指切りをしよう

七夕だ。

織姫と彦星は、人間の寿命ならびに宇宙の周期に換算すると数秒に1度出会う計算になるらしい。あと雲の上で出会うから天気は関係ない。夢のない話ばかりを口にするようになったのは、いつからだったろうか。確かバンドが空中分解して、ちょうどその頃仲の良かった音楽関係の女友達とよく飲みに行っていた頃だと思う。

その女友達から「織姫と彦星は会えるかなぁ」と、天気の悪い七夕の時に言われたコトがある。そんで上記のように返答した。非常にモテない回答だったと思う。

とはいえ、僕だって別にそこまでドライじゃない。七夕を理由に、大事な人に会いたくなるようなピュアなハートも持っているんですよ。

かつて、数十年ぶりに指切りをしたんです。その約束は、まだ果たされていないけれど、七夕の度に思い出す。できれば向こうも思い出してくれていると嬉しい。

指切りをしたのは、嘘ついたらハリセンボンを飲ますためじゃなくて、そういうまじないが心に欲しかったから。この指が離れないように、と。

毎年、七夕はそんなコトを思い出す。

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