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縁切りしてきた。

前職の諸々は結構心の中で落ち着いてきたものの、ふとした瞬間にフラッシュバックしては不毛な時間と無駄な感情の浪費に襲われる。いい加減健全ではない。

出雲大社へ行き、髪を染め、休息をたくさんとった。怨みつらみを注ぎ込んだ曲さえ作り、それでもまだどこかモヤモヤしている。

そんな先週末、都内に出る用事があったので、ふと「縁切り」について調べてみたら、結構出てきた。京都で有名な所はあるけど、東京にもあるらしい。

そんな訳で、都内での飲み会の前に縁切り寺に行くコトにした。立地や内容的に合ってそうだったので、豊川稲荷東京別院に決定。

赤坂駅で下車。奇しくも前職の最後の仕事現場となったBLITZが目の前にある。そこから徒歩で10分ほどした場所に豊川稲荷東京別院がある。行くまでの間も音楽を聴いていたのだけど、タイミングよく「怨みつらみを注ぎ込んだ曲」が流れた。これも何かのタイミングだろう(と思うコトにする)。

中に入ると寺院特有のひんやりさがあった。土曜の昼間というコトもあってか、人がなかなか多い。強いて言えば年齢を問わず女性の参拝客が多い。

中は縁切り、縁結び、財宝融通といくつかのお参りスポットがあった。手水舎によって清め、本殿を参拝した後、縁切りが目的なので「叶稲荷」という場所へ向かう。すでに女性が3人ほどお参りしていたので、近くで待つコトにした。ふと絵馬が目に入ったので少し見てみると、場所の関係もあるんだろうけど、若手ジャニーズのグループの成功祈願が多く掲げられていた。

などと時間を潰していたのだけど、僕の前の女性はかれこれ3分ほどお祈りを続けている。よほどのコトがあったのだろうか。色々と推察を重ねるものの、それこそ神のみぞ知る話だ。それだけ真剣というコトでもある。

女性のお参りが済んで、僕の番になった。

お賽銭をそっと入れ、鈴をならし、二礼二拍手。心の中で自己紹介から日頃のお礼を述べ、前職の主要人物との縁切りをお願いした。悪く言うのはご法度らしいので、細心の注意を払った。心の中で唱える話なので、住所から名前まで詳細にお願いした。一礼して振り返ると、お参り待ちの女性が3人ほど居た。ひっきりなしだ。

その後、財宝融通も御参りし、仕事の繁盛を願った。自分の努力も必要だけど、念押しで。

そう。縁切りをお願いした以上は、僕もその縁が切れるように僕自身も努力しなければならない。寺院を出てから、何か連絡があったら困ると思いそのままにしておいた連絡先の一切を消した。Twitterもフォローは外していたけどブロックに切り替えた。いずれも登録名すら見たくないほどだったけど、メガネを外してぼんやりさせながら何とかやりきった。

連絡先を消すのにかかった時間は1分程度だったろう。この1分が耐え難く、連絡先の削除を先延ばしにしていた。そういう意味でもいいきっかけになったと思っている。もしくは、こういうきっかけ作りのために縁切りスポットというのは存在しているのかもしれない。

清々しい気持ちで寺院を出た僕は、清めのお酒を買った。

ハイネケン買って飲んだ こんな味だったけな

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