見出し画像

公式カメラマンの話1 プロレスリング・ノア オフィシャルカメラマン 宮木和佳子📸

■リングサイドカメラマンの種類

はじめまして。ノアオフィシャルカメラマンの宮木和佳子です。
ノアのオフィシャルとなったのは2015年の暮れ、もう7年ほどのお付き合いになります。
試合の写真に始まり、宣材、ファンクラブ会報誌撮影、サイン会、会場風景などなど団体に必要なものをすべて撮る人です。つまりは撮りまくりです。常になんか撮っている人です。

「どうやったらカメラマンになれますか?」と聞かれることも多く、やることはわかるがなり方がわからないという謎業種ですが、さらに「リングサイドカメラマン」となると超難問らしく、参考程度ですが私がノアのオフィシャルカメラマンになった経緯をお話しようと思います。

まずプロレスのリングサイドのカメラマンは大きくわけて

・雑誌、新聞など媒体から来ているマスコミのカメラマン
・団体の公式カメラマン

この2種類にわかれます。

前者はみなさんご存知、週刊プロレスや東京スポーツといったマスコミです。
その時の求人状況にもよりますがうまくはまればリングサイドへの最短ルートといってもいいと思います。
そして私のようなフリーランスカメラマンは、マスコミに所属していないのでリングサイドに入ろうとしたら「公式カメラマン」というポジションにつくことが必須条件となります。
ですがどの団体にも公式カメラマンがいるわけでもなく、他のカメラマンが兼務している可能性もあるので団体の数だけあるわけでもなく
その椅子の本当に少なさと言ったら常に椅子取りゲームの決勝くらいシビアなものであることはたしかです。

■プロレスから離れることに

それでも!私!オフィシャルに立候補したい!
となっても特にオーディションがあるわけでもなく、募集があるわけでもないというのがまたやっかいな話です。
つまりはどこでいつ、だれがカメラマンを探しているかなんて全くわからないのです。
大抵は団体関係者の1、2名がなんとなく声をかけて探している状態が多く、私も過去2名ほど他団体オフィシャルに推薦したり、またオフィシャルにお声掛け頂いたりとありましたがまあ、いつも唐突でしたね。
そんなわけで私とノアをつなぐオフィシャルのお話も同じく、ちょっとしたことでつながっていくわけです。

女子大生カメラマン時代の私。

ちなみに私、この写真のようにリングサイドは作品撮影をきっかけに女子大生の時から入らせていただいているのですが、大学を卒業し「もう少しカメラマンとして勉強したい!」と思い始めた頃、
“ちょうど弟子が卒業するからアシスタント募集しているプロカメラマン”に出会います。
プロに弟子入りする機会はもう多分ない・・・・。心は揺れました。
ただ、「カメラマンに弟子入りする」ということは、そのときに持っているすべての仕事を終了しなければなりません。そもそもアシスタントが仕事を持っている事自体がイレギュラー。
時代はまだしっかりと徒弟制度があり、弟子としてカメラマンに師事する人間が他に仕事をもっていることなどありえないからです。
多くはなかったですがプロレスに関わる撮影をいくつかもっていたため
「今の仕事を手放して弟子入りするか、そのままフリーで続けるか」という悲しい人生の選択を早速せまられる24歳の私。悩みに悩み抜いた上で、まずは足りなかった実力をつけることを選択し、
後ろ髪をひかれすぎて全部抜けるくらいの未練をタラタラ残しながらリングサイドにお別れを告げました。
リングサイドを離れる、ということは、媒体を持たないフリーランスの私にとっては
この先一生この撮影はできないことが確定するようなもの。

「やっぱりあそこには選ばれし者しかいられないんだな」

強く思いました。

そしてそれから10年の月日が経過。
私は3年半のアシスタントを経てカメラマンとしてデビューをし、早く立派なカメラマンになりたいと一般の撮影をこなし毎日を生きていました。
経験値も少したまって心の余裕もちょっとだけあるけれどやっぱり苦しい現状。
その頃から時々思い出すようになります。
リングサイドにいたあの日々・・・。

学生時代に撮影したプロレスの作品

ゴングが鳴り、少しだけ心拍が上がる。
カメラを持つ手に力が入る。
SHOW MUST GO ON
始まるのだからこそ終わってしまう数時間をどれだけ残せるか。
一枚でも良い写真を・・・。

懐かしく振り返れども、エブリデイカメラマン椅子取り頂上決戦が行われているリングサイドに戻れるツテなどなく寂しく思っていた頃、ノアマットは鈴木軍に占領され大変なことになっておりました。

そう、時は2015年。
プロレスリング・ノアのオフィシャルカメラマンになる未来がそこまで来ていたことなど
知る由もなく。

プロレスリング・ノア オフィシャルカメラマン
宮木和佳子

2022年07月16日 (土)武道館大会特設サイト

2022年07月16日 (土)武道館大会チケット

プロレスリング・ノア 今後の大会スケジュール