感想「運命のシナリオ」
1. 初めに
こんにちは、今回は天外伺朗さんの最新刊「運命のシナリオ」を読み終わったのでその感想を書いてみます。
このnoteに載っけたのは、ホ・オポノポノというハワイの原住民に伝わる叡智とも世界観として紹介されているものが特に印象に残ったので。
マントラのようこの4つの言葉を唱えれば「あけわたし」が進んでいくらしい。「あけわたし」というのは、ほぼ同じ意味の「実存的変容」が進んでいくということだ。
ありがとう
あいしているよ
ごめんなさい
ゆるしてよ
ここで「あいしているよ」はどんな種類のものか気になるが、あまり拘らなくてもいいかもしれない。
天外さんの本は10冊近く読んでいるので、違和感なくすんなり読めた。新刊「運命のシナリオ」で新たに知ったことを順に感想を書く。
2. C.G.ユングの話
まず、見開きの「無意識に巣食うモンスターたち」の挿絵が変わった。『「正義と悪」という幻想』までの既刊の口絵に無かったCGユングの元型(アーキタイプ)の層が、モンスター層と聖なる層の間に追加されている。
新刊の表紙にあるように、タイトルの運命のシナリオ、宇宙の流れ、宇宙のシナリオ、あの世、シナリオ的な運勢の流れはCGユングの「集合的無意識」にたたみ込まれていると。新刊では、ユングの心理学との関係を分かりやすく解説している。
ユングと言えば共時性(シンクロニシティ)。その説明はこう。
偶然なんてない!というやつ。
私の場合、仰々しい共時性体験というのは思い出せない。このブログを脱稿してアップする準備にかかったところで、電子メールに『「実存的変容」セミナー』のお知らせが入ったことぐらい。どちらかと言うとマーケティング・ファネル・シンクロニシティぽい。
私たちが偶然だと感じている出来事の連鎖は、実は私たちが容易にアクセスできないシナリオに既に刻み込まれているという概念。しかし、これをいわゆる科学的な手法で証明することは残念ながらできない。
私の場合は、なんかそんな感じがするというスタンス。
そして、ユングの「集合的無意識」の概念についても分かりやすく説明がある。
要するに人類全体がつながっているという説。私はひょっとしたら人類以外の意識を持つ種ともつながっているのではないかと想像している。フロムもそう考えていたっぽい。
そういうわけで、プラトンは「肉体は魂の牢獄」と言ったそうだが、その状態に通じるのかと感じる。
エーリッヒ・フロムは「愛するということ」の中で、
「集合的無意識」でつながっていると信じれば、決して魂が牢獄に幽閉されているわけではないと希望が持てるのではないかな?
生きたままで、人の感じることや思考が読めたり、「集合的無意識」につながれたりは、万人ができるわけではなさそうだか一縷の望みはあるかも。
「運命のシナリオ」に話を戻す。
ペルソナとシャドーの分離はこんなふうにこの本では説明している。
ユングはフロイトの最初の発見を発展させて、こう説明している。
抑圧したもの「シャドー」は、その人にとって耐え難く、認め難いものなので、抑圧した時には相当な「痛み」や「辛さ」を味わったはずで、二度とそんな感覚は味わいたくないという回避行動を無意識のうちにとってしまう。それを天外さんは警戒警報と呼んでいます。
「運命のシナリオ」の課題は、
としている。無意識はシャドーのモンスターのように避けて通りたい嫌な意識層だけかというと「真我」と呼ばれる層もあると説明されている。
新刊「運命のシナリオ」で口絵に追加されたユングの元型についてはこのように説明されている。
事例としては、「運命のシナリオ」では、ビートルズの故ジョージハリスンの元妻パティに惚れたエリック・クラプトンの話が書かれている。
クラプトンは横恋慕が実ってパティと結婚したが、彼の抱いていた彼女へのイメージ、要は「anima」は現実の彼女とは違っていて失望するという話が載っている。
お付き合いしたり、同棲したぐらいではわからなかった相手の性格、性癖などが後からわかる。結婚してからこんな人だと知ってわかれたくなったというパターンは、友達、知り合いからの実話を時々聞く。見極めは難しい話かもしれない。
私も、「あ、間違えた!」と経験したことは時々あったような気がする。
第三者の眼から見て、自分の眼が曇っていないか意見を聞くのが良いのではないだろうか?そういう意味では、今や消滅したお見合い制度は理に適っていたのかも知れない?!
3.「科学的ロマン」な「あの世」の話
うさんくさいと言われがちなユングの心理学や、デヴィド・ボームの「ホログラフィー宇宙モデル」のような科学的な説明ができていないものに、天外さんは「科学的ロマン」と名を付ている。
ボームについてWikipediaで調べてみると、神経心理学の分野についても量子力学的理論を構築したようだ。
あの世はこの世をフーリエ変換したようなものではないかという「科学的ロマン」は天外さんの「無分別智医療の時代へ」で既出だったのでこれくらいで止める。
4.「宇宙の流れ」の読み方
音響工学や振動工学でフーリエ変換を使って研究をした人にはピ〜ンとくる発想だが、なんらた変換とか、畳み込み積分といってもわかるかな? 私の場合、大学で論文書くのにパソコンにインストールしたフーリエ変換ソフトには散々お世話になった。
これから体験することを、音楽や映像と例える。身近なものではCDやDVDに音や映像は収録されているわけで、CDやDVDが「あの世」といったら荒っぽすぎだろうか?
運命はもう記録済み、なんて訳。
これは同感。動くということでは、人と会う、特に新しい人に会うのは大きい感じ。どっちかというと人見知りで付き合い悪い私は得意ではないのだが。
まあ、そうするとそんな情報とか会社とかこんなところにあったんだという出会いが生まれなす。共時性っぽく感じる時もある。できるだけ自分で体験して見て、本物かどうかとかオーセンティックを感じるか見極めるようにしている。
あ、これ違うなと感じたらフェードアウト。
これだ、これだと感じるものがあれば、ソース原理のソースになろうとする。ソースの話はまた別の機会に。
「宇宙の流れ」に乗る話に戻ると、天外さんはこう言う。
なかなかできないこと。人間関係や仕事のしがらみでいつまでもダメなものに引っ張られる。そんな生き方からようやく脱出できたこの頃。でも、そうでない人ってそれが「宇宙の流れ」なのかな?
宇宙のシナリオから外れている時に気が付く2つのポイントが書かれている。
そして、もう一つ。
判断のための指標が、まとめられている。
5.「宇宙のシナリオ」からのご指名
ティール組織と呼ばれる進化型組織の研究をして本にまとめたフレデリック・ラルーという人は、こんな感覚に襲われていったそうだ。
健在意識の層から能動的に活動を開始した感じではなく、無意識の層からの意志の発動と私は捉える。
ただし、個人の無意識層からか、人類全体の無意識層からかはたまた聖なる層かまでは、私には区別がつきません。
ところで、文豪ゲーテは無意識についてこう書き記している。
無意識あるいは「宇宙のシナリオ」から来るメッセージに、従うことを、
と呼ぶ。これは私流の解釈。
ところで、この「あけわたし」の対象になるものが、結構良いものと認識されているものも含まれる。真宗とか浄土真宗の用語のようであるが、「自らのはからい」(「運命のシナリオ」p141) というのが「あけわたし」の対象になる。
要するに煩悩のことだが、煩悩のうちには「夢を持ちましょう」とか「目標を設定して、それに向かって努力しましょう」と言った前向きとかポジティブな内容も入る。
N G!「努力」「頑張り」「向上意欲」。これらはNGなのである。
これらが「宇宙の流れ」に乗る妨げになっているという。
以前から天外さんは、「実存的変容」を遂げられ得ないと、蛹から蝶には変態できず、もっとでっかい蛹になるだけと同じことになると言う。「宇宙の流れ」に乗れないとでかい蛹に変態するだけだそうだ。
6.「宇宙の流れ」に乗るには、瞑想が手段!?
「運命のシナリオ」では、いくつかの瞑想法とその効果について説明されています。さすがに天外さんも「宇宙のシナリオ」にフルにアクセスできるまで悟られてはいないと伺っている。
詳細は、「運命のシナリオ」の他に「問題解決のための瞑想法」を参照するのがいいかと思う。
私自身は、ヴィパサナー瞑想を始め、天外塾で習った鳥の瞑想、メンタルモデル瞑想などを累計1,000時間以上続けているが、なかなか宇宙の流れのインターチェンジまで来ているのかどうかわからない。
ヒプノセラピストの資格を取ったのでセルフヒプノシスを試し始めたところだ。
生きているうちに、宇宙の流れに乗って共時性の波乗りを体感したい気分だ。
7.ホ・オポノポノの世界観(ハワイ先住民の叡智)
「運命のシナリオ」の最後の章に紹介のあるハワイの先住民の世界観、「ホ・オポノポノ」の話。
とういうことは「ウニヒピリ」をDVDに例えるなら書き込み、消去ができるDVD-RAMのようなもののイメージになる。
で、そのクリーニングの方法は、一番簡単なものとして、4つの言葉をマントラのように唱えると説いている。
クリーニングしたい対象を思い浮かべながら、4つの言葉を36回で一サイクルにして二サイクル続けるように天外流「ホ・オポノポノ」瞑想はなっている。以前習った天敵瞑想に似ている。慈悲の瞑想として広く知られる瞑想法にも似ているようだ。
まだ、知ったばかりなので、効果については、私は未確認です。
このマントラにラップのようなリズムと旋律をつけてみたい。
「宇宙の流れ」に乗る方法がいくつか紹介されたわけだが、凡人の私には成果は出てきていない。
8.括り
人生の途中で、個人と組織を含めて「宇宙の流れ」に乗る、あるいは実存的変容に臨まなければならない時は全ての人に来るのだろうか?
私の当て推量であるが、精一杯多めにみても日本人の10%ぐらいではなかろうか?
残りの人たちは、”壁通り”を総本山にした、でっかい蛹を追い求める強欲資本主義に翻弄されて一生を過ごす気がする。
付図.意識と無意識の階層構造
意識の各階層の間は、明確な境界がひけなくて、グラディエーションになっているイメージを私は持っているので、「運命のシナリオ」の口絵を、自分なりに咀嚼して描いてみた。
PS. 「あの世」「宇宙の流れ」をのぞいてみるために「実存的変容」セミナー』を受けることに、無意識が意識より先に決めていた。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
時々、「あの世」、「宇宙の流れ」と経営の関係をテーマにブログ描いてみたい。
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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
URL: https://teal-coach.com/
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