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DOKKA-NO-MAGAZINE

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独暇流忍術オリジナルマガジン
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2016年6月の記事一覧

忍者、事務職はじめました Vol.5

忍者、事務職はじめました Vol.5

「おはようございます!」

「おはよう、ハヤクジさん、今日は何時から待ってたんですか?」

「今日は、10分前くらいから待ってました」

「さすがに、もう朝5時から待つことはないかぁ」

「さすがに、はい」

「私、営業のウカミと言います。ウカミヒロシです。よろしくお願いします」

「ウカミさん、よろしくお願いします」

ウカミさんは、いかにも『デキる営業マン』という感じで、爽やかな笑みが似合うイ

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忍者、事務職はじめました Vol.4

忍者、事務職はじめました Vol.4

運命の瞬間がやってきました。

私としては、図書館の本で見た面接の成功例の1つですら達成していないとしても、何か期待を抱いていました。

社員の皆さんの声も、その気持ちを後押ししてくれたような気がします。

「えーと、どうやって伝えたらいいのかわかりませんが、結果的には不採用です」

「はい、ありがと・・・!?えっ!!!」

「申し訳ありません、今の我が社の利益では、とてもお給料を払える状態ではな

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忍者、事務職はじめました Vol.3

忍者、事務職はじめました Vol.3

次の日、私は朝早く目覚めました。

スーツに着替え、さっそく昨日出会った社長さんの会社、正確には社長さんへ教えてもらった住所へ向かいました。

教えられた住所には、会社らしき建物がありました。

しかし、どうやら開いていないようなのです。

入口のドアは自動ドアではないため、私の中の忍者が出ているわけではありません。

考えてみたら、何時に行ったらいいのか聞き忘れていました。

今は早朝の5時。

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忍者、事務職はじめました Vol.2

忍者、事務職はじめました Vol.2

今の会社との出会いは、本当に偶然でした。

当時はわからなかったことですが、未経験歓迎という言葉は、この世には存在しないと思っています。

面接をしてもらおうと、求人情報誌を見ながら電話をかけまくりましたが、面接にたどり着くことはありませんでした。

ちなみに、求人情報誌を見て電話をするということは、独暇の里で師匠から教えてもらっていました。

一般社会で仕事をしていた師匠の教えは、本当に素晴らし

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忍者、事務職はじめました Vol.1

忍者、事務職はじめました Vol.1

私は今、とある会社で社会人として働きながら、独りで生活しています。

事務職なので、それほど給料が高いわけではないけれど、生活に困ることもありません。

社内での評判もよく、仕事自体にも満足しています。

プライベートでも、自分のやりたいことに挑戦し続けています。

むしろ、やりたいことが多すぎて困っているくらいです。

そんな私には、みんなへ内緒にしていることがあるんです。

実は私、忍者なんで

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