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学研プライムゼミ はじめての入試現代文

対象読者

学研プライムゼミの現代文講座のはじめての入試現代文がどのような講座か気になっている方、本講座を受講予定でどのように受けていいのかわからないという方、今回はこういった方々が対象の記事になっています。

講座内容

白いテキストからもわかるように短めの講座で60✖︎10の全10回で評論を8回小説を2回扱う講座になっています。学研プライムゼミの白いテキストの講座は45分の講座が多い(枠を無視してる先生多数)のですが、珍しく授業内に確認テストがあるためか60分と通常より少し長くなっています。
50分問題解説があり、残り10分で確認テストを解き解説を聞く形です。確認テストは授業中に解く時間が設けられます。確認テストの問題はオリジナルではなく過去問です。
センター現代文の追試、共通一次を問題を題材に読み方、解き方を学んでいきます。元々難関国公立現代文、難関私立現代文、共通テスト現代文に接続することを前提に作られた講座なので、難易度調整と接続しやすくする事を考えて、設問を解きやすくするために設問条件がきつくなっていたり、選択式が記述問題、抜き出し問題になっていたりしてそのままの形ではなく問題が加工された形になっています。
主要講座の前段階の講座としてかなり意識された作りになっています。
扱われている問題は他の講座との被りを気にしてなのか、かなり古いものが多いです。一例を上がると2000年前後のセンター試験追試、1983年の共通一次の追試などです。学ぶ読解法自体に変化はないので受講者自身は気にする必要はないです。

感想

基本的にパンフレットのような立ち位置での受講は非推奨です。これは内容が悪いというわけではなく、講座の立ち位置があまりにも悪すぎるからです。
先生の授業自体は期待を裏切らないハイクオリティのものになっています。マクロの視点もミクロの視点も、道具を示してくれるタイプなのですぐに真似をしやすく他の問題で活かしやすいです。さらに、文章を読解していく上で一番大事な主題、主張、論拠の読み取り方をしっかり教えてくださいますし、マニュアル化しずぎない範囲で汎用性の高い読み方解き方を教えてくださるので本当にバランスがいいです。全てではないですが、ここを間違えたらこの力が足りていないので、こういう復習をしてくださいと言ってくださるので、何を補強すればいいのか分かりやすく復習しやすいです。頻出の設問以外の解き方も抽象化して、伝えくださるので再現性高く学習することができます。そして、文章内容を噛み砕きすぎたり、全く噛み砕かなかったりすることはなく、程よく噛み砕いて説明してくれるので、わかった気になりにくく、自力も鍛えられます。本当にバランスがいいです。

このように、授業内容自体は本当に素晴らしいクオリティなのです。しかし、繰り返しになりますが、講座の立ち位置が悪すぎます。順に理由をはなしていきます。この講座は、はじめての現代文ではなく、はじめての入試現代文なので別に簡単というわけではありません。そして題材も全てセンター試験追試、共通一次の問題で構成されています。解きやすいように加工されて少し簡単になってはいるものの、やはりそれでもそれなりの難易度はあります。それにもかかわらずパンフレット上では、各現代文の基幹講座の準備段階にこの講座が設置してあります。講座時間がいつもと違い60分になっているせいか、普段丁寧に説明してくださる事も一部説明しなかったり、普段の解説で言うことを言わなかったりし、さらにテンポも早かったりするので、難関私大、難関国立、共通テスト対策現代文の前段階の講座としてレベル、説明の仕方共に不適切感が否めません(今あげた3つでは丁寧に説明してくださっています)。そして、問題も3つの講座最初の方は、ほとんどレベルが変わらないので、3つの講座の最初がわからない人がこの講座をみても結局理解できないという事態になってしまいます。前述のように接続を意識して問題が加工されてははいるのですが、今挙げてきた理由から主要基幹講座の準備段階として受けるには不適切なものになっています。

ではどの講座が前段階でいいのか

短文から始める現代文読解(授業)がオススメです。パンフレット上ではじめての入試現代文と同レベル帯に置かれている短文からはじめる現代文読解(授業)は、良さは残しつつ今かいてきた問題点が完全になくなっていて前段階として受ける講座として最適なものになっています。もしかしたら、講座として後から設置された所を見るとはじめての入試現代文が前段階の講座として難しいという声が少なからずあったのかもしれません。
はじめての入試現代文に比べレベルも低く説明も丁寧なので、3つの講座についていけない層に完璧にはまっていて、はじめて入試現代文と違い準備段階の講座としてとてもいいです。いや、授業受けなくても参考書があるんでそっちだけで大丈夫!という方もいるかもしれませんが、参考書では身につけたい技術に集中してもらうために、かなり情報量を制限してあります。取り組んで貰えばわかると思いますが、有名誤答選択肢や、論理関係にそった解き方しか扱われていません。しかし、授業ではこれらに追加で参考書に書いていないそれ以外のルールに関連する押さえておきたいポイント、読み方、解き方、3つの講座(基幹講座)では基礎的すぎて話しきれない所について説明してくださり、参考書を購入した人にも学びがあるものになっています。そのうえ、参考書よりも紙面の都合がないぶん丁寧に解説してくださっていて、本で読むよりずっと理解しやすくなっています。それゆえ、参考書では理解しきれなかった方にも、もちろん有用な講座になっています。助走として講座を取る場合ははじめての入試現代文ではなく短文から始める現代文読解の方をとってください。

この講座がある事もあって、かなりはじめての入試現代文の講座が浮いてしまっています。

オススメの人

繰り返しになりますがパンフレット上は基幹講座の準備講座として、設置されていますが、その位置にしてはいかんせんレベル・説明の仕方ともに不適切なのでこの講座を準備段階で受講するのはあまりオススメではありません。したがって、通常講座をとっている人が演習の追加としてとったり、池上先生の授業がどういうものか体験したいという方にオススメの講座になっています。

上手に利用するための注意点

先生も仰っていますが、必ずテキストのコピーを取ってください。コピーを取ったものに予習をし、授業のメモや板書の書き込みをし、最終的には白紙のテキストに向かって解説を再現できるように復習をしてください。
何故わざわざコピーを取るんだと思われるかもしれませんが、コピーを取らないと白紙の状態のものがなくなってしまうので、繰り返し解くことができませんし、書き込みのない状態のもので解説を再現するという復習もできなくなってしまうからです。いや、そんなだったら別にしなくていいしそのままテキストに書けばいいやん!と思われるかもしれませんが、この練習は現代文の成績を上げる上で必要不可欠な事です。試験本番では先生の書き込みのない状態、説明なしの状態で問題を解かないといけないので、書き込みのある(補助がある)状態で復習していては一向に初見の問題では解けるようにはなりません。普段から自分一人で一から説明を作り上げていく練習をしておかないと、初見の問題を自分で解ききる力はつかないのです。コピーを取らないと、この大事な訓練ができなくなってしまうので、コピーを必ず取るようにしてください。
予習、授業中、復習の際の注意点にも触れさせていただきます。
予習はただ漫然と書いたり選んだりするのではなく、なぜそう書いたのか、なぜそれを選んだのかを明確にしたり、文章中でどこで迷子になったのか、どの選択肢で迷ったのかと疑問点を洗い出したりして、授業内容を効率的に吸収できるようにしておいてください。めんどくさがって、ただ漫然と読んだり、適当に解いたりするのでは意味がありません。成績を伸ばすためには問題と葛藤することが大事です。先生の読みと解きと、自分の読みと解きを比較できる機会を大事にしてください。
授業中は先生が電子黒板は黒板に板書する事以外、つまり口頭説明も、自分が先生の説明を再現する上で必要な事は必ずメモるようにしてください。このメモをする時はなぜそこに線を引いたのか、何故そう考えたのかというようにモチベーション部分に特に気をつけながらメモを取るようにしてください。ここをいかに理解しているかが、初見の問題で実行できるかの鍵を握っています。口頭でしか説明しなくても、内容的には大事なことは多いです。これを怠るとテキストやコピーをとって書き込みをしたものを見ても意味が分からず復習することが困難になってしまいます。
復習時には何も書いていないテキストに向かって、解説を再現するようにしてください。はじめのうちは書き込んだものを見ながらで構いませんので、最終的には何も見ずに白紙のテキストだけで説明を再現できるようしてください。
この3点をどれだけ丁寧にするかで学習効果が大きく変わってきます。身につけるために必要な問題数を5題にするか、それとも10題、20題、30題にするかは受講者次第です。現代文が伸び悩んでいる方や定着するまでに大量の問題や時間を必要としている方を見ていると、予習が雑、メモルのは先生が板書していることだけ、なにも見ずに白紙に解説を再現できるまで復習をしていない場合が殆どです。しっかりと成績を伸ばすためにもこれら注意点は必ず守ってください。


受講前にしておいた方がいい事

体験授業を受けてみて説明していることはわかる、文章を読んでみて言っていることは何となくわかるという場合はそのまま受講してください。逆に文章が難しすぎる、先生の説明を聞いても何を言っているのか分からないという場合は、池上先生の短文から始める現代文読解(参考書)を先にしてください。


授業ではセンター追試といきなり難易度がそれなりにある所から入るので、現代文をまったく学習したことがない人には厳しいものになっています。そのため、講座より文が短く教え方も同じ短文から始める現代文読解(参考書)を先にして、受け皿を作ってから本講座に取り組んでいただいたほうがスムーズに講座を吸収することができます。短文からもセンター、試行調査の問題入ってるじゃないか!と言われるかもしれませんが、文章が切り取られてかなり短くなっており、使う道具も示されているのでかなり難易度は抑えられています。苦手な人でも無理なく取り組めるので心配いりません。

受講後にしておいた方がいい事

この記事を読んでくださった方はこの講座の後に追加で難関私大現代文、難関国公立現代文などの講座を取るという事態には陥っていないと思いますので、そのまま志望校の過去問に移ってもらい、今まで講座で学んできたことを使う練習をしてください。

受験生の参考になれば幸いです。


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