見出し画像

ストラスブール日記③

早朝5時。昨日も今日もこの時間に何故か目覚めてしまう。就寝が23時だから睡眠不足と言うほど眠れてない訳でもないから問題はないけど。

しばらくゴロゴロしてから身支度を整えて、今日まず目指したのはストラスブールのノートルダム大聖堂。到着直前に美味しそうなドイツ系のパン屋さんに入って生ハムと野菜のオープンサンドと小さめのググロフとカフェラテを購入してお店の外に出るとちょうど9時を告げる鐘の音が町中に荘厳に響いていて素敵だった。

ストラスブールのノートルダム大聖堂はザ・ゴシック建築という感じのトゲトゲして細々とギザギザした様相。その幾重にも施されている装飾を観察するだけでも相当の時間を要するのに、その規模がまたすごい。いろんなアングルを試みたけど、写真や動画で全体像を捉えることが私の手腕では難しくて断念。

大聖堂の中はステンドグラスやからくり時計もあって更に見所満載でしたが、ヨーロッパの教会特有の華やかさと厳かさが共存している感じに圧倒されつつ、歴史の薫り高い物々しさの中に、現代美術家の宗教画もあって訪れる人々の目を引いていました。

大聖堂を満喫した後、ストラスブールで最も人気がありそうな景勝地、petite-France まで散歩。
美しい川沿いを歩いて気分は最高だったけど、この日の朝の気温は6℃。ヒートテック×長袖ワンピース+ウルトラライトダウンという装備でも足りずとにかく寒い!から、目に付いたカフェに入ってカプチーノを頼むと今日のカプチーノは生クリーム乗せじゃない、私の知ってるシンプルなカプチーノでした。どういう基準で生クリーム乗せになるんだろう?

カフェで暖をとりながらノープランの今日1日の過ごし方を夫とミーティング。トラムで30分程でドイツのケールという街に行けるらしいからサクッと行ってみるか!ということで向かいました。

表札がドイツ語で国境越えた感が高まる

国境の街なんて田舎で何もなくて手持ち無沙汰だろう。と侮っていたらとんでもない!もちろん華やかな観光地ではないけど、のどかで静かな素敵な街に大きなモールがらあったから入ってみたら、ここは宝の山。お買い物天国でした。スーパーとドラッグストアにどれだけの時間を費やしたことか!

ストラスブールとケールで生活する人々は、食材はストラスブール、日用雑貨やタバコはケールという感じでそれぞれ行き来しながら安くて質のいいものを調達する様です。

ランチはストラスブールに戻ってアルザス料理を食べるつもりだったのに、モール内の中華系の手軽なお店が賑わっていて美味しそうだったから誘惑に負けて入ったらとっても美味しかった。
アジアンフード万歳!

モールを堪能した後、歩いて国境の橋を渡りたい!という夫の願望を叶えに。川沿いには綺麗な公園があって照りつける陽射しが川面にキラキラしている様は絶景でした。

トラムでストラスブールに戻って、スーパーで買った荷物をホテルに置いてから再び散歩に出て、川沿いで白ワインをいだきました。このお店は地元の学生さんに人気の様で、数人のグループが歩道に友人を見つけると呼び寄せてどんどんメンバーを増やしながらおしゃべりする様子が微笑ましい。

店員さんもとても感じかよくて親切。
実はこの旅で何度か簡単なフランス語すら私の発音の問題で通じず軽く凹んでいたのだけど、二杯目のワインを頼む時、
Du vin blanc, s’il vous plaît.
-Même?
Non, autre.
-Ok!
とオーダーが成立して、しばらくしてC’est mon préféré.と、お姉さんが一番好きな白ワインを運んでくれたのがとても嬉しかった。飲んでみたら一杯目のスッキリした辛口とは全然違うデザートワインみたいに甘くて飲み口のいいワインで、アルザスワインの実力を知ることに!

ほろ酔いでさらに気持ちよく散策していると、美味しそうなケーキ屋さんがあって吸い込まれる様に入り、酔っ払って気分がいいから、
Ça et ça,s’il vous plaît. Et je voudrais acheter une glace.
と、店頭で売られているアイスを指差してケーキと共にオーダー。
Comme parfum?
-Quelle est votre préféré ?
Chocolat !
ということで、お姉さんの一番好きなショコラ味を購入。このアイスとても美味しくて私史上殿堂入りです。

その後も散歩を続け、漫画と絵本の中間みたいなバンド・デシネを専門に扱う本屋さんで、フランスで絶対買うと決めていた、ニコラ・ド・クレシーの氷河期を探してもらってゲットしたり、中古のレコード屋さんでかかっていた音楽が素敵だったから誰が歌ってるのか聴いたらモロッコ人の女性歌手でアラビア語のその曲に魅力されて購入したり、旅先ならではの良い買い物ができて大いに満たされました。

お腹が減ってきたので、夫が目星をつけていた地元で評判の良さそうなアルザス料理屋さんに行くと、全ての席にreserveの札が置いてあったのに、入り口に一番近い席に座ってOKと店主のマダムが通してくださり、手に持っていたケーキも冷蔵庫で預かってくださいました。優しい!

こちらのお店、本当に大人気の様子で私達が入店してから10組以上の予約していないお客さんが来ては今日は予約でいっぱいなのよ、ごめんなさいね。と断られていたから入れたのはとってもラッキー。
入り口の席だから少し寒いなと思っていたら、マダムが飛んできて寒い?大丈夫?と扉を閉めてくれたり、店員のお姉さんも何かと気遣ってくれてとっても親切。 

食前酒のマスカットのお酒はとても良い香りで美味しかったし、前菜のエスカルゴはオイルの最後の一滴すら残したくないほどの風味で、メインのソーセージやハム×シュークルトも加工肉にしては絶妙な薄味なのにしっかりコクがあって絶品で、2〜3人前??と思うくらいボリュームたっぷりで素晴らしかった。

帰り際にマダムからどこから来たの?と問われて日本だと答えると、まぁ!遠くからありがとう。と握手を求められたりして、美味しいばかりでなくホスピタリティの高い接客に感動。次にストラスブールきたら絶対にまたここに来るし、友達が旅するなら必ずこのお店に行く様にお勧めします!

景色も買い物も人との触れ合いも盛り沢山で楽しく幸せな1日でした。
明日は昼過ぎにTGVでストラスブールを発ち、夕方からはパリです。
パリに行くのはとっても楽しみだけど、ストラスブールを離れるのは寂しい…

今日得た教訓:稚拙なフランス語で通じない局面があっても、使っていれば意を介してくれるひともいるから、臆せず喋ってみることが大事!

※この日記は、2019年9月に自身のfacebookに投稿したものの転載です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?