てられ、その後、処方箋が出されます。オンライン診療で治療できない患者には病院への紹介状が出されます。

このオンライン診療にはもうひとつの大きな利点があります。パキスタンでは一般的に特に田舎では、女性患者は男性の親族に付き添ってもらい病院に行かねばなりません。多くの女性患者が医療サービスを受けることをためらっており、治療が手遅れになることがよくあります。しかし、このようなオンライン診療のおかげで、田舎に住む女性患者たちも、低料金かつ容易に医療サービスにアクセスできようになりました。

ドクター花嫁

女性医師の離職率の高さはパキスタンだけの問題ではありません。日本の医療現場も同じような問題を抱えています。結婚、出産、子育てなどの理由でキャリアを諦めたくない女性医師にとって、柔軟な働き方の選択肢、ワークライフバランスが必要だと言えるでしょう。

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