新人VTuberの名梨ナイです。
ふだんは旅みたいな事をしています。

人を傷つける言葉って難しい、とわたしは思った。

だって、犬の話をしたら、目の前の人が泣き出しちゃったから。
道を歩く犬が可愛かった、は目の前の人にはとても辛いことを思い出させる話だったらしい、だから、難しいと思った。

人って何が悲しいか全然わからない。

だから、天気の話とかしちゃう。
でもそれも、駄目だったりして。

わたしも、なんとなくある。
ふつうに話してる人の言葉で、傷ついちゃうこと。なんて言うのかな、なんなんだろうね。
ああ言うとき、悲しいを上手く伝えられない。
笑って誤魔化しちゃう。それで言い訳する。

みんなもたぶんそうで、わたしもたぶん、悲しい思いをさせていることは、０ではない、と思う。

だから、なくせやなんかしない。
でも思うんだけど、なくせるものもちゃんとあったりする。

お友達が美容室を教えてくれた。
わたしの所持金でも行けそうな感じ、わくわくしながら行ったら、店長さんが綺麗に髪を切ってくれた。

そこまでは良かったんだけど、なんと、店長さんはわたしのお友達を「気持ち悪いですよね」と笑った。

お友達は、かっこいい男の子達が好きな子だった、店長さん曰く、それは気持ち悪いんだそうだ。わたしは驚いた、常連で、しかもわたしを紹介までしてくれたとても良いお客さんに、そんな事言うから。
その後、ここで働く他の美容師さんも同じものが好きで気持ち悪いんですよ、と笑った。

わたしは「もう来ないから、スタンプカードは入りません」と断って帰った。髪はすっきりしたけど、心はモヤモヤした。

店長さんはスタンプカードを断られると思っていなかったらしくて、もじもじしていた。
もじもじするなら、言わなきゃ良かったのに、と思った。

「何でですか？」って聴かれたから「髪はとても綺麗にしてもらえました、でも、わたしのお友達を気持ち悪いって言ったでしょう」って言うしかなかった。
そんなこと言わせないで欲しかった。

店長さんは楽しそうに「気持ち悪い」を使っていた、本当に楽しそうだった。

自分が楽しくても、言われた人は楽しくない。
結構たくさんある。

わたし、言っちゃってるかもしれない。

2022年1月19日
名梨ナイ