DOKKA-NO-MAGAZINE

16
ノート

忍者、事務職はじめました<登場人物>

ハヤクジ カゲオ

主人公。独暇流忍者。忍者の里を出て、事務職員として一人前になろうと日々努力している。

社長さん

フリータイムアローン株式会社を経営。本名はシャ・チョウ。社員からはしょっちゅう注意されているが慕われている。コミュニケーション能力は異常に高い。

ウカミ ヒロシ

営業職。いかにもデキる営業マン。爽やかな笑みが似合うイケメンで一番の年下。いつも出社が早い。NicePicksとい

もっとみる

忍者、事務職はじめました<全編>

私は今、とある会社で社会人として働きながら、独りで生活しています。

事務職なので、それほど給料が高いわけではないけれど、生活に困ることもありません。

社内での評判もよく、仕事自体にも満足しています。

プライベートでも、自分のやりたいことに挑戦し続けています。

むしろ、やりたいことが多すぎて困っているくらいです。

そんな私には、みんなへ内緒にしていることがあるんです。

実は私、忍者なんで

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.12 最終回

「おはようございます、社長さん」

「・・・」

「あ、おはようございます、社長さん・・・?」

「えぇと、君は、どなたでしょうか?」

「え?私ですよ、ハヤクジですよ!」

「・・・!?え?ちょっと待って、君、ハヤクジさん?」

「はい、そうに決まっているじゃないですか」

「だって君、2年半前に突然無断欠勤になったから、もう解雇してますよ」

「え?カイコってどういう意味ですか?」

「単刀直

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.11

社長さんをタクシーに乗せ、帰宅させた我々は、店で飲み直すこととなりました。

社長さんは明日、出勤できるのだろうか?と心配はしていましたが、皆さんとの楽しい時間を優先しました。

「ハヤクジさんって、お酒に強いですね」

「いや、皆さんもお強いと思いますよ」

「まぁ、私達はほら、営業だから、接待で飲む機会が多いのよ」

「シックがウォーリーだけどね」

「カマイさんは、一度倒れてますからねぇ、飲

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.10

「かんぱーい!」

「いやいや社長、ソーファストですね」

「どうしました、カマイさん」

「社長、カマイさんが言いたいのは、せめて歓迎の挨拶をしてからの乾杯じゃないんでしょうか、ということだと思います」

「ザッツライトだよ、ウカミくん」

「歓迎の意を込めた挨拶らったんれすけろねぇ~」

「え?社長、もう酔っちゃったの?」

「そういえば、社長がお酒を飲んだの、見たことがないですよ」

「ハン

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.9

「あのさぁ、ウカミさぁ、何かさぁ、フォーゲットしてない?」

「え?どうしたんですか、カマイさん」

「そうね、カマイさんの会話から始まるのって、珍しいわよね」

「いや、オンミツさん、そういうことじゃなくて」

「カマイさん、何を忘れているか、わからないのですか?」

「そうだね、ミスターカゲ。わからないから、フォーゲットなんだよね」

チグハグな会話にも、ようやく慣れてきました。

というか、

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.8

社長さんが出張から帰ってきたその日、私は久々に出勤しました。

「ハヤクジさん、おはようございます」

「あ、社長さん、あ、シャ社長、チョウさん」

「先ほど、ウカミさんから聞きました。まだ体調が悪いのですか?」

「あ、いいえ大丈夫です。体調というか、メンタル的な部分といいますか」

「それは大変です!入社早々、頑張りすぎてしまったからではありませんか?」

「そういうことではないのですが、今日

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.7

次の日から、世間ではゴールデンウィークというものに突入していました。

今年は、日にちの関係から、ほぼ全ての企業が9連休を取得していました。

私は、9日間全て出勤し、誰も来ないのに入り口で8時間待ち、退勤するということに使いました。

なぜなら、ゴールデンウィークというものが何か、その時には知る由もなかったからです。

10日後、いつも通り出勤すると、珍しく社長さんが仕事をしていました。

「社

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.6

「それではみなさん、改めまして、おはようございます」

「おはようございます」

「本当は昨日からでしたが、今日から一緒にこの会社で働くことになりました、ハヤクジさんです」

「みなさん、よろしくお願いします」

「社長、たぶんみんな、結構ハヤクジさんのこと知ってますよ」

「そうよね、出勤してから結構いろんな会話したもんね」

「オイラはあまりトークしてないけどな」

「まぁ、カマイさんは、どう

もっとみる

忍者、事務職はじめました Vol.5

「おはようございます!」

「おはよう、ハヤクジさん、今日は何時から待ってたんですか?」

「今日は、10分前くらいから待ってました」

「さすがに、もう朝5時から待つことはないかぁ」

「さすがに、はい」

「私、営業のウカミと言います。ウカミヒロシです。よろしくお願いします」

「ウカミさん、よろしくお願いします」

ウカミさんは、いかにも『デキる営業マン』という感じで、爽やかな笑みが似合うイ

もっとみる