上司と「言った、言わない論争」になりそうだった時、私はどうしたか。

上司に、「こういうこと言ったよね。あれ良くないよ」と注意を受けた。対面ではなくメールで受けた。それだけならば別に良い。

ただ、問題だったのは注意を受けた内容について、私が言った記憶が無かったことである。

もしここで、自分が「言ってません」という反論をしたら、「言った、言わない」の水掛け論になると思った。生まれて初めて「そんなことは言った記憶が無いのですか〜、、」と言うどこかの官僚の気持ちが少しだけ分かった。本当に言った記憶が無いのだ。

私は、「言った記憶はあんまり無いんだけどな。どうしてだろ。」とは思いつつ、メールを打ち始めた。

言っただろうが言ってなかっただろうが、何かしらそのように思わせる要因があったのなら、それは謝るべきだと思ったからだ。

ところが近くで私の様子を見ていた先輩は、「言ってないことは言ってないってはっきり言った方がいいよ。言ったていで言うと評価にも関わるよ」と言った。

簡単に謝ってはいけないのだろうか?こういう場合ってどうしたら円満に解決できるんだろう?と思った。また、こういった場面が今後もあるかもしれないと思ったため、自分の理解の為にも整理することにした。

私は下記の5点に沿って行動した

①相手が「そもそも何故そんな事を言っているのか」を考える(言うに至ったきっかけと意図)

②自分の態度や言動についての相手の解釈を確認する

③相手に不快な思いをさせてしまったことは事実なのでそれは謝る

④ただし、自分にはそのような意図はなかったことを伝える

⑤(これは場合によると思うが)自分の気持ちや意図を相手が納得できる形で伝える。


実際にやってみて、最も大切なのは①と②だと思った。自分の言動を振り返り、相手がどのように解釈したのか理解に努める、そして自分に非が無かったかを考える。

これによって自分が悪いのか相手が悪いのか、という白黒ではなく、冷静に状況を分析することが出来る。

また、人によっては当たり前だと思われるかもしれないが、④をきちんと伝えることも重要である。

物事がうまくいかなかったときに自分のせいだと感じてしまう(それが悪いことだとは言わないがそういう人もいるのは事実である)人だったり、自分よりも強い立場の人から言われる状況の場合、思考停止でまず謝る、という場面が多いのではないかと思う。

(かくいう私も、自分が悪いのだ…と思ってしまうことがある)

しかし、コミュニケーションの問題は相手の心の状況に左右されたりするし、解釈が歪んでいる人が中にはいたり(褒めてるのに嫌味だと捉えられてしまったり)、言われた相手によって無意識にフィルターを掛けてしまっていたりする。

だから、自分が意図と違うことは、しっかりと違うことを伝えること。そして自分自身が、気持ちよく仕事を出来るようにすることが大事だと思う。


最後に、上記の例は、お金や契約・交渉ごとには向かない場合がある。自分が悪かったと認めることで、交渉が不利に働く場合があるからだ。

あくまで普段のコミュニケーションを円滑にする為の方法の一つとしての理解である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?